皆既月食
2022年11月8日の夜は皆既月食でした。
同時に惑星食もあるうえに、比較的観測しやすい時間帯であったため多くの人が夜空を眺めたと思います。
今回のように地球の影に月が完全に隠れてしまうものを「皆既月食」。
部分的に隠れるものを「部分月食」と呼びます。
「400年ぶりの天体ショー」となったのは皆既月食と惑星食が重なったためで、部分食を含めると月食自体は年に1回ぐらいはあります。
参考までに国立天文台が発表している2023年以降の月食の予定は以下のとおりです。
2023年10月29日 | 部分日食 | 日本の一部で見える |
2024年9月18日 | 部分日食 | 日本で見えない |
2025年3月14日 | 皆既月食 | 日本の一部で部分月食が見える |
2025年9月8日 | 皆既月食 | 日本で見える |
2026年3月3日 | 皆既月食 | 日本で見える |
2026年8月28日 | 部分月食 | 日本で見えない |
2028年1月12日 | 部分月食 | 日本で見えない |
月の撮影
月自体は比較的明るい天体です。
ですから、露出さえしっかりしていれば手持ちでの撮影が可能です。
では月食はどうかというと、通常の満月と比べると圧倒的に暗いです。
月が明るく見えるのは太陽の光を反射しているので、地球の影に月が隠れるわけですから、暗くなるのは当然ですね。
では、どのくらい暗くなるのか見ていきましょう。
月食の撮影
まずは満月に近い月の撮影データを見てみましょう。
明るい暗いは置いておいて、こんな感じに撮影する場合のデータです。
シャッター速度:1/500秒
絞り:f5.6
ISO:100
焦点距離は500mmですのでシャッター速度が若干微妙ですが、手持ち撮影できない事はないです。
では先日の皆既月食での撮影データです。
この写真の撮影データは以下のとおりです。
シャッター速度:1/2秒
絞り:f5.6
ISO:1600
先ほどの撮影データと随分違います。
シャッター速度1/2秒ですので三脚必須です。
単純比較して見ましょう。
シャッター速度:1/500秒→1/2秒
絞り:f5.6
ISO:100→1600
ISOで4段階、シャッター速度で8段階、合計12段階分の露出変更です。
星を撮るイメージ
満月の撮影は手持ち可能ですので、露出さえしっかりしていれば昼間と同じような感覚で撮影可能です。
しかし、月食は圧倒的に暗いです。
どちらかというと星を撮るイメージです。
カメラブレを起こさないように、しっかりした三脚にケーブルレリーズ、ミラーアップなんかも必須なのです。
皆既月食を撮影する機会があれば、この撮影データと撮影方法を覚えておきましょう。
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