垂れ流し系YouTuber
皆さんご存じYouTuber。
動画共有サイトのYouTube上で自主制作の動画を公開している個人や組織のことです。
垂れ流し系YouTuberは、撮った動画をほとんど編集せずダラダラと垂れ流す配信者のことです。
基本的にほとんど編集しないので動画のクオリティは低いのですが、内容によっては多くの再生回数を稼げたりします。
有名どころでは、意図せずまわりから論破王と呼ばれている黄色いパーカーを着た40過ぎのオジさんが居たりします。
垂れ流し系YouTuberの特徴
垂れ流し系YouTuberの特徴は動画編集に時間を掛けないことです。
片手間ですので撮影も編集もそれなりです。
本来YouTubeで再生回数を稼ごうとすると、編集が重要になってきます。
長い人ですと30分の動画で、6~9時間編集に費やすともいわれています。
これに対し垂れ流し系YouTuberは、撮影した動画を切り貼りするだけですので、編集を10分程度で終わらせます。
音声や文字など再生回数が伸びるような編集はしませんし、ボカシや禁止素材など問題となる部分についても処理しません。
簡単に撮って、簡単にアップロードするという特徴があります。
デコトラ(トラック)イベントには垂れ流し系YouTuberが多く出没します。
イベント当日に道中や入場口付近で三脚を立てている人の多くが垂れ流し系YouTuberです。
中には、入場料節約のためイベント会場には入らず、トラックのみを撮影して帰る人間もいます。
そういった人にチャリティの意義を説くのは無駄だと考えます。
トラックイベントで垂れ流し系YouTuberが増えた理由
デコトラ(トラック)イベントに現われる垂れ流し系YouTuberはこの数年で増殖しました。
その理由としては、
スマホの高性能化。
撮影機器の低価格化。
バッテリーの大容量化。
投稿の簡単さ。
ノウハウの拡散。
場合によっては小遣いが稼げる。
といったことが挙げられます。
まとめると、参入障壁が小さくなったといえます。
簡単になったので、人が増えたということです。
トラックイベントにおける垂れ流し系YouTuberの問題点
こういうこと書くと、叩かれるのであまり書きたくないのですが、実際に「イベント会場拒否」などの実害も出ているので、この機会に全体的な問題として考えて貰えたらと思います。
大前提として、イベントでの撮影は自由であって欲しいと考えています。
ところが一部の人間の問題行動によって、イベントが出来なくなってきているのも事実です。
この2年間で起こった会場拒否を突き詰めていくと、どこかで垂れ流し系YouTuberに当たりました。
では、彼らのどういった行為が問題となっているのか見ていきましょう。
音の出る様子を動画で記録
デコトラの中には違法状態で走行しているものがあります。
デコトラに限らず、車の改造について細かくいえばキリがありません。
そういった事を撮影者が見分けるのは不可能です。
ただ、誰にでも分かりやすいのがマフラー音です。
不正改造したマフラーの音は基本的に騒音です。
この騒音が問題となります。
以前、記事にしましたが、不正改造車両はナンバーが分かれば「騒音が出ている」という事実だけで通報が可能です。
警察は必要ありません。
そんな中、公道を爆音響かせ走行しているデコトラを動画撮影、投稿するのは、不法状態を宣伝しているようなものです。
悪意(善意?)を持った第三者が、その動画を見て通報すれば非常に面倒くさいことが起きるでしょう。
「個人情報に当たらないから」とナンバー処理すら行わない垂れ流し系YouTuberは通報を助長しています。
実際に投稿された動画からナンバーを通報され、マフラー音で摘発され廃車となった名車もあります。
ニュースにもなっていましたね。
未だに無くならない手振り行為
公道を走るデコトラに対してやってはいけない事として「手振り行為」があります。
手振り行為は一定数でラッパコールの強要となり、最終的には騒音クレームともなります。
トラックイベントの際、一部の動画撮影者が帰宅するトラックに対して、絶えず手を振っているのを見かけます。
その場所で、何度も大きな音がするものですから近隣住民はたまったものではありません。
本人は意識していないようですが、ラッパコールは迷惑行為であり、クレームは主催者が受けます。
公道を走るデコトラを撮るのもダメですが、手を振るのはもっとダメです。
身内同士の撮影なら自己責任でやればいいのですが、主催者があり多くのトラックが集まるイベントではNG。
個人的な話ですが、イベントの際に知人からラッパコールがあっても知らんふりするのはこの為です。
