垂れ流し系 動画配信者
皆さんご存じYouTuber。
動画共有サイトのYouTube上で自主制作の動画を公開している個人や組織のことです。
同様のものでTikTokerというものもありますね。
これらをまとめて動画配信者と呼びます。
そんな動画配信者のうち「垂れ流し系」と呼ばれる人たちがいます。
垂れ流し系 動画配信者は、撮った動画をほとんど編集せずダラダラと垂れ流す動画配信者のことです。
基本的に切って繋げる程度しか編集しません。
もちろん、自らが出演して解説するようなこともしません。
動画のクオリティ自体は低いのですが、案外多くの再生回数を稼げたりします。
垂れ流し系 動画配信者の特徴
垂れ流し系 動画配信者の特徴は動画編集に時間を掛けないことです。
片手間ですので撮影も編集もそれなりです。
一般的に投稿した動画で再生回数を稼ごうとすると、編集が重要になってきます。
長い人ですと「30分の動画で、6~9時間編集に費やす」ともいわれています。
これに対し垂れ流し系 動画配信者は、撮影した動画を切り貼りするだけですので、編集を1時間程度で終わらせます。
音声や文字など再生回数が伸びるような編集はしませんし、ボカシや禁止素材など問題となりえる部分についても配慮、処理しません。
”簡単に撮って、簡単にアップロードして放置する”という特徴があります。
近年、デコトラ(トラック)イベントには垂れ流し系 動画配信者が多く出没します。
垂れ流し系の利点は情報の早さです。
デコトラ(トラック)イベントにおいては、情報の早さによって主導権を得ることが出来るからです。
情報の早さは、そのまま再生回数に反映されます。
ある意味、理にかなった撮影法です。
イベント当日に道中や入場口付近でスマホやビデオカメラをかまえている人の多くが垂れ流し系 動画配信者です。
中には、入場料を払いたくないためにイベント会場には入らず、会場へ侵入してくるトラックのみを撮影して帰る人もいます。
そういった人にチャリティの意義を説くのは無駄だと考えています。
トラックイベントで垂れ流し系 動画配信者が増えた理由
デコトラ(トラック)イベントに現われる垂れ流し系 動画配信者はこの数年で増殖しました。
その理由としては、
スマホの高性能化。
撮影機器の低価格化。
バッテリーの大容量化。
投稿の簡単さ。
ノウハウの拡散。
場合によっては小遣いが稼げる。
といったことが挙げられます。
まとめると、参入障壁が小さくなったということになります。
簡単になったうえに小遣いも稼げるということで、やる人が増えたということです。
トラックイベントにおける垂れ流し系 動画配信者の問題点
垂れ流し系 動画配信者のはこの数年でいくつもの問題を起こしてきました。
最も多い問題が「投稿した動画起因によるイベント会場拒否」です。
ネットにアップロードした動画に何らかの問題があり、それが原因でイベント会場が借りられなくなったというものですね。
しかし、こういった事件があっても被害者(主査者等)に対して補償をしたという話は聞きません。
やりたい放題の現状があります。
大前提として、イベントでの撮影は自由であって欲しいと考えています。
ところが一部の動画撮影者の問題行動によって、イベント会場が借りられなくなっているのも事実です。
この数年で起こった会場拒否を突き詰めていくと、どこかで垂れ流し系 動画配信者に当たります。
では、彼らのどういった行為が問題となっているのか見ていきましょう。
音の出る様子を動画で記録
デコトラはトラックです。
走ればまあまあ大きな音がします。
これが複数台走れば苦情も出やすいでしょう。
ノーマルマフラーであってもアイドリングするだけでも苦情が出る時代です。
他人に寛容ではない時代。
さらに、音に関する苦情は、わりと簡単にできてしまうのです。
近隣住民としては「あんなに沢山のトラック走らせてナニゴトか?」といった感じです。
公道を走行しているデコトラを動画撮影、投稿するのは、迷惑行為を宣伝しているようなものです。
悪意(善意?)を持った第三者が、その動画を見て通報すれば非常に面倒くさいことが起きるでしょう。
「個人情報に当たらないから」などとナンバー処理すら行わない垂れ流し系 動画配信者は通報した際の被害を大きくします。
「ここが違法だ!」
「あそこが違法だ!」
と、詳しく知りもしないのに通報だけする人は一定数います。
警察や運輸局が出てくると、とても面倒なことなります。
音を記録するために行う「手振り行為」
公道を走るデコトラに対してやってはいけない事として「手振り行為」があります。
手振り行為は一定数でラッパコールの強要となり、最終的には騒音クレームともなります。
トラックイベントの際、一部の動画撮影者が帰宅するトラックに対して、絶えず手を振っているのを見かけます。
もちろん、動画に音を記録するためです。
その場所で、何度も大きな音がするものですから、近隣住民はたまったものではありません。
本人は意識していないようですが、ラッパコールは迷惑行為であり、クレームは主催者が受けます。
公道を走るデコトラを動画撮影するのもダメですが、手を振るのはもっとダメです。
