初めての矢沢永吉のコンサート
ずいぶん昔の話。
矢沢永吉に興味を持ち、CDを買い、そして生で見たいと思ったのです。
当時は貧乏学生だったため日帰りで行けるところを探すと、名古屋レインボーホール(現在の日本ガイシホール)がありました。
冬も近くなった11月中旬。
私は友人と二人でチケットを握りしめ、電車でコンサート会場に向かったのでした。
電車の窓から見えた風景
ライブビデオも見ていたので、だいたいの感じは分かっているつもりでした。
しかし、現実は想像以上にショッキングなものだったのです。
最初にショックを受けたのは近鉄四日市駅のホーム。
友人と津駅から近鉄電車に乗ったのですが、四日市駅で止まった時、窓から見える光景は衝撃的でした。
サングラスにリーゼント、肩からE-YAZAWAと書かれたイエローのビーチタオルをかけた40代ぐらいの男性が、永ちゃん走りでホームを縦横無尽に駆け回っていたのです。
あの光景は一生忘れない。
いや、本当に衝撃的でした。
電車の中が永ちゃんだらけ
近鉄電車で名古屋駅まで行き、JRに乗り換えたのです。
JRのホームには永ちゃん(永ちゃんの格好をしたファン)が行列を作っていました。
白を中心にカラフルなスーツの集団。
肩からE-YAZAWAのタオルをかけ、ヘアスタイルはリーゼント。
それもポマードでテカテカになっていますから電車の中がポマード臭い!
コンサートのことを知らずにあの電車に乗るのは勇気いるでしょうね。
「永ちゃん」と呼ぶと100人が振り向く
当時、コンサート会場付近にはダフ屋がいました。
今は電子チケットになり現物での売買が出来なくなりましたが、当時は紙チケットだったのでダフ行為が可能だったのです。
驚いたのはダフ屋が「そこの永ちゃん、ええ席あるで」と言うと100人が振り向くのです。
「永ちゃん」と呼ばれると振り向く習性でもあるのでしょうか?
一斉に振り向くさまは強烈な印象を残したのでした。
「永ちゃんコール」で永ちゃんに
コンサートホール内に入ると、既に多くの人が入場していました。
チケットを確かめ、指定した席に座りツアーのチラシを眺める。
会場のあちらこちらでは「永ちゃんコール」が行われていました。
しばらくすると、少し前の席に座っていた白いスーツの男性が、パイプ椅子の上に立ち上がり全身で「永ちゃんコール」を浴びだしたのです。
リーゼントにしかめっ面で、成り切り具合100%超え。
遠くの方を指さし、もっとくれと言わんばかり。
10分ほどでしょうか、その男性はひととおり「永ちゃんコール」を浴びて満足したのか、自分の席に座ったのでした。
正直、えらいところに来てしまったというのが第一の感想です。
タオルで前が見えなくなる
矢沢永吉のステージを生やDVDなどで見たことがある人はご存じでしょう。
ある楽曲になると、観客が一斉にタオルを上に向かって投げます。
有名なのは「止まらないHa~Ha~」「トラベリンバス」でしょう。
あれ、観客側から見ると周りがタオルだらけになるんです。
ステージも見えないし横も後ろもタオル。
しかも凄い埃です。
あれは生で体験しないと分からないでしょうね。
他人のタオルが飛んでくる
まれにですが、他人のタオルが飛んできます。
曲に合わせて上に投げたと思うのですが、コントロールが悪く、突然上空からタオルがバサッと!
最初、何事かと思いましたよ。
突然タオルが降ってくるライブってありますか?
しかも、コントロールに失敗した人が、ギリギリ掴めたのか慌てて引っ張るから、タオルの摩擦で火傷して「熱っ!」って。
コンサートで火傷・・・。
遠くまで飛びすぎて警備の人に拾ってもらっている人もいますね。
JRの駅で人がのびてる
ステージが終わり、電車に乗ろうと笠寺駅へ。
駅のホームに着くとちょっとした人だかりが。
何事かと覗いてみると紫色のスーツを着た小矢沢さんがのびています。
理由は分かりませんよ。
単に転んだだけかもしれません。
とにかく、酔ってるわけではありませんが人がのびてる。
あまりにも、多くのことがありすぎて帰りの電車の中で友人と盛り上がったのを覚えています。
何だろう・・・無事に帰れた安心感?
ちょっと違いましたね。
でも、来年も行こうと約束したのでした。
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