決して無視しているわけではありませんので・・・。
公道上や歩道で三脚
垂れ流し系YouTuberの多くが長時間の撮影を行います。
ですから手持ちではなく、三脚にビデオカメラなどを固定します。
三脚は便利なのですが、設置できる場所が限られます。
車道はもちろん、歩道への三脚の設置も迷惑となることがあります。
酷い場合は車道やバス停に車を止めて、三脚を立てている人も居ますが大変迷惑です。
撮り鉄の問題行動がクローズアップされていますが、人のことは言えません。
撮影機材は高性能化して、誰でも簡単に動画撮影できるようになりましたが、撮影者の道徳が追い付いていない状況にあると感じます。
他人のトラックで金銭を得ているという事実
YouTubeはある条件を満たすと、広告を付けて収益化できます。
この収益を得るというのが大きな問題となります。
収益の発生をトラックの所有者から承諾したうえで撮影するのなら、それほど問題になることは無いでしょう。
ただ、多くの垂れ流し系YouTuberは、イベントに来て他人のトラックを撮影し収益を得ています。
一部のオーナーからは、すでに苦情も出ています。
「撮ってやる」ぐらいの感覚でいる垂れ流し系YouTuberと、トラックオーナーの温度差は開きつつあると感じます。
また、お金が絡むと人は変わります。
僅かな金銭であっても、他人への迷惑より自身の収入を優先します。
「より良い場所でより良い動画を!そして再生回数UP!」となりますので、想定外の行動に出ます。
それに伴い増えるのが迷惑駐車、歩道の占拠、私有地への侵入、器物損壊・・・。
退場時に大量の車が路肩に止まっているのでお馴染みかもしれません。
こういった行為が会場拒否を生んでいます。
お金が絡むと怖い。
個人特定されにくいことで無責任になる
有名YouTuberの多くは顔出ししていますので、ある意味芸能人のような扱いです。
人気商売であるため、その対価としてプライベートも犠牲となります。
これに対し垂れ流し系YouTuberの多くは、ただひたすら情景のように動画を撮影するので顔出しすることもありませんし、プライベートを出すこともありません。
ただ現地に行って撮影し、自宅で動画を切り貼りして投稿するので、そういったリスクとはほぼ無関係なのです。
この限りなく安全なポジションが無責任な行動を生んでいるといえます。
撮影時も目立ちませんので、個人特定されにくいという安心感を持ちます。
問題は「個人特定されにくい」という安心感があると、問題になりそうな動画も撮影、投稿してしまいます。
その際の道徳的な基準も自身のみで決められるので、ほぼ無いに等しいです。
炎上動画が出てしまうのは、そういった基準の甘さから来るのですが、「個人特定されない」と安心してしまうとどうしても甘く考えてしまうのです。
2年間で3か所の事実
2021年、2022年に開催されたデコトラ(トラック)イベントで、終了後に会場拒否となったのは3カ所です。
その原因を突き詰めていくと、どこかで垂れ流し系YouTuberが絡んでいます。
問題となった行為の多くが、迷惑(違法)駐車と手振り行為による騒音でした。
動画投稿者全員が悪いという考えをするつもりはありませんが、それにしても割合として多すぎます。
イベント主催者は地権者、役所、警察、自治会、住民など多くの人や組織の了承を得る必要があります。
それが「動画を撮りたい」という一部の人間が迷惑行為を行っただけで、翌年から借りられなくなるのは情けない話ですね。
デコトライベントにおける垂れ流し系YouTuber対策(案)
あえて今回、垂れ流し系YouTuberを対象にしたのは「2年で3カ所の会場拒否」という被害があったためです。
正直、多すぎると感じるので、対策は今のうちに打った方が良いです。
ということで、主催者が出来る対策として以下のことをお薦めします。
・場外(公道等)での動画撮影禁止徹底
・YouTube収益化不可の通達
・上記を守れない場合の動画削除依頼、個人情報開示
これはとあるイベントで実績があるものを改変しています。
迷惑撮影者防止の実績があるということで、他のイベントでもやる価値はあると考えます。
撮影機材が発達し、撮影者の道徳が技術についていかない時代になっていると感じます。
安易に動画を撮影することによって主催者が痛い目を見るという事例も増えてきました。
そろそろ転換点が来ていると感じます。
どう対応するか?
みんなで考えましょう。
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