日本の自動車専用道路の中でも事故が多いとされる名阪国道。
そんな名阪国道を安全に走るために心がけておくことがあります。
高速道路ではないのに高速道路のように走る車。
急カーブの繰り返し。
上り坂で低速になるトラック。
限りなく短い加速車線。
事故誘発の臭いがプンプンしますね。
どうやって走る?
これらの原因を整理し、その対策を立ててみましょう。
名阪国道とは
名阪国道は、三重県亀山市の亀山インターチェンジと、奈良県天理市の天理インターチェンジを結ぶ、約73kmの自動車専用道路です。
よく利用する人は「名阪」と呼び、名阪といえば東名阪自動車道でもなく、西名阪自動車道ではなく名阪国道を指すことが多いようです。
名阪国道はこんな道路
名阪国道は東は東名阪自動車道、西は西名阪自動車道と連結した自動車専用道路です。
無料の自動車専用道路でありながら、準高速道路にという位置づけで計画されたため、一般的な高速道路では見られないような構造となっています。
例えば、
インターチェンジの加速車線が非常に短い
片側2車線のわりに路肩が異常に狭い
高速道路に無いような急カーブ
平地がほとんどない
制限速度は60km/hまたは70km/h(区間により変わる)
路面の状態はあまりよくない
覆面パトカー等はそれなりにいる
また、山間部を抜ける為、霧が発生しやすかったり、冬には雪や凍結の影響を受けやすかったりします。
<板屋インターチェンジ:加速車線が短い>
名阪国道は通行料金が無料
名阪国道は通行料が無料です。
ですから、他の高速道路と接続する部分以外に料金所はありません。
ゲートすらありませんので、間違って入って来る人もいます。
地元の中学生が自転車で侵入して、補導されることもあります。
通行料が無料ですので東海~関西間を移動するルートとして人気です。
厳密には発着地点が違いますので比較できませんが、例えばこんな感じです。
ルート | 区間 | 普通車通行料金 |
---|---|---|
名阪国道 (西名阪-名阪-東名阪) | 名古屋西-松原 | 2,570円 |
名神高速道路 | 一宮-吹田 | 4,390円 |
第二名神高速道路 | 名古屋西-吹田 | 4,150円 |
このように1,580円から1,820円安いです。
往復だと倍ですので結構大きいですね。
交通事故の多さ日本一
名阪国道は10kmあたりの死亡事故発生件数が、全国の自動車専用道路で最も多いです。

それには名阪国道特有の事情があると考えられています。
交通事故の多い場所としては、
・各インターチェンジ周辺
・カーブの多い場所
・関トンネル~加太トンネル周辺
が挙げられます。
また、事故の原因としては、
交通量が多い。
通行している車両の速度差。
東西が高速道路でつながっているためスピードを出しがち。
カーブが多くて見通しが悪い。
インターチェンジの合流で加速しきれない。
といったことが挙げられます。
事故があれば即通行止め
名阪国道は一般的な高速道路と比べて路側帯が狭く逃げが利きません。
ですから、ちょっとした事故でも通行止めになる事があります。

通行止めになれば、解除されるまで動けません。
運よく手前のインターで降りられたとしても、迂回路として使えるのは国道25号線。
かなりの酷道です。
もちろん、事故以外にも天候の影響で通行止めになる事もあります。
また、工事をする際も路肩が狭いため大渋滞を作りやすいです。
名阪国道の安全な走り方
名阪国道を走る際、一般的な高速道路と同じ走り方をするのは少し危険だと感じます。
先ほど特徴を挙げた通り、かなり事故を誘発しやすい環境です。
ですから、初めて走る方は次の事を頭においておく必要があります。
名阪国道はあくまで自動車専用道路
名阪国道はあくまで自動車専用道路です。
制限速度は60km/hまたは70km/hです。
名古屋から大阪に向かう際、東名阪自動車道は高速道路ですが、亀山インターチェンジを抜けると自動車専用道路です。
スピードを出して走るようには設計されていいませんのでご注意ください。
名阪国道では車両の速度差に注意
名阪国道は東名阪自動車道や西名阪自動車道を通過してきた車両が、そのままのスピードで走行することが多いです。
ですから、制限速度を守っているからといって、追い越し車線を60km/hで走っていると大変危険です。

また、勾配の箇所が多く長いため、坂道をゆっくり走る車両も多いです。
追い越しの際も速度差に注意が必要となります。
「後ろはまだ遠いから大丈夫」と思っていると、あっという間に追いつかれるのが名阪国道です。
名阪国道の急カーブ、オメガカーブ(ωカーブ)では減速を
名阪国道には、高速道路に無いような急カーブがいくつもあります。
ここを高速道路と同じ感覚で走ると痛い目を見ます。
代表的なのはΩカーブ(オメガカーブ)と呼ばれているものです。
文字通りΩの形に似ているのですが、場所は福住インターチェンジから天理東インターチェンジの間です。
きついカーブ、異常な勾配、霧が発生しやすい環境。
事故多発地点ですので走行には注意が必要です。
アクセルとエンジンブレーキをフル活用
名阪国道はカーブが多く、勾配もきつい場所が多いです。
何も考えずに走っていると、思った以上にスピードにのっていたり、スピードが落ちていたりします。
スピードが出過ぎた状態でカーブに突入すると危険ですし、スピードが落ちすぎると追突の危険性があります。
高速道路にしろ、自動車専用道路にしろ、周りの流れに乗ることが重要です。
具体的には、登り坂では踏み込んで加速し、下り坂ではエンジンブレーキを効かせてスピードを制限します。
これは乗用車でも同様です。
AT車の場合はDだけで走らず、下り坂ではシフトダウンしましょう。
ブレーキばかり踏んでいると効かなくなる危険性もありますし、後ろの車の迷惑にもなります。
特に先ほど紹介したΩカーブ。
下り線(亀山方面から天理方面)は長い下りとカーブの連続です。
油断しているとかなりスピードが出ますので注意しましょう。

名阪国道はインターチェンジからは極端に遅い車が侵入してくる
名阪国道のインターチェンジは加速車線が短いです。
そもそも、高速で走ることを想定していませんので、短い加速車線しかありません。
インターチェンジから侵入してくる車両は速度にのり切れていないことが多いです。
「インターチェンジからは極端に遅い車が本線に進入してくる」ということを前提に走行してください。
追い越し車線に車両が来なければ、予め逃げておくと良いかと思います。
名阪国道に高速道路のクオリティを期待しない
名阪国道の路面状況は正直良くありません。
全てではありませんが、ヒビや段差はいたる所にあります。
速度によってはハンドルを取られることもあるでしょう。
また、路肩は異常に狭いです。
少しハンドルを取られるだけで、衝突する可能性は路肩の広い高速道路より高いです。
高速道路のような走りやすさを期待してはいけない道路です。
基本は安全運転
名阪国道は様々な要因が重なって、事故の多い道路となっています。
かといって、過剰に反応するのもどうかと思います。
注意することは至極簡単。
車間距離を取る
速度のコントロール
危険個所の予測
こういった事に注意すれば、事故が起こる確率はグッと減らすことができると考えます。
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