NikonZ8の手ブレ補正
NikonZ8にはボディ内手ブレ補正が搭載されています。
ボディ内手ブレ補正はちょっとシャッタースピードが足りなかったり、わざと流すような写真を撮影する際に重宝します。
ただ、多くの機種でいえることですが、手ブレ補正の効果はカタログスペック通りに行かないことが多いです。
まずはZ8のボディ内手ブレ補正についての記述を見てみましょう。
Z 8は、5軸補正のボディー内センサーシフト方式VRだけでなく、ボディー内VRとレンズシフト方式VRが連動して高い手ブレ補正効果が得られる「シンクロVR」に対応しています。
高度なVR性能で6.0段分の手ブレ補正効果を実現。
薄暗いシーンを低速シャッタースピードで手持ち撮影する場合や、望遠レンズ使用時に効果的に画像のブレを低減します。
Z8のボディ内手ブレ補正について:ニコンHPより引用
これを見る限り6.0段階分と表記されていますが、あくまでも「シンクロVR」を使用した場合ととれます。
では、ボディ単体では?
もちろんZ6とボディバランスも違いますので、結果も変わってくると思います。
そのあたりについて実際に撮影、比較してみましょう。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
まずは、標準ズームのNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sを試してみます。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sはいわゆる小三元レンズ(開放絞り値f4通し)としてコスパの優れたレンズです。
使っている人も多いかもしれません。
そんなレンズの各焦点距離について、ボディ内手ブレ補正の効果を見てみましょう。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S【24mm】
焦点距離24mmは最もワイド側(広角)の焦点距離です。
一般的に広角は手ブレ補正の恩恵を受けにくいと言われています。
そういった事も踏まえて結果を見てみましょう。
一番左から、
・シャッター速度
・Z8のサンプル画像
・Z8で手ブレ補正できた確率
・Z6のサンプル画像
・Z6で手ブレ補正できた確率
となっています。
それぞれのシャッター速度で3枚ずつ撮影し、手ブレ補正できた確率を表示しています。
焦点距離24mmでの結果は、Z8とZ6でそれほど違いは無いようです。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S【70mm】
焦点距離70mmは標準より若干望遠寄りとなります。
Z6では手ブレ補正効果の目安とされています。
※Z6での手ブレ補正効果確認に使用されているのはNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sです。
焦点距離70mmでは、Z8の方が良好な結果となりました。
とはいえ、その差はわずかです。
ユニットとしては同等、持ち方やボディバランスによるものかもしれません。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S【120mm】
焦点距離120mmはこのレンズのテレ側となります。
結果を見てみましょう。
焦点距離120mmに関してもZ8の方が良い結果となりました。
手ブレ補正については望遠側の方が恩恵を受けるようです。
NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
次に望遠ズームであるNIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sを試してみます。
このレンズはレンズ内にVR機構を搭載しており、一部ボディとの連動が可能です。
Z8はVRとの連動が可能であるため、より手ブレ補正効果が期待できそうです。
それでは確認してみましょう。
NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S【100mm】
焦点距離100mmはこのレンズのワイド側焦点距離です。
Z8が随分頑張っています。
Z6は実質3段階、
Z8は頑張って5段階行けるかどうか・・・
といった感じです。
特に望遠領域では、あと1段階が欲しいという場合がありますので、この差は大きいと思います。
NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S【400mm】
焦点距離400mmはこのレンズの望遠端です。
望遠ズームの性能は望遠側の解像度、撮影力にあるともいえます。
ということで、望遠端の結果はとても重要です。
はい、なんだかZ8の圧勝感があります。
Z6は3段階、Z8は5~6段階。
「400mmで1/6秒が使えるかもしれない」というのは大きいですね。
撮影時のバランスもZ8の方が良いので、そういった点も手ブレを抑制する理由になっているかもしれません。
Z8の手ブレ補正は進化した?
NikonZ8のボディ内手ブレ補正ですが、ボディ内のみですとZ6と同等か若干良いといった感想です。
その差はわずか。
ユニット自体が進化しているのか、ボディバランスの違いなのか、メカニカルシャッターレスによる差なのか分かりません。
どこまでの手ブレを許容するかも重要。
ただ、VRレンズとの組み合わせで、わりと大きな差が体感できます。
全体で見れば、手ブレ補正能力は向上しているといえるでしょう。
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