最近、カメラメーカーがミラーレス一眼カメラにシフトチェンジしてきました。
デジタル一眼レフからミラーレス一眼に換えると気になるのがバッテリーの持ち。
一般的にミラーレス一眼カメラは「バッテリーの持ちが悪い」とされています。
ただ、人によっては「十分持つ」という意見もあり、ここまで来ると使用方法の問題かもしれません。
ということで、実際にバッテリーを使い切るまでどのくらい撮ることができるのか試してみましょう。
ミラーレス一眼カメラの仕様書はどうなっている?
ミラーレス一眼カメラはバッテリーの持ちが悪いとされています。
特にデジタル一眼カメラから移行したユーザーは感じやすいかと思います。
「デジタル一眼は1日撮影していても問題なかったのに、ミラーレスは午前中でバッテリーが空っぽになった」なんて人もいるでしょう。
目に見えて感じるバッテリーの減り。
メーカーの仕様書ではどうなっているのでしょうか?
デジタル一眼レフとミラーレス一眼、メーカーの仕様書を比較するとこんな感じです。
【デジタル一眼レフカメラ:D780】
仕様電池 | Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15b ※ 1個使用 ※ EN-EL15bの代わりにEN-EL15a/EN-EL15も使えます。 ただし、EN-EL15を使用したときはEN-EL15b/EN-EL15aを使用したときよりも、撮影可能コマ数(電池寿命)が減少する場合があります。 本体充電ACアダプター EH-7Pを使用した充電はEN-EL15b使用時のみ可能。 |
ACアダプター | ACアダプターEH-5d/EH-5c/EH-5b(パワーコネクター EP-5Bと組み合わせて使用)(別売) |
本体充電ACアダプター | 本体充電ACアダプターEH-7P(EN-EL15b使用時のみ充電可能)(別売) |
【ミラーレス一眼カメラ:Z6Ⅱ】
使用電池 | Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15c※ 1個使用 ※EN-EL15cの代わりにEN-EL15b/EN-EL15a/EN-EL15も使えます。 ただし、EN-EL15cを使用したときよりも撮影可能コマ数(電池寿命)が減少します。 本体充電ACアダプター EH-7P(別売)を使用した充電はEN-EL15c/EN-EL15b使用時のみ可能。 |
バッテリーパック | パワーバッテリーパック MB-N11/バッテリーパック MB-N10(別売):Li-ionリチャージャブルバッテリーEN-EL15c※ 2個使用 ※EN-EL15cの代わりにEN-EL15b/EN-EL15a/EN-EL15も使えます。 ただし、EN-EL15cを使用したときよりも撮影可能コマ数(電池寿命)が減少します。 |
ACアダプター | ACアダプター EH-5d/EH-5c/EH-5b(パワーコネクター EP-5Bと組み合わせて使用)(別売) |
本体充電ACアダプター | 本体充電ACアダプター EH-7P(別売) |
どちらのカメラも似たような画素数で、バッテリーは同じEN-EL15bを使用しています。
撮影可能コマ数は、
製品名 | 撮影可能コマ数 |
---|---|
デジタル一眼レフカメラ(D780) | 2,290コマ |
ミラーレス一眼カメラ(Z6Ⅱ) | 310コマ |
となっています。
カタログ仕様書でこれだけ差が出るのですから、撮影の際に「バッテリーの減りが早い」と感じるのは仕方がない事かもしれません。
バッテリーの減りが早い主な理由
ミラーレス一眼カメラのバッテリーの減りが早いのには、以下のような理由があります。
・液晶による操作が多い
・EVFによる電池消費
それぞれ見てみましょう。
液晶による操作が多い
一眼レフカメラは、レバーやボタン、スイッチ等の物理的な操作によりカメラ設定を変更していました。
ところがカメラやレンズが高性能になると、これらの物理スイッチでは足りなくなってきます。
メーカー側の設計も物理操作で不足する分を液晶画面による操作に切り替えてきました。
この傾向は最新のデジタル一眼レフカメラにも見られ、より設計の新しいミラーレス一眼カメラで顕著になります。
液晶画面による操作が増えると
・液晶画面が点いている時間が長くなる
・液晶画面自体、電力消費が多い
といったことになります。
ですから、同じ時間稼働していてもバッテリーを多く消費するのです。
EVFによる電池消費
デジタル一眼レフカメラはレフ板を介し、光学的にレンズから入った像を確認していました。
しかし、ミラーレス一眼カメラにはレフ板がありません。
そこで光学ファインダーの代わりに使われるのが、EVFと呼ばれる電子ファインダーです。
光学ファインダーが光を物理的に反射しているのに対し、EVFはイメージセンサーに入った光を電子的に表示するため常に電力を消費します。
ファインダーで像を確認するだけで電力を消費するので、必然的にバッテリーを多く消費するのです。
実際に何枚撮影できる?
構造的な問題やメーカー仕様書を見ると、ミラーレス一眼カメラのバッテリー消費が多いことが分かります。
では、1回の充電でどのくらい撮れるのか確認してみます。
【撮影条件】
NikonZ6+NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
撮影直後の画像確認:ON
手ブレ補正:OFF
画像サイズ:RAW+FINE
ファインダーの明るさ:AUTO
パワーオフ時間(画像の再生):10秒
パワーオフ時間(メニュー表示):1分
パワーオフ時間(撮影直後の画像確認):10秒
パワーオフ時間(半押しタイマー):1分
モニターの明るさ:0
電子音:OFF
電源はONのまま
ファインダーは使用する
この設定で撮影。
【結果】
この設定で屋外撮影しました。
被写体は自動車。
連写はなし。
バッテリー切れで撮影できなくなるまで撮影された枚数と時間は以下のとおり。
撮影時間 9:30~14:00
静止画 384枚
カタログスペックよりは若干良いようですが、やはりバッテリーの持ちが悪いというのは間違いないようです。
予備バッテリーは欲しい
ミラーレス一眼カメラは、バッテリーの持ちが悪いといえます。
実際に撮影してもカタログスペック×1.2程度ですので、概ねその傾向であるといえます。
朝から撮影して昼過ぎにバッテリー切れを起こしますので、1日撮影しようと考えると無理があります。
こまめに電源をON/OFFすると良いのかもしれませんが、電子機器ですので故障の原因にならないとはいえません。
現実的なのは予備バッテリーの使用。
少なくとも1本、撮影スタイルに応じて数本欲しいところでしょう。
もし、ミラーレス一眼カメラの購入を計画されている方はバッテリーの持ちに注意しましょう。
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