Nikkor Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
Nikkor Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S。
2022年2月に発売されたこのレンズは、焦点距離が100mm~400mmで中望遠から超望遠領域をカバーする1本です。
開放f値は4.5~5.6という事で、焦点距離によってf値が変わるレンズです。
【Nikkor Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sの主な仕様】
焦点距離 | 100-400mm |
開放F値 | f/4.5-5.6 |
最短撮影距離 | 0.75m(焦点距離100mm) 0.98m(焦点距離400mm) |
手ブレ補正機構 | あり |
絞り羽根枚数 | 9枚 |
フィルター径 | 77mm |
最大径x長さ | 98×222 mm |
いわゆる大三元レンズ、小三元レンズのようにf値優先ではなく、f値を変更することにより携帯性を優先しています。
それ以上に躯体が軽量化されており、取り回しの良さが目立ちます。
更にニコンの製品の中でも高い性能を有していると言われるS-Lineに属しており、カタログスペックでは表せない性能が期待できます。
ということで、早速いろいろと検証してみましょう。
Nikkor Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sの良いとこ悪いとこ
どんな製品にも良い部分と悪い部分があります。
そんな「良いとこ悪いとこ」を独断と偏見によるわりとゆる~い目でチェック。
触ってみて思うところを羅列しましたので、気になる方は参考にしてみてください。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sにつながるレンズ
このレンズは100-400mmの4倍ズームです。
焦点距離がどの領域になるかは撮影において超重要です。
NikonのDシリーズでは大三元レンズ(24-70mmF2.8と70-200mmF2.8)の組み合わせで撮影していたのですが、正直「F2.8は要らなくない?」というのが結論だったりします。
大多数を占める”トラックの撮影”ではボケを生かした写真はほとんど撮らないのです。
ですからF2.8でもF4でも大差はありません。
もしボケを生かした撮影をしたいと思ったら、大口径の単焦点レンズを使えば良いのです。
あまり使わないものに資産を投じるのはどうかと。
ということで、Zマウントレンズで最初に手に入れたのがNikkor Z 24-120mm f/4 S。
開放F値は4になったのですが望遠側が120mmまで使えるので便利です。
このレンズにつながるのがNikkor Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S。
24-120mmと100-400mmという組み合わせにすることで、大三元レンズ時代は200mmまでしか使えなかったものが400mmまで使えるようになりました。
撮影時に「200mmではちょっと足りない!」ということはよくあります。
こういった場合、もう一本レンズを持ち歩く必要があるのですが、この組み合わせですと2本だけで済みます。
機材もコンパクトにまとめられるのです。
軽量化された躯体
Nikkor Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sを持って最初に感じたのが思った以上に小さくて軽いという事。
【本体仕様】
NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S | AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II | |
---|---|---|
本体寸法 | 98×222 mm | 87×205.5 mm |
本体重量 | 1,355g | 1540g |
肌感では、AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR IIを若干太くしたといったところ。
ただ重量は200gほど軽いので、太さを考慮すると重量さ以上に軽く感じてしまいます。
軽いのはありがたい。
また、長さは2cmぐらいしか変わらないので、今使っているカメラバッグにそのまま入ります。
撮影によってAF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR IIか、Nikkor Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sか選ぶことが出来るのはありがたい。
仮に将来Nikkor Z 70-200mm f/2.8 VR Sを手に入れても同じような選択肢がとれます。
明るさを取るか、望遠を取るかという選択肢が増えるのは良いですね。
今まで200mmを超えた場合の撮影では、レンズの大きさや重量が支障となることもあったのですが、こういった問題も解決しそうです。
2つのファンクションボタンとコントロールリング
Nikkor Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sには、2つのファンクションボタンと1つのコントロールリングが独立で搭載されています。
Zマウントレンズで使いやすく感じるのがファンクションボタンとコントロールリング。
中でもコントロールリングは絞り操作としておくことで、感覚的に絞りの値を変更できます。
このあたりはフィルム時代にAiレンズを使い倒した人には嬉しい。
ホント、この点は個人的にメチャクチャありがたいと思っています。
ファンクションボタンについてはボディによっても変わりますので、よく使う機能を割り当てると良いです。
個人的にはFn1=AE-L、Fn2=AF-Lとしました。
まあ、撮影状況によっても変わりますけどね。
レンズ情報パネルは親切
Nikkor Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sにはレンズ情報パネルが搭載されています。
【レンズ情報パネルの表示項目】
表示項目 | 表示内容 |
---|---|
距離表示 | ・撮影距離 ・最短撮影距離 ・被写界深度 |
絞り値 | ・絞り値 |
焦点距離 | ・焦点距離 |
表示の切り替えは表示切替ボタン(DISP)を押すと切り替わります。
Zマウントレンズには距離表示窓が無いため、距離や被写界深度が確認できませんでした。
またズームレンズの場合、焦点距離目盛が無い部分の焦点距離が分かりにくいという事もあります。
こういった数値を液晶画面に表示してくれるので、数値の細かい撮影をする際に便利です。
夜の撮影でも役に立ちそうですね。
フィルター径77mmはありがたい
Nikkor Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sのレンズフィルター径は77mm。
77mmフィルター径のレンズ資産の多いのでこの点はありがたいです。
保護フィルターも予備があってすぐに装着できましたし、特殊フィルターも使い回しできます。
アダプターを使うようなフィルターについても、所持しているものは径が同じなのでそのまま使えますね。
とにかく、フィルター径が同じという事は経済的に撮影を行えるのです。
AFのもたつきを感じる?
AFのもたつきと書いたのですが、決して使えないわけではありません。
また高倍率ズームやボディ内AFモーターの遅さとも違います。
ある程度の速さはあるのですが、たまに「あれ?」と思うことがあるという程度。
比較がAF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR IIやAi AF-S Nikkor ED 300mm F2.8D II (IF)なので仕方が無いと言えば仕方がないです。
こういったレンズはAFが速い代わりにレンズ自体も重たいですから。
AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRとはいい勝負かも知れません。
でも改めて比較するとf/2.8レンズはAFが速いですね。
AF速度と重量に関してはバランスが難しいところ。
僅かな差とはいえ高出力なレンズ内モーターを搭載するとそれを支える部分も強度を求められるため重たくなります。
レンズフードがイマイチ
多くの人が指摘しているのがレンズフードの不具合。
Nikkor Z 24-120mm f/4 Sのレンズフード同様に薄くてペラペラです。
よくこんなに薄く作ったね。
軽いのは良いのですがすぐに割ってしまいそうです。
また、レンズフードの内側は特殊な加工をしてあるのか、傷が白く残りやすい。
レンズフードを装着したままレンズキャップの脱着を繰り返すと、接触して白い傷がいっぱい付きます。
このあたりは昔のレンズフードの方が良かったかな。
あと、レンズを収納する際、レンズフードを逆さにして装着するのですが、これが硬い!
とにかく一度ハマったら硬くてなかなか外れないことがあります。
無理に回転させたら割りそう。
ですからNikonさん。
ここ何とかしてください。
Nikkor Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sは買い?
個人的見解としてNikkor Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sは買いです。
予算があったら揃えたい。
Zマウントのメインで使っているNikkor Z 24-120mm f/4 Sに続くレンズとしては最適です。
70-200mmだとちょっと短いんですよね。
120-300mmのF4みたいなレンズが出たら欲しいかな。
今ある選択肢ならNikkor Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sが最適だと考えられるのです。
コメント