夜景・ナイトシーン撮影
夜景やナイトシーンの撮影では、日中と違った条件となりがちです。
ある程度手探りでカメラを操作することも必要になりますし、どこに露出のポイントを持って来るかも重要です。
また、レンズによる写りの違いが鮮明に出やすい状況ともいえます。
その理由として、
暗い中に明かりがあるためコントラストが強い。
順光と逆光が入り乱れる。
手探りで操作する。
オートフォーカスでピントが合わせにくい。
こういった事がレンズによる写りの違いをもたらします。
昼間の撮影との違いを理解しておきましょう。
ナイトシーン撮影に適したレンズ選び
写真はまずレンズありきです。
撮りたいものが決まって、レンズが決まるといった具合です。
これはナイトシーン撮影でも同じことです。
「高いレンズは良いレンズ」というのは正解ではありません。
高いレンズは高い理由があるのですが、ナイトシーン撮影に適しているかというと別の問題です。
ということで、ナイトシーン撮影に適したレンズの条件を挙げていきましょう。
【ポイント1】ゴーストの少なさ
ナイトシーン撮影で最初に気にしたいのはゴーストです。
ゴーストは逆光時などにレンズ内で反射した光が写ることです。
これにより、写真に光の玉が無数に写り込みます。
あえてそういった表現をすることもあるのですが、ナイトシーン撮影の場合には余計な光以外の何物でもありません。
特に夜空は暗いためゴーストが目立ちやすいです。
ゴーストを極力少なくするためにはゴースト対策の取られているレンズを選ぶことが重要です。
【ポイント2】開放絞り値(f値)
ナイトシーンは暗くなってからの撮影です。
こういった状況の場合、オートフォーカスが正常に働きにくくなります。
昼間の撮影ならAFポイントも選び放題でしょう。
しかし、暗くなるとAFポイントが見つからないことがあります。
こういった場合に開放f値が少しでも明るい方が有利です。
たとえ1段階分でも明るいと、AFが反応してくれることがあるからです。
実際、f2.8のレンズならほぼ100発100中のAFでも、f4のレンズなら5%近く外します。
合わせたつもりでもピンボケになっていたら、間違いなくAFの迷いです。
ナイトシーンという特殊な状況における弊害といえるでしょう。
AFの精度を上げる為、出来る限り開放f値の小さいレンズを選びましょう。
【ポイント3】焦点距離を意識する
焦点距離の意識は重要です。
ナイトシーン撮影では超広角レンズや望遠レンズは使えません。
超広角レンズは構造上ゴーストが出やすいです。
望遠レンズについては距離を取る必要があるため撮影できる写真が限られてきます。
三脚に設置した場合のバランスの悪さや、移動の際の取り回しの悪さもあるでしょう。
距離を置くことによるブレや埃の写り込みも多くなります。
実際に使いやすいのは35mm判換算で24mm~105mm程度です。
個人の肌感ですので、撮りたい画によってはもう少し前後するかもしれません。
ただ、自身が撮りたいものがどの焦点距離に近いかは常に意識しておくと良いでしょう。
【ポイント4】闇夜で迷わない操作性
ナイトシーン撮影では手元が暗くなりがちです。
こういった時は、手探りで操作することが多くなります。
「その都度、懐中電灯等で照らす」ということでも良いのですが、実際に撮影すると思った以上にモタつくことで面倒になってしまいます。
最近のカメラやレンズは多機能になりスイッチやレバーが多く付いています。
これらにどういった機構があるのか理解することも重要ですし、撮影に応じて適切な設定にする操作も必要です。
スイッチ類が小さいと手探りでの操作に手間取ります。
更に冬場など、寒い時期は指先が上手く働かないため余計に困難となるでしょう。
操作機構はどれだけシンプルに且つ操作しやすいかが重要です。
小さなスイッチが沢山並んでいるよりも、レバーやリングなど大きな操作機構が付いているものが良いといえます。
カメラよりレンズにこだわる
写真の写りに影響するのはレンズです。
特にナイトシーン撮影では、レンズの差が写真の仕上がりの差としてハッキリ出やすいです。
どれだけ高価なカメラボディを使っていても、撮影に適していないレンズを使うと綺麗な写真にはなりません。
ですから、レンズにはこだわりましょう。
今使っているレンズは本当にナイトシーン撮影に適したレンズでしょうか?
別のレンズと撮り比べると、恐ろしいほど違いがハッキリするかもしれませんよ。
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