絞り込みとは
前回説明した通り撮影における絞り込みとは、カメラのボディやレンズを操作して絞りの値を大きくすることです。
これにより昼間の撮影は当然のことながらナイトシーンの仕上がりに大きな違いが生まれました。
![](https://arttruckseki.com/wp-content/uploads/2021/09/dokotora-3-160x90.jpg)
ナイトシーン撮影において絞りの値は重要な要素となりえるのです。
「ナイトシーンは絞り込んで撮る」
これを覚えておきましょう。
絞りの開放値はレンズによって違う
絞りの値は一番小さい数値を「開放値」と呼びます。
レンズの仕様表を見てf2.8と書いてあった場合、「開放値」が2.8という事です。
例えばこのレンズの場合f/3.5-4.5とありますから、焦点距離24mmの時は絞りの開放値が3.5で、焦点距離85mmの時は絞りの開放値が4.5という事です。
その間の焦点距離に関しては3.5~4.5の間の値という事になります。
市販されているレンズの名称にはf〇〇とあるので確認してみてください。
実に多くの種類があると思います。
このようにレンズによって絞りの開放値は違うのです。
開放値ですので、絞りをそれより小さな値にすることはできませんが大きくすることはできます。
絞りの値を変更しながら撮影してみる
さて、前回の記事にあるとおり、ナイトシーンを「開放値」で撮ると電飾の光がぼやけた様な仕上がりになります。
これを防止するために絞りの値を大きくすることは有効であると説明しました。
では、どの程度絞ればいいのか比較してみます。
使用したレンズはこちら。
10数年前に中古で購入して以来ずっと愛用しています。
古い設計にもかかわらず、ゴーストの出にくい非常に優秀なレンズです。
撮影に使用したのはLEDハンディライト。
これをマーカーランプに見立てて正面から撮影します。
ファインダーを覗くと目をやられるのでこういった時はライブビューが便利ですね。
レンズの焦点距離はとりあえず28mmにしてみました。
【f2.8開放値】
まずは開放値f2.8の描写
![](https://arttruckseki.com/wp-content/uploads/2021/09/28.jpg)
高性能なレンズはいえ予想通り光源がモヤッとしています。
ちょっと芯がズレたのか下の方に青いゴーストが発生していますね。
これは強い光を写しているので仕方がないです。
まあ、これをベースに見比べていきましょう。
【f4】
![](https://arttruckseki.com/wp-content/uploads/2021/09/40.jpg)
一絞り絞ったので若干光の輪郭もハッキリしてきました。
なんとなく光条も見えてきますね。
【f5.6】
![](https://arttruckseki.com/wp-content/uploads/2021/09/56.jpg)
2絞り分絞ったf5.6の描写です。
f4と大きく変わりませんが光条が長くなったような気がします。
【f8】
![](https://arttruckseki.com/wp-content/uploads/2021/09/80.jpg)
f8の描写です。
光条がずいぶん長くなりました。
それと共に光源のまわりにうっすらとゴーストも表れ始めています。
点光源を直接見ているのでゴーストが出るのは仕方がないですね。
【f11】
![](https://arttruckseki.com/wp-content/uploads/2021/09/110.jpg)
f11の描写です。
ここまで来ると随分ハッキリ光条が出ますね。
クロスフィルターをかけているようにも見えます。
ゴーストも目立つようになってきました。
個人的にはここまでが限界だと思っています。
【f22】
![](https://arttruckseki.com/wp-content/uploads/2021/09/220.jpg)
では、f16を飛ばしてこのレンズの最大絞りであるf22の描写を見てみましょう。
光源の周りはゴーストいっぱいでお祭り騒ぎですね。
光条もf11に比べてシャープさが失われたと思いませんか?
実はこれ、別の要素が絡んでいるのです。
そのあたりはまた特集してみますね。
これで分かるのは絞り込み過ぎはダメってことです。
何事も適度が一番
ナイトシーン撮影にはレンズの絞りを絞り込むことが重要です。
しかし、実際に撮影するとf8~11ぐらいが一番良い描写であることが分かります。
何事も適度が一番という事ですね。
そんなわけで、ナイトシーンを撮影する時は絞りの値をこの範囲に設定してみてください。
撮影方法はこれが全てではありませんが、あくまでベースとして考えてみると良いでしょう。
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