身内同士の撮影なら自己責任でやればいいのですが、主催者があり多くのトラックが集まるイベントではNG行為。
公道上や歩道で三脚
垂れ流し系 動画配信者の多くが長時間の撮影を行います。
ですから手持ちではなく、三脚にビデオカメラなどを固定します。
三脚は便利なのですが、設置できる場所に配慮が必要です。
車道はもちろん、歩道への三脚の設置も迷惑となることがあります。
酷い場合は車道やバス停に車を止めて、三脚を立てている人も居ますが大変迷惑です。
また、歩道や道路上など会場の外で撮影する理由に「他人より良い構図で撮影する」というものがあります。
イベント会場内の背景がゴチャゴチャした場所で撮影したものより、イベント会場外で撮影したものの方が再生回数が伸びるためです。
行動には全て「再生回数」というものが絡んできます。
そのためには、誰かに迷惑がかかろうが気にしません。
「前面道路や場外での撮影は不可」とアナウンスしても堂々と撮影しています。
撮り鉄の問題行動がクローズアップされていますが、人のことは言えません。
撮影機材は高性能化して、誰でも簡単に動画撮影できるようになりましたが、撮影者の道徳が追い付いていない状況にあると感じます。
他人のトラックで金銭を得ているという事実
YouTubeはある条件を満たすと、広告を付けて収益化できます。
この収益を得るというのが大きな問題となります。
収益の発生をトラックの所有者から承諾したうえで撮影するのなら、それほど問題になることは無いでしょう。
ただ、多くの垂れ流し系 動画配信者は、イベントに来て無断で他人のトラックを撮影し収益を得ています。
この点に関しては一部のオーナーからは、すでに苦情も出ています。
「撮ってやる」ぐらいの感覚でいる動画配信者と、トラックオーナーの温度差は開きつつあります。
また、お金が絡むと人は変わります。
僅かな金銭であっても、他人への迷惑より自身の収入を優先します。
「より良い場所でより良い動画を!そして再生回数UP!」となりますので、想定外の行動に出ます。
それに伴い増えるのが迷惑駐車、歩道の占拠、私有地への侵入、器物損壊・・・。
退場時に大量の車が路肩に止まっているのでお馴染みかもしれません。
こういった行為が会場拒否を生んでいます。
お金が絡むと怖い。
ある人が言っていました。
「垂れ流し系 動画配信者の撮影した動画には愛がない」
個人特定されにくいことで無責任になる
有名動画配信者の多くは顔出ししていますので、ある意味芸能人のような扱いです。
人気商売であるため、その対価としてプライベートも犠牲となります。
これに対し垂れ流し系 動画配信者の多くは、ただひたすら情景のように動画を撮影するので顔出しすることもありませんし、プライベートを出すこともありません。
ただ現地に行って撮影し、自宅で動画を切り貼りして投稿するので、そういったリスクとはほぼ無関係なのです。
この限りなく安全なポジションが無責任な行動を生んでいるといえます。
撮影時も目立ちませんので、個人特定されにくいという安心感を持ちます。
問題は「個人特定されにくい」という安心感があると、問題になりそうな動画も撮影、投稿してしまいます。
その際の道徳的な基準も自身のみで決められるので、ほぼ無いに等しいです。
炎上動画が出てしまうのは、そういった基準の甘さから来るのですが、「個人特定されない」と安心してしまうとどうしても甘く考えてしまうのです。
2年間で動画起因の会場拒否が3か所あるという事実
2021年、2022年に開催されたデコトラ(トラック)イベントで、終了後に会場拒否となったのは3カ所です。
その原因を突き詰めていくと、どこかで垂れ流し系 動画配信者が絡んでいます。
問題となった行為の多くが、迷惑(違法)駐車と手振り行為による騒音でした。
動画投稿者全員が悪いという考えをするつもりはありませんが、それにしても割合として多すぎます。
イベント主催者は地権者、役所、警察、自治会、住民など多くの人や組織の了承を得る必要があります。
それが「動画を撮りたい」という一部の人間が迷惑行為を行っただけで、翌年から借りられなくなるのは情けない話ですね。
デコトライベントにおける垂れ流し系 動画配信者対策(案)
あえて今回、垂れ流し系 動画配信者を対象にしたのは「2年で3カ所の会場拒否」という被害があったためです。
正直、多すぎると感じるので、対策は今のうちに打った方が良いです。
ということで、主催者が出来る対策として以下のことをお薦めします。
・場外(公道等)での動画撮影禁止徹底
・動画収益化不可の通達
・上記を守れない場合の動画削除依頼、個人情報開示
これはとあるイベントで実績があるものを改変しています。
迷惑撮影者防止の実績があるので、他のイベントでもやる価値はあると考えます。
撮影機材が発達し、撮影者の道徳が技術についていかない時代になっていると感じます。
安易に動画を撮影することによって主催者が痛い目を見るという事例も増えてきました。
そろそろ転換点が来ていると感じます。
どう対応するか?
みんなで考えましょう。
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