レンズ絞りとは
レンズの絞りは、レンズ前面から入る光の量を調整する部位です。
晴天でレンズから入る光が多すぎる場合などは、絞り込んで(絞りの値を大きくして)入る光を少なくしたりします。
写真のようにレンズの内部に備わっており、穴の大きさを調整することによって入る光の量を調整します。
絞りを開放にするとは、この穴を目いっぱい広げて入る光の量を多くします。
逆に、絞りを絞り込むとはこの穴を小さくして入る光の量を少なくします。
写真はかなり絞り込んでいる様子ですね。
この絞り機構はレンズの中にあるため基本的に交換することが出来ません。
レンズによって絞りの形状や枚数は決まってくるのです。
奇数絞りと偶数絞り
レンズの絞りには奇数絞りと偶数絞りがあります。
これは絞りを構成する羽と呼ばれる部品の数が奇数か偶数かで呼び方が違うのです。
イラストにするとこんな感じですね。
左が奇数絞り、右が偶数絞りです。
レンズによって枚数は違うので、仕様書等でご確認ください。
光条は絞り羽の境界線から漏れ出た光
前回、レンズの絞りによる光条の出かたを検証しました。
この光条は絞りの境界線から漏れ出た光なのです。
ですから絞りの羽の数だけ出ます。
8枚絞りなら8本、9枚絞りなら9本ですね。
更に光条は漏れ出た側と反対方向にも伸びますので、奇数の場合のみ光条の数が羽の数の倍になります。
偶数の場合は反対方向に伸びても同じ位置に既に光条がありますからね。
イラストにするとこんな感じです。
絞りが奇数の場合9本の倍数の18本に、絞りが偶数の場合8本は8本のままです。
ここが奇数絞りと偶数絞りの大きな違いですね。
実際の撮影サンプル
前回、撮影テストに使用したのは絞り羽枚数9枚、奇数絞りのレンズでした。
Nikon AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED
数えるのは難しいですが光条は9の倍数の18本出ているはずです。
では偶数絞りのレンズで同じように撮影してみましょう。
撮影に使用したのは以下のレンズ。
HELIAR-HYPER WIDE 10mm F5.6 Aspherical
絞りの羽根の数は10枚です。
光条が10本出ているのが分かりますね。
このように偶数絞りのレンズは羽根の枚数だけ光条が出ます。
好き嫌いが分かれる光条の出方
検証したとおり奇数絞りのレンズと偶数絞りのレンズでは光条の出方が違います。
これはもう好き嫌いの世界になると思います。
偶数絞りの方はクロスフィルターのような表現になりますし、奇数絞りは全体的に光が散っているような表現です。
ただ、レンズ市場全体を見ると9割以上が奇数絞りです。
逆に言うと偶数絞りは貴重なのです。
自分好みのレンズで偶数絞りを見つけようとしても製品化されていないかもしれません。
こうなると諦めるか、新製品が出るのを待つしかないのです。
最近、流通している中華レンズは偶数絞りが多いようです。
ただ、製品の精度についてあまりいい評判を聞きませんので、購入は少し勇気がいりますね。
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