国民年金のシステム
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人に、国民年金への加入が法律で義務付けられています。
会社員の人は給与から天引きで納めていますし、自営業の人は自身で納める形になります。
現在は基本的に65歳から支給が始まりますが、これが将来的には70歳、75歳と伸びる可能性もあります。

国も国民年金について自助努力という言葉を使いだしました。
乱暴な言い方をすれば、もう面倒見切れないので自分で何とかしてくださいってことですね。
なんとも無責任な話です。
自助努力とは
国は国民年金だけでは不足するので、これからは自助努力をしてくださいと言っています。
では個人的にできる自助努力を考えてみましょう。
例えば貯金。
若い間にいっぱい貯金して、老後はそれを取り崩しながら国民年金と共に生活費に充てようというものです。
総務省の「家計調査 家計収支編 2020年10月~12月」によると、二人以上世帯の1ヶ月の消費支出は29万2411円だそうです。
しかしこれには二人以上の世帯で、子供の学費なども含まれているので、老後に必要のない支出も含まれています。
個人的な感覚では持ち家、ローン無し、田舎暮らしの家庭ですと1か月15万円あれば生活できると思います。
40年後に予想される国民年金の支給額は62,000円程度ですので88,000円ほど不足します。
40年後に貯金が1,000万円貯まっていれば9年ぐらいは大丈夫ですし、2,000万円貯めていれば18年ぐらいは生活費に困りません。
自助努力の困ったところ
国民年金は死ぬまで支給されます。
これに対して、長年貯めた貯金は使用すると年々目減りします。
これは精神衛生上も良くありません。
貯金は国民年金の減額に対する自助努力には向かないのです。
最も難しいのは寿命は誰にも分からないという事だからです。
国民年金に対する自助努力
国民年金に対する自助努力としてじぶん年金をお勧めします。
じぶん年金とはそういった年金があるわけではなく、世の中にある金融商品を利用して将来に備えようというものです。
これは以前、お話しした「増やす力」に相当するものですね。

会社員で企業型DCがある場合、そういったものに加入するのも良いでしょう。
個人事業主の人はiDeCo(イデコ)というシステムもあります。
それらは税制的にも恵まれていて、銀行や証券会社でも手軽に契約できます。
ただ、それらの唯一の欠点は支給される額が限定されるという事です。
掛け金+運用益以上は出ません。
ですから国民年金のように一生貰えるものではないのです。
効率の良いじぶん年金
企業型DCやiDeCoは十分活用したいです。
活用したうえで一生貰える年金を作ることは可能です。
まず、仕事を始めて収入が入るようになったら、企業型DCやiDeCoに加入しましょう。
そして毎月多めに積み立てすると、60歳になるころにはかなりの額になると思います。
参考までに20歳から60歳までの40年間、月30,000円を企業型DCやiDeCoで積み立て運用したとしましょう。

一般的にそれらの運用利率は3%程度といわれています。
すると40年後には2,600万円近く貯まっている計算になります。
老後2,000万円問題なんて軽くクリア!!
複利は偉大ですね。
資産の世界には4%ルールというものがあります。
「年間支出の25倍の資産があれば年利4%の運用益を所得として生活していける」というものですね。
今回の場合、国民年金が62,000円ありますから年間支出は88,000円×12か月で1,056,000円です。
その25倍ですから105.6万円×25=2,640万円の資産を運用し4%ずつ支出して行けば資産は永遠に減らないのです。
国民年金と同じく一生貰えるので安心のシステムですね。
ですから60歳まで企業型DCやiDeCoで資産を増やし、それ以降は資産の4%を目安に使うという方法が一種の「じぶん年金」だと考えます。
方法はこれだけではありません。
これは政府が推奨する自助努力のひとつです。
ちょっと考えるといろいろな方法がありますよ。
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