カメラ用円形レンズフィルター
カメラレンズに装着する円形レンズフィルター。
特殊効果やレンズ保護目的で使用することが多いです。
そんな円形レンズフィルターは、レンズによってフィルター径が決まっており、径が違うレンズフィルターは装着できません。
レンズ側のフィルター径が52mmなら52mmのレンズフィルター。
レンズ側のフィルター径が77mmなら77mmのレンズフィルター。
といった感じですね。
いくつかフィルター径の違うレンズを持っていると、レンズフィルターを揃えるだけでも結構な出費となります。
特に特殊効果を得るレンズフィルターは高価なものが多い!
勿体ない!
ということで、フィルター径の違うレンズフィルターを共用できないものか?
そんな声に応える道具があります。
ステップアップリング
ステップアップリングとは、レンズ側のフィルター径より大きな径のレンズフィルターを取付ける道具です。
この道具はレンズ側、レンズフィルター側にそれぞれネジ溝が切ってあり、ねじ込むことによってそれぞれを固定できます。
ステップアップリングを使用することにより、径の大きなレンズフィルターをいくつかのレンズで共用できるということです。
例えばフィルター径77mmと82mmのレンズがあったとしましょう。
本来ならば77mm径のレンズフィルターと、82mm径のレンズフィルターを別々に買う必要があります。
レンズ保護フィルターなど、常時使用するようなレンズフィルターなら別々に買っても良いでしょう。
しかし、年に数回しか使わないような特殊レンズフィルターまでそれぞれの径で揃えるのは勿体ないです。
こんな時はステップアップリングの出番。
77mm→82mmのステップアップリングがあれば、82mm径のレンズフィルターがフィルター径77mmと82mmのレンズで共用できるのです。
ステップアップリングのお値段1,000円程度。
円形レンズフィルターを購入すると3,000~15,000円コースですので、比較すると随分経済的であることが分かります。
同様に径が違うレンズフィルターを取付ける道具で、ステップダウンリングというものもあります。
こちらはステップダウンですので、レンズのフィルター径より小さい径のフィルターを取付ける道具です。
あまり使うことは無いと思いますが、こういった道具がることを覚えておいても良いと思います。
ステップアップリングの選び方
ステップアップリングは1個1,000円程度で手に入ります。
とはいえ、適当なものを選ぶのはよくありません。
選ぶ際はポイントをおさえておきましょう。
【ポイント1】レンズ側の径とレンズフィルター側の径を確認
ステップアップリング選びで最も重要なのは、レンズ側、レンズフィルター側の径です。
これを間違うと使えません。
レンズ側については、レンズ前玉面、レンズ本体側面、レンズキャップ、仕様書などに記載されています。
レンズフィルター側はフィルター側面に記載されています。
ステップアップリングを購入する前に確認しておきましょう。
【ポイント2】できれば国内メーカー
ステップアップリングを選ぶ際は国内メーカーがお勧めです。
【主な国内メーカー】
・ケンコー(kenko)
・マルミ光機(marumi)
中国製品やメーカー不詳のものを使って、その精度に泣かされたことがあります。
ねじ溝がおかしい。
径がおかしい。
反っている。
といった事もありましたので国内メーカーが安心だと考えます。
ステップアップリング使用時の注意点
ステップアップリングを使用する際はいくつか注意点があります。
本来のレンズやフィルターの使い方から外れるからです。
意図しない不具合も出るかもしれません。
よくある不具合、注意点について挙げてみましょう。
レンズフードは付かない
ステップアップリングを使う事により、レンズに径の大きなレンズフィルターを取付けることになります。
これによって起こるのがレンズフードとの干渉。
フィルター枠に取り付けるレンズフードは付きません。
また、レンズ本体側に取り付けるレンズフードについてもうまく収まらなくなります。
ということで「レンズフードは付かない」と思っておいた方が良いです。
標準のレンズキャップは使えない
レンズフード同様にレンズ標準のレンズキャップは使えません。
フィルター径が違うためです。
一時的に大きな径のレンズフィルターを取付けるならレンズキャップ無しでも良いかもしれません。
ただ、長時間使ったり持ち歩いたりする場合は、別途汎用のレンズキャップを購入した方が良いかもしれません。
汎用のレンズキャップ自体はそれほど高いものではありません。
レンズフィルターに傷をつけてしまう危険性があるのなら、着けることをお薦めします。
レンズによっては周囲がケラレる
ステップアップリングを取付けることによって、レンズフィルターは本来の位置より前面に出ることになります。
これによって起こりやすいのが、レンズフィルター枠の影が写ること。
いわゆる”ケラレ”というものです。
あえて表現として出すこともありますが、本来ケラレは悪いものとされています。
ですから、ステップアップリングを使用する際は、レンズ側に直にステップアップリングを取付けることを心がけてください。
特に焦点距離が短くなる広角側では注意しましょう。
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