NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sは2019年2月に発売されたNIKKOR Zシリーズの大三元レンズです。
ニコンZマウント用の標準ズームレンズとして、F2.8の明るさと高い解像力を発揮し、初心者からプロまで幅広いユーザーを対象とした製品です。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sの主な仕様は以下のとおりです。
【仕様一覧】
対応マウント | ニコンZマウント |
フォーカス | AF/MF |
フォーマット | フルサイズ |
レンズ構成 | 15群17枚 |
絞り羽根枚数 | 9 枚 |
焦点距離 | 24~70 mm |
開放F値 | F2.8 |
最短撮影距離 | 0.38m |
最大撮影倍率 | 0.22倍 |
画角 | 84~34.20度 |
レンズ内手ブレ補正 | 無し |
防滴 | あり |
防塵 | あり |
フィルター径 | 82mm |
最大径×長さ | 89×126mm |
重量 | 805g |
大三元レンズらしく防塵防滴仕様で、Fマウントの大三元標準ズームより軽量、コンパクトになった印象があります。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sの魅力について、他の製品とも比べながら見ていきましょう。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sの表現力とは
大三元レンズ最大の魅力は、開放時F2.8という明るさにあります。
これにより、
・暗い場所での撮影で有利になる ・背景がボケやすい
といった利点があります。
この利点は、廉価ズームレンズや小三元レンズには無いものです。
「筒の太さ」という物理的な恩恵を受けられるのが大三元レンズの利点といえるでしょう。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sについても開放でのボケは綺麗です。
開放(F2.8)でのボケ味はF4の小三元レンズと比較するまでもありません。
もちろん絞って撮影することも可能です。
太さに関しては大は小を兼ねるのです。
心配される周辺部の口径食ですが、F2.8ではある程度出ます。
これは仕方がないです。
ただ、F4付近で目立たなくなりF5.6になるとほとんど分からなくなります。
「気になるなら1段絞りが出来る」という安心感があるのは大きいでしょう。
また描写も開放からシャープです。
周辺部の流れも気になりませんし、細かい文字が若干甘くなる程度でしょう。
等倍にして比較しない限り問題ないと感じます。
参考までに撮影したものを見てみましょう。
焦点距離24mmの端部です。
左がF2.8で右がF4
画像は等倍で表示。
広角による流れもありませんしF2.8とF4の描写差は並べてみないと分かりません。
F2.8だけ見せられれば十分高精細と感じてしまうでしょう。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sの機能性とは
NIKKOR Zレンズの多くにはコントロールリングやL-Fnボタンが搭載されています。
これには各種操作機能を割り当てることが出来ます。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sにも、コントロールリングとL-Fnボタンが各1つずつ採用されていますので、各種操作の割り当てが可能です。
左手でレンズを支えると、親指と小指がコントロールリングの位置に来るためリングの操作性は良いです。
リングの回転トルクは軽めの設定ですので、小指でも操作可能かもしれません。
L-Fnボタンは親指の位置で、こちらも操作がしやすいです。
また、このNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sにはレンズ情報パネルが搭載されています。
ここには、
・ピント&被写界深度 ・F値 ・レンズの焦点距離
が切替表示されます。
レンズ情報パネルは精密な撮影をする際やデータを取る際に便利です。
例えば、
・現在のピントを知る ・マニュアルでピントを合わせる ・正確な焦点距離を知る ・複数のレンズをデータで比較する ・ファインダーレスで撮影する
これ以外にも使い道はあると思いますが、何かの切っ掛けで有用性を感じる機能だと思います。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sの操作性とは
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sの操作部を見てみましょう。
レンズ前方から、
・ピントリング
・ズームリング
・L-Fnボタン、DISPボタン、レンズ情報パネル
・コントロールリング
といった並びです。
左手でレンズを支えると中心部にズームリングがあるため、ズーム操作はしやすいです。
また、ピントリングも近い位置にあるため、持ち替え無しに指を少しずらすだけでピント操作が可能。
コントロールリングについても同様です。
ピントリング、ズームリング、コントロールリングは適正なトルクがあり、重すぎることはありません。
人によるかもしれませんが丁度良いといった印象です。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sは太さのわりにズームリングが重かったので大きな差を感じます。
また、コントロールリングは筐体が細くなった部分に配置されており、意図せず触ることが少ないのも良いです。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sの携帯性とは
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sは大三元レンズですので大きいです。
これは他のレンズと比べてのことですので、同等性能の大三元レンズと比べると軽量、コンパクトになっているといえます。
参考までにFマウントの大三元レンズ(AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR)と比べてみましょう。
一目で違いがわかるのが長さ。
短くなっているのが分かります。
その差は28.5mm。
重量も約265g軽くなったので、持ち運びが楽になったといえるでしょう。
今まで長さの関係で入れることが出来なかったカメラバッグに収納できるかもしれません。
【参考:製品サイズと重量】
製品名 | 寸法 | 重量 |
---|---|---|
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR | 88×154.5mm | 約1,070g |
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S | 89x126mm | 約805g |
ただ、持ち手部分は太くなっているので、カメラを構えた際に大きく感じるかもしれません。
実際に装着してみるとZ6、Z7シリーズには少々大きいと感じ、Z8で丁度バランスが良くなります。
ミラーレスになって大きく進化したニコンのレンズ
ニコンは1959年以降Fマウントを中心にレンズを設計してきました。
それが2018年のZマウント登場により、大きく変わることとなります。
ミラーレスの特徴を生かした大口径のマウントと短いフランジバック。
これによりレンズ設計は有利に働きます。
また、レンズやコーティングに係る新しい技術も採用し、より高精細で操作性の良い交換レンズが登場してきます。
そんな中、2019年に発売されたNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sは現状で文句のない仕上がりとなっています。
プロだけでなく、趣味で写真を撮る多くの人にお勧めしたい製品といえるでしょう。
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