中一光学 APO 85mm F2.8 1-5X SUPER MACRO 【5倍マクロの実力】

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APO 85mm F2.8 1-5X SUPER MACRO

APO 85mm F2.8 1-5X SUPER MACROは中一光学が販売する1~5倍のマクロレンズです。

 

一般的なマクロレンズは1:1の等倍マクロ。 

これに対しAPO 85mm F2.8 1-5X SUPER MACROは5倍まで使えるのでかなり高倍率のマクロレンズといえます。

マクロの中でもかなり珍しい5倍マクロ

どういったものか確認していきしょう。

 



ピントリングが無い尖った仕様

まずこのレンズで特筆すべき点はピントリングがありません。

ピントは倍率により固定なのです。

ではどうやって合わせるかというと、被写体とレンズの距離を調整します。

 

この点は最初かなり戸惑うかもしれません。

「カメラを固定」「焦点をピントリングで調整する」といった通常の操作が出来ないのです。

 

被写体をゆっくり移動させる。

カメラをゆっくり移動させる。

マクロ倍率を変える。

こういった動作でピントを合わせます。

 

マニュアルレンズ

このレンズは完全マニュアルレンズです。

絞り操作倍率操作(ピント)手動で行います。

絞りリング、倍率リングともかなりトルクがあるので、マニュアル操作が好きな人は好感を持つかもしれません。

特に絞りリングのクリック感はオールドレンズにも似ていますので、古くからのカメラユーザーには懐かしいと感じるでしょう。

 

また、電子接点もありませんのでボディ側との通信が出来ません。

ですからレンズのEXIFデータが記録されません。 

 

今回使用したレンズはSonyEマウント用NikonZマウントに装着しました。

その際使用するマウントアダプターは、電子接点が無いタイプにしないとエラーを起こしシャッターが切れないのです。

完全マニュアルレンズの弊害ですね。

 

5倍マクロが強烈

なにはともあれ、このレンズ最大の魅力は5倍のマクロです。

等倍マクロでは表現できないようなマクロ撮影が出来ます。

 

5倍マクロで撮影できるものを、他のレンズの比較しながら見てみましょう。

<NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 120mm 最短距離撮影>

 

<SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 最短距離撮影>

 

<APO 85mm F2.8 SUPER MACRO 1-5X 5倍マクロ>

 

正直、画質はそれなりです。

価格を考えれば仕方が無いでしょう。

しかし、等倍マクロでは物理的に撮影できないものが撮影できます。

 

このレンズの開放値はf2.8。

マクロレンズのうえ被写界深度も浅いので、実際の撮影では1~3段階絞ることが多いです。

必然的に光量が不足しますので、室内では補助光が必要になってくるでしょう。

付属のリングライトが使えます。

 

マクロスライダーは必須

このレンズに関してはマクロスライダー必須です。

そもそもピント調節機能が無いので、被写体との距離を微調整する必要があるからです。

 

マクロスライダーはもちろん、三脚なしでの撮影はほぼ不可能です。

このあたりは通常の等倍マクロと違います。

<マクロスライダー>
【 マクロスライダー 】の使いかた! 微動装置の利点とその使い方
マクロ撮影(接写)するとなかなか構図が決まらなかったり、ピントが合わせにくかったりします。 そんな時に便利なのがマクロスライダー。 その利点と使い方について解説します。

 

「レンズを買って完結ではなく、それ以外にも撮影機材が必要になってくることを覚えておいてください。

 

アルカスイス規格の三脚座

このレンズの三脚座はアルカスイス規格の溝が付いています。

ですから、アルカスイス規格のクランプを使えば脱着が簡単になります。

もちろん通常の三脚ネジ穴もあります。

どちらも使えるのは有難いですね。

 

ただ、個体差なのか三脚座の造りは安っぽいです。

閉まりのイマイチなツマミに、やたらと回転しやすいリングがアナタを悩ませるかもしれません。

 

明らかに使用者を選ぶレンズ

一般的に使われている等倍マクロは、通常撮影も可能なものが多いです。

しかしAPO 85mm F2.8 1-5X SUPER MACROはマクロ撮影に特化しています。

風景を撮影しようと思っても、ピントが合わないので撮影できません。

 

「風景も撮りたいし、マクロも撮りたい」という人には向かないでしょう。

明らかに使用者を選ぶレンズです。

撮りたいものがハッキリしない人は手を出してはいけません。

等倍マクロに満足できない人向けと言えるかもしれません。

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