これ1本で何でも撮るのは大きな間違い「高倍率ズームレンズ」の正しい使い方

機材レビュー

高倍率ズームレンズとは

高倍率ズームレンズとは、一般的にワイド側(広角側)とテレ側(望遠側)の倍率が10倍程度以上のズームレンズを指します。

18~200mmなんていうのが代表例ですね。

 

特徴としては以下のようなものがあります。

・単レンズ複数本分を1本にまとめられる。

・広角から望遠までカバーしているものが多い。

・f値は大きいものが多い。

・単レンズをいくつか買うより安く上がる。

・単レンズと比較すると画質はあまりよくない。 

 

単レンズ複数本分を1本にまとめられる

例えば18mm~200mmというレンズがあったとしましょう。

それを単レンズでそろえると本数が増えてしまいます。

 

単レンズとは焦点距離の変わらないレンズのことなのですが、例えばさきほどの焦点距離をカバーしようと思えば18mm、24mm、35mm、50mm、85mm、135mm、200mmというように、沢山の単レンズが必要になります。

とてもではありませんが持ち歩く気にはなれません。

 

一般的なズームレンズでカバーしようとしても2,3本必要になります。

高倍率ズームレンズの最大の利点は1本で多くの焦点距離をカバーできるコンパクトさにあります。

 

  



広角から望遠までカバーしているものが多い

製品化されている高倍率ズームレンズをみると、広角から望遠までカバーしているものが多いです。

これは1本で全てまかなってしまおうという、高倍率ズームレンズの概念によく合っています。

広角が使えれば近寄って遠近感のある画が撮れますし、望遠が使えれば離れた所から重量感のある画が撮れます。

  

中には50~500mmという望遠側に特化した高倍率ズームレンズも存在しますが、使用用途が限られているため1本で全ての撮影をまかなうのはキツイかもしれません。

  

f値は大きいものが多い

この場合のf値とは開放時の絞りの値のことで、構造上長く、沢山のレンズを配置する高倍率ズームレンズはf値が大きくなりがちです。

これは物理的な問題なのでどうしようもありません。

 

開放時のf値が大きいということは、暗いところでの撮影に不利であったり、背景があまりボケなかったりします。

f値と背景のボケについては過去記事もご確認ください。

「まるでバズーカ砲?」スポーツカメラマンが巨大なレンズを使う理由
オリンピックやスポーツ中継を見ていると、スポーツカメラマンがバズーカ砲のような望遠レンズで撮影しているのを見かけます。 同じ焦点距離なのに太さは倍ぐらいあり、とても重そうですね。 画像アプリケーションの発達した現在には似つかわしくない光景ですが、あれにはちゃんと意味がるのです。

沢山の焦点距離を1本にまとめられる便利さから考えると、それらの点は割り切って使うしかないのです。

室内など暗いところでの撮影であったり、望遠で背景を綺麗にボカしたい場合は単レンズのほうが良いでしょう。 

 

単レンズをいくつか買うより安く上がる

高倍率ズームはコストパフォーマンスの上でも有利です。

例えば18~200mmを単レンズでそろえるとこうなります。

製品名価格
Ai AF Nikkor 18mm F2.8D69,800円
Ai AF NIKKOR 24mm F2.8D16,632円
AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G21,400円
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G23,358円
AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G49,212円
135mm F1.8 DG HSM [ニコン用]128,000円
EF200mm F2.8L II USM59,800円
合計368,202円

メーカーがバラバラだったり中古と新品が入り混じっていますが、訴えたいことは単レンズでそろえると高いということですね。

これと比較すると18~200mmの高倍率ズームは破格の値段です。

同じ焦点距離が2万円台で買えてしまう。

考えられないですね。 

   

画質はあまりよくない

画質に関してはハッキリ言って期待してはいけません。

数本分の焦点距離をカバーし、価格も比較的安い。

高倍率ズームレンズはこれだけで十分なのです。

 

では原寸大データで比較してみましょう。

比較に使用したのは以下の2つのレンズです。

 

18-250mmは焦点距離24mmにして撮影しました。

まずは画質が最も良いとされる写真中央部分を原寸大で切り取ってみます。

左が18-250mm右が24mmです。

左の方が若干描写が甘いですが、まあそれなりには写っています。

 

ではレンズの性能差が出やすい端部分を原寸大で切り出してみましょう。

同じく左が18-250mm右が24mmです。

えっと・・・。

もう個体差で済まされるレベルではありませんね。

ハッキリ言って無理です。

使えません。

一般的にズームレンズはワイド側(焦点距離が短い側)の方が画質が悪いとされていますが、それにしてもひどすぎます。

 

高倍率ズームレンズは用途をよく考えて

高倍率ズームレンズは用途をよく考えて使いましょう。

条件が厳しい中での撮影では、思わぬ裏切りに遭いそうです。

 

以上を踏まえて私が考える高倍率ズームレンズの正しい使い方は以下のとおりです。

・旅行などで荷物をコンパクトにしなければいけない場合。

・特に画質を要求しない街角でのスナップ。

 

何事も適材適所です。

ガチでナイトシーンを撮影するような場面では使わない方が身のためです。

 

ちょっとお金を出して良いレンズを買いましょう。

標準ズームならf2.8通しのズームレンズなど、各社とも開発に力を入れているのでお勧めです。

高倍率ズームレンズとは比べ物にならないくらい綺麗ですよ。

 



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