Nikon Zf発表
2023年9月20日。
ニコンから新しいミラーレス一眼カメラ、Zfが発表されました。
2450万画素フルサイズイメージセンサーに70年代のフィルムカメラをイメージしたデザイン。
そこに最新技術を詰め込んだ製品となっています。
予想販売価格はボディのみで30万円ぐらい。
「2450万画素のミラーレス一眼カメラに30万円!?」
「なんか高くねぇ?」
そう思う人もいるかもしれません。
しかしZfにはお値段以上の魅力的な機能が詰まっているのです。
Nikon Zfのここに注目
NikonZfでまず目を引くのがその外観。
70年代のFEやFMといった古典的なフィルムカメラのイメージです。
3月に発売されたZfcも同様に古典的なデザインですが、中身は全く違います。
Zfcがいわゆる入門機をデザイン変更したのに対し、Zfでは惜しみなく新機能を搭載。
機能や価格帯をみると、いわゆる中級機に位置すると考えます。
では、新機能も含めZfの注目点を見ていきましょう。
古のフィルムカメラFM2を模したデザイン
まず、40代以上のオジさんたちに刺さるのはそのデザイン。
70年代のフィルムカメラを模した外観は、一周まわって比較的若い世代にもウケそうです。
上から見た、いわゆる軍幹部と呼ばれる部分に並んだダイヤル群。
左からISO感度設定、シャッター速度設定、露出補正と並んでおり、これをガチャガチャ回すのです。
フィルムカメラを触っていた人が見ると「何とな~く」使えるような気がする懐かしいデザイン。
人工皮革の質感も良さそうですね。
右手のホールドが悪いなんて気にしない!
ピクセルシフト撮影
NikonZfは有効2450万画素のフルサイズイメージセンサーを搭載しています。
これは現在の主流からすると少し小さいように思えるかもしれません。
個人的には「2450万画素でも十分」と思っているのですが、どうしても高画素に拘る人向けにピクセルシフト機能も搭載されています。
ピクセルシフト機能は撮影時にイメージセンサーを微細に移動させ、撮影したものをNXStudio等で合成することにより高画素の写真を作成する技術です。
【ピクセルシフトのイメージ:撮影コマ数16コマ(32コマはコマ数が2倍)】
イメージセンサーを0.5画素ずつシフトさせ、通常よりも微細に撮影することで、4倍の解像度を取得。
もちろん、それだけ微細な動きをさせますので上級者向けの撮影方法といえます。
ピクセルシフトを行うと最大で約9,600万画素に!
今使っているパソコンでは動きませんな~。
多分、使わないけど一度でいいから使ってみたい!
ピクセルシフトは注目の機能です。
新機能「モノクローム表現」を搭載
NikonZfには「モノクローム表現」機能が搭載されています。
なぜ、今更モノクロ?
RGBカラーで撮影したものを画像アプリケーションでグレイスケール化したらいいじゃない?
気持ちは分からなくもないのですが、グレイスケールとモノクロは根本的に違います。
その違いは・・・と説明が長くなるので割愛。
NikonZfで注目すべきはスイッチ操作一つでカラーからモノクロームの世界へ切り替えられるということです。
写真の要は光です。
被写体への光のあたり方、影とのコントラスト、そして現れる個性的な瞬間。
モノクロームは単に白と黒の世界ではありません。
光と影の純粋な質感で表現し、形と奥行きというシンプルなグラフィック要素で構成される世界。
情報が少ないからこそ、これまでにない視点が生まれ、表現の可能性が拡がります。
<NikonZfモノクローム紹介文:ニコン公式サイトより引用>
色という雑音の無い世界。
これは使ってみたい。
画像処理エンジンEXPEED7で快適撮影
NikonZfには画像処理エンジンEXPEED7が搭載されています。
EXPEED7は同社のZ9やZ8にも搭載されデータ処理速度の高さが特徴といえます。
これにより高画素での連続撮影や、被写体検出時の高い追従性が可能となります。
かなり高価な画像処理エンジンであると想像できますが、それがついに30万円台のミラーレス一眼カメラにも搭載されるようになりました。
表面には出てきませんが、撮影時のあらゆる機能の向上に寄与していると想像できます。
MFモードでの被写体検出
NikonZfはそのデザインから想像できる通りマニュアル操作が充実したミラーレス一眼カメラです。
電子接点があるマニュアルフォーカスレンズの場合はフォーカスエイドによるピント合わせが可能です。
更に、被写体検出がMFモードに対応しましたのでマニュアルフォーカスレンズの出番は増えそうです。
被写体検出で被写体を検出できれば液晶モニターで拡大表示しながらピント合わせが出来ますからね。
利用用途は未確定ですが、使い道は出てきそうです。
SDメモリーカードとmicroSDメモリーカードのダブルスロット
NikonZfではZ6ⅡやZ7Ⅱ同様、ダブルスロットを採用しています。
ダブルスロットはフラッシュメモリーへの2枚同時記録が出来るので安心感があります。
滅多なことは無いのですが、大事な時に限って起こるメモリー事故。
事故が起これば、大事な思い出も、交通費も、宿泊費も、使った時間も台無しになるでしょう。
2枚同時記録は必須といえます。
NikonZfではボディ下部からフラッシュメモリーを挿入する方式を採用しています。
外観デザインに配慮したのでしょう。
惜しむべくはフラッシュメモリーがSDとMicroSDというところ。
ここはSDで統一して欲しかった。
Zシリーズ初のバリアングル
NikonZfでは液晶モニターにバリアングルを採用しています。
バリアングルは縦位置でもモニターの角度が調整できるうえ、自撮りにも利用が可能です。
構図やアングルの選択肢が広がりそう。
もちろんタッチパネルにも対応。
レンズ側で上手くピントが合わせられない時に活躍しそうです。
正直とても羨ましいです。
8段の手ブレ補正
NikonZfではボディ内手ブレ補正が進化しました。
あくまで特定の条件ですが8段分の手ブレ補正となっております。
今までのZシリーズが5~6段階でしたので大幅な進化といえるでしょう。
更に、今までの手ブレ補正と大きく変わったのが「フォーカスポイントVR」の採用。
これまでの手ブレ補正はあくまで画面の中央が中心でした。
ですから、広角レンズを使用した時に端の方がよくブレていました。
NikonZfではフォーカスポイントに合わせて手ブレ補正を調整しています。
これにより画面の端に寄った被写体であっても手ブレ補正の効果を発揮し、シャープな像を確保してくれます。
手ブレ補正とフォーカスポイントVRは実機で試したい機能です。
NikonZfが合うのはこんな人
NikonZfは古典的な外観に最新技術を詰め込んだ1台です。
「2450万画素のミラーレス一眼カメラ」と一括りにして考えると割高でしょう。
ただ、本当に写真が好きな人なら気になる機能は沢山搭載されています。
NikonZfcと外観は似ているけど中身は全く別物。
Zfは今後出るであろうZ6ⅢやZ7Ⅲをも想像させてくれる1台といえます。
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