ZTF彗星
ZTF(ズィーティーエフ)彗星は、2022年3月に発見された新しい彗星です。
2023年1月中旬に太陽に最も接近し、地球でも1月下旬ごろから観測できます。

ZTF彗星は非常に暗い彗星です。
灯りの無い山頂などでは肉眼で観測可能ですが、市街地ではカメラを正しく設定してやっと撮影できる程度です。
そんなとても暗い天体、ZTF彗星の撮影に挑戦してみましょう。
ZTF彗星はいつ見られる?
ZTF彗星は1月23日~2月15日ぐらいまで観測できます。
最もよく見えるのは2月2日前後ですので、そのあたりを目指して観測すると良いかもしれません。
これから先の星空指数を確認しておきましょう。
ZTF彗星の明るさ(等級)は肉眼で見える限界といわれている6等相当です。
山頂など澄んだ暗い空の場合では、ぼんやりとした光を見つけることができます。
街中では光害により肉眼での確認は難しいです。
ZTF彗星の位置を確認
ZTF彗星は概ね北から西の空に現われます。
場所については毎日変わりますので、正しい位置を掴むことが必要です。
大まかな位置は「国立天文台HP」で公開されています。

ただ、肉眼での確認が難しいといえますので、今回は天体アプリを使うと良いでしょう。
以前紹介した「Star Walk 2 Free」はZTF彗星に対応しています。
まだ、インストールしていない方はこの機会に入れておくと良いです。

「Star Walk 2 Free」を立ち上げ、北から西の空に向けてください。
「方位」のマークをタップしてスマホをその方角に向けると良いです。
北から西にかけて彗星のマークが表示されているはずです。
これがZTF彗星です。
確認してみましょう。

ZTF彗星撮影データ
ZTF彗星の撮影は、三脚に固定してスローシャッター、高感度撮影となります。
このあたりは他の天体とあまり変わりません。
大きく違うのは、彗星が暗いため見えずらいということです。
肉眼で位置を確認し構図を決めるのは難しい場合があります。
ピント合わせは彗星ではなく周りの明るい天体で行ってください。
たとえ肉眼で確認できてもカメラのレンズを通すと上手く見えない場合があります。
ということで、これらに注意して撮影してみました。

どこにあるかっていうと真ん中あたりのぼやけた星です。
撮って出しなのでよく分からん?
多分、真剣に現像してもほとんど変わらないと思います。
彗星らしくないですね。
電柱まで写っています。
参考までに構図の中の電柱は真っ暗ですのでファインダー上では確認できません。
写ってしまった場合は目測で構図から外すことになります。
では、拡大してみましょう。

今回は住宅街で撮影しています。
残念ながら彗星の尾までは写せませんでした。
露出を多くすれば彗星の尾まで写ると思いますが、山頂など光害の少ない場所での撮影が必須となります。
なお、今回の撮影データは以下のとおりです。
焦点距離:85mm
絞り:f2
シャッター速度:4秒
ISO:1600
天体写真としては露出が少なめといえます。
光害の少ない所で観測、撮影
ZTF彗星は非常に暗いため、観測や撮影にはコツが必要です。
【撮影のポイント】
山中や山頂、ダム、海岸など光害が少ない場所での観測、撮影が必須。
街中でも撮影は可能だが彗星の尾までは写らない。
撮影の際はf2より明るいレンズが良い。
肉眼で場所が確認できない可能性が高いため天体アプリは必須。
ということで健闘を!
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