Ai AF Nikkor 85mm f/1.4D IF「中望遠ポートレートとは?」ポートレートレンズの実力と作例、注意点

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ポートレート

ポートレートとは肖像といった意味があり、主に人物を被写体とした写真のことを指します。

特徴としては、

・背景はシンプルに
・人物はクッキリ、ハッキリ

といったものがあります。

 

<ポートレートの例:ニコン公式サイトより引用>

ポートレートでは、一般的に望遠レンズが用いられます。

望遠レンズを用いることにより背景をボカして省略し、人物を際立たせることが出来るのです。

 




中望遠ポートレートとは?

ポートレートにはいくつか種類があります。

そのうち中望遠ポートレートとは、望遠レンズの中でも比較的焦点距離が短い中望遠レンズを用いて撮影されるポートレートのことです。

 

中望遠レンズ:焦点距離70~150mmの望遠レンズ

 

<中望遠レンズの例:ニコン公式サイトより引用>

 

中望遠レンズは、

・被写体と撮影者の程よい距離を保てる
・歪みが少なく目視に近いほど描写
・中望遠ならではの背景ボケが期待できる

といった特徴があり、ポートレートに向いていると言われています。

 

<中望遠ポートレートの例:デジカメWatchより引用>

 

85mm中望遠レンズ

中望遠レンズといっても、様々な仕様の製品が販売されています。

ポートレートで重要となってくるのは背景ボケで、中望遠であってもF値の大きなレンズ背景がボケにくいためポートレート向きとはいえません。

また、ズームレンズも構造上F値が大きくなりがちですのでポートレート向きではありません。

<F値が4のレンズはポートレートに不向き>

ポートレートには、比較的F値の小さい単レンズが向いているといえます。

 

中望遠の単焦点レンズでよく見かけるのは85mm、105mm、135mmといった焦点距離の製品です。

中でも焦点距離85mmのレンズ半身~全身のポートレートレンズとして利用されています。

<85mm中望遠レンズでのポートレート:ニコン公式サイトより引用>

85mm中望遠レンズは、比較的目視に近い焦点距離を用いた自然な仕上がりと、綺麗な背景ボケが特徴のレンズといえます。

 

85mmF1.4中望遠レンズの実力

85mm中望遠レンズの中でも、85mmF1.4という仕様のレンズは比較的F値が小さいレンズです。

F値が小さいため背景がボケやすく、ポートレート向きといえます。

 

また、ポートレート以外にもその大きな口径を生かした撮影を楽しめるレンズでもあります。

<85mmF1.4中望遠レンズの例>

開放F値は1.4ですのでカメラ用交換レンズの中では明るい部類です。

 

参考までに大三元ズーム(開放F値2.8)小三元ズーム(開放F値4)と較すると以下の表のようになります。

 F値 露出段数比較露出の倍数
F1.4
F2.8(大三元レンズ)2段分約2倍
F4(小三元レンズ)3段分約2.8倍

数字だけですと分かりにくい部分もあります。

ただ、この数字以上に写りは変わってきますので、実際に撮影したもので比較してみましょう。

 

大口径を生かした自然なボケは良い

85mmF1.4中望遠レンズを開放で撮影した際、背景が綺麗にボケます。

背景のボケ具合は大三元ズーム(開放F値2.8)小三元ズーム(開放F値4)の比ではありません。

もちろん、それ以上F値が大きな交換レンズについても同様です。

 

実際に背景のボケ具合を比較してみましょう。

  

  

まずはF1.4とF2.8の比較。

左がF1.4、右がF2.8。

 

背景のボケ具合を比較してください。

F1.4の場合は背景に何があるか判別できませんが、F2.8となるとなんとなく「建物」があるのが分かります。

もちろん開放F値1.4のレンズを使用した場合、絞り込んでF2.8にすることも出来ますので「程よく背景を写す」といったことも可能です。

  

  

次にF1.4とF4を比較してみましょう。

背景のボケ具合を見ると明らかに違います。

F1.4は綺麗にボケていますが、F4ですと建物の輪郭や建具まで判別出来てしまいます。

こうなると背景ボケを生かしたポートレート撮影などは難しいといえます。

 

  

明るさを生かしてシャッター速度を稼ぐことも可能

85mmF1.4中望遠レンズは開放F値が小さいため、開放で撮影した際に多くの光を取り入れることが可能です。

 

F値 : カメラに取り入れることが出来る光量の指標

 

F値の考え方はレンズ前面の光を1とした場合の、レンズを通過する場合の減衰率を表します。

例えば、

・F1.4 レンズを通過する光量は1/1.4
・F2.8 レンズを通過する光量は1/2.8
・F4  レンズを通過する光量は1/4

といった具合です。

 

<F値のイメージ:光が減衰する様子>

 

要するに室内や夕方など、暗い場所(露出が不足しがちな場面)ではF値が小さいレンズの方が有利ということです。

暗い場所ではどうしても露出が不足気味。

こういった場面でもISO感度をそれほど上げず適切なシャッター速度を稼ぐことも可能なのです。

 

最短撮影距離に注意

85mmF1.4中望遠レンズを含め、中望遠レンズは比較的最短撮影距離が長めに設定されている製品が多いです。

ポートレート撮影に使う場合は問題ないのですが、小物や花など小さなものに寄りたい場合に最短撮影距離が不足しがちです。

<最短撮影距離が不足するためこれ以上は近寄れない>

こういった場合はマクロレンズの出番となります。

ただ、マクロレンズの多くはF値が大きいものが多く、ポートレートを撮影しようとした場合はボケ量が不足します。

レンズの基本設計が違うため「どちらにも使える」というわけにはいきません。

レンズは適材適所。

85mmF1.4中望遠レンズのようなかなり尖った仕様のレンズは、他には無いボケ味を提供する分、寄り切れないといった弱点もあります。

 




日中はNDフィルターがいるかも

85mmF1.4中望遠レンズ非常に明るいレンズです。

被写体や撮影環境によっては露出オーバーを起こすでしょう。

 

特に晴天時に最大限にボカそうと開放で撮影すると、シャッター速度の上限を超えることがあります。

こういった場合はNDフィルターなどで物理的に光量を落としてあげましょう。

<NDフィルターもあった方が良い>

 

工夫次第で面白い写真が撮れること間違いなし

85mmF1.4中望遠レンズはかなり尖った仕様のレンズといえます。

目視に近い中望遠レンズで、背景は綺麗にボケるけど、最短撮影距離が不足したり、明るすぎて困ったりと、特徴をよく理解しておく必要があるレンズであるといえます。

<Ai AF Nikkor 85mm f/1.4D IF>

もちろん、単レンズですので構図を決める際、被写体との距離は自身で調節する必要があります。

ズームレンズで何でも切り取ることを覚えてしまうと使いにくい事この上ないでしょう。

ただ、他のレンズに無い魅力があるのは間違いないのです。

 

 

 

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