SDカード(SDHC/SDSC)
SDカードは現在主流となっているフラッシュメモリーのひとつです。
コンパクト、拡張性、価格、取り扱いのしやすさから普及してきました。
これからも、しばらくはSDカード主流の時代が続くと考えます。

ただ、一口にSDカードといっても種類は様々。
沢山の製品が流通しており、性能も価格も千差万別です。
「いったいどれを選んでいいのか分からない!」という人へ。
SDカードのどういった数値に注目したらいいのか見ていきましょう。
【1】SDカードの規格
製品によって若干デザインは違いますがSDカードの規格を確認しましょう。
SD、SDHC、SDXCといった表記がカードに必ず書いてあります。
これはSDカードの規格です。
SDカードは策定された順に、SD(SDSC)、SDHC、SDXC、SDUCの4規格があります。
このうち、現在普及しているのはSDSC、SDHC、SDXCです。
それぞれ見てみましょう。
SD(SDSC)
最初に流通したSDカードです。
SDとだけ書いてあるSDカードはSDSCカードです。
データ容量は2GBまでで転送速度は非常に遅いです。
初期のデジタル一眼カメラなら問題ないのですが、現在のデジタルカメラでは画素数、連写速度とも使用するのは厳しいです。
中古市場では捨て値で流通しているので「安いから」といって買うと痛い目を見ます。

SDHC
SDSCカードからファイルシステムが進化したSDカードです。
データ記録容量が32GBまでで転送速度は若干速くなりました。
2,000万画素クラスの静止画撮影なら使えますが、製品によっては連写や動画撮影をすると厳しいです。
現在も流通しており値段も安いので、撮影スタイルによって使うことも良いでしょう。
SDXC
SDHCから進化したSDカードです。
データ記録容量は2TBまで(製品化はされていない)とされており転送速度は高速です。
高画素のデジタルカメラでも、4Kの動画に対応したビデオでもストレスを感じることは少ないと思います。
少々高価ですが、高画素や動画撮影はSDXCカードを採用した方が良いです。

【2】データ記録容量
次に確認するのはデータの記録容量です。
この容量で撮影できる写真データの枚数やビデオの長さが決まってきます。
大きければ大きいほど沢山の写真や動画を保存できるのですが、その分高価になります。
容量の単位は基本的にGB(ギガバイト)ですが古い商品はMB(メガバイト)というものもあるので