AI技術
最近何かと話題のAI。
AI=人工知能の略で、言語の理解や問題解決などを人間に代わってコンピューターに行わせる技術のことです。
大きなものでは気象や人の動きを予測したり、工場の効率化、プログラミング、交通、金融、医療、小売業など様々な分野で活用が見込まれます。
そんな中、ちょっと話題になっているのが画像生成AI。
これは人工知能を使って写真やイラストを生成してしまおうというものです。
どういったものか、中身を見てみましょう。
画像生成AIの能力
画像生成AIと聞いてどのようなものを思い浮かべますか?
2000年代に流行った貼り付け写真のような合成を思い浮かべる方・・・それは大きな間違いです。
画像生成AIはインターネット上にある膨大な量の画像を学習し、問いに対して最良の回答を出力しようとします。
ですから、題目があればそれに最もふさわしい画像を導き出すのです。
その生成能力は、
国際写真コンテスト「ソニー・ワールド・フォトグラフィー・アワード」でクリエーティブ部門賞を受賞し、
コロラド州の公共イベント「ステイト・フェア」で行われた美術作品の公募展で1位に輝くほどです。
ここまで来ると、画像生成AIはひとつの作画ツールとして認めざるをえません。
筆やカメラの代わりに画像生成AIで作品を出力するのが当たり前になるかもしれません。
最適解を出すなら、個人の知恵、想像力よりインターネット上にある膨大なデータの方が優秀であるということを証明しつつあるのです。
大きな流れは変えられない
AIが世間に認知され始めた当初「写真家、イラストレーターなどクリエイティブな職業はAIに代替されない」と、自称ITコメンテーターがTVなどで吹聴していました。
ところが、蓋を開けてみたら芸術分野においてもAIは優れた能力を発揮することとなります。
今後も画像生成AIによる優れた写真や絵画は世間に多く出回るでしょう。
ただ、こういったものを生業としていた人たちにとっては死活問題です。
ネット上に写真やイラスト等を掲載して収入を得ていた人は、その多くが画像生成AIに仕事を奪われるでしょう。
写真家、イラストレーター、漫画家、画家といった人達が対象です。
単価も時間も圧倒的に違いますから、購入者、依頼者からすれば当然の選択肢となります。
これに対し、一部で画像生成AIに対する反発も起きており、写真サイトやイラストサイトでは対応が始まっています。
画像生成AIは元となるビッグデータが無ければ高度な作品は生み出せません。
ですから、その部分を抑え込もうと躍起になっているのですが、基本的に無駄だと考えます。
日本の一部サイトがいくら対応策を練っても、海外で生成されてしまえば終わりです。
大きな流れは変えられません。
画像生成AIとは上手に付き合っていく必要があるのです。
インスタの映え写真もAI生成画像に置き換わる
写真・動画SNSとして普及しているインスタグラム。
綺麗な風景や見栄えの良い料理などを投稿する”映え”が流行しました。
この”映え”写真にもAI生成画像の波が押し寄せてきています。
その撮影スポットに行かなくても画像生成AIでそれっぽく作ってしまえば、時間もコストもほとんどかかりません。
”横浜レンガ倉庫”の夜景を撮り、翌朝は”トマムの雲海”を眺め、昼には”黒潮の海大水槽”の前で記念写真といった事も可能です。
「そんなバカな!」と思うかもしれませんが、世の中には旅行や料理、友達との会話を楽しむよりも「映え写真を投稿して”いいね”が欲しい」という人が大勢いるのです。
こういった人達にとって画像生成AIは最強のツール。
自宅でひたすら映え写真を生成し、ネット上に投稿するのです。
現にインスタグラム上にはAI生成画像が増えてきました。
よく見るとちょっとおかしな部分もあるのですが、それでも多くの”いいね”が付きますので、今後も増え続けると考えます。
仕事を追われるモデル達
AI生成画像の大頭により仕事が無くなるのは、描いたり、撮影したり、表現したりする人だけではありません。
モデルやグラビアアイドルに関しても実体が不要となります。
それを撮影していたカメラマンもそうです。
もちろん、超一流と呼ばれる人たちは残ります。
こういった人達はリアルの世界で仕事をしているからです。
困るのは主にネットや写真の中だけで仕事をしている人達。
既にネット上ではAI生成画像のモデルが出てきています。
SNS上でもAIグラビアアイドルが多くなってきました。
これには非常に多くの”いいね”が付いています。
平均以上かつ一般受けする容姿、更にポーズも背景も時間も自由でコストも格安となれば、使わない手はないでしょう。
わざわざ時間とお金を使い、南の島まで行って撮影する必要もないのです。
こう考えるとAI生成画像で十分と考える人が多くなるのは必然。
モデルやグラビアアイドルは、何か突出したものが無ければ食えなくなります。
女子アナなんかもリアクション芸が出来ないと食えないでしょう。
ありきたりなものはAI生成画像に置き換わる
ネットにしろSNSにしろ、ありきたりな写真やイラストはAI生成画像に置き換わります。
それは画像生成AI特有の、短時間で、多くの、完成度が高い作品を生成するという特徴により起こるものです。
絵心や撮影技術が無くても綺麗な作品が沢山生み出せるなら使わない手はありません。
わざわざ映えスポットに出かける必要も無いのです。
その生成スピードは人が作成するものの比ではありません。
結果、ネット上にはAI生成画像が溢れ返ることとなります。
では、近々ではどういった作品が残るか?
・ネット上に無いもの
・マイナーなもの
・著作権により固く守られているもの
条件はありますが、概ねこういった物になると考えます。
これがさらに進むとどうなるか?
マイナーなものやネット上に無いものは何らかの形でAIに学習され、著作権により固く守られているものは引っ掛からないギリギリのラインで生成されます。
結果、名前しか残らないと考えます。
SNS上に沢山投稿されている写真は皆似たり寄ったり。
では、閲覧者はどういった基準で選ぶかというと、最後は名前です。
「この人の作品だから見る」といった感じですね。
これはAI画像が多くなればなるほど進みます。
見る側の人間は時間が限られていますからね。
見分けがつかないのなら名前が先に来るという事です。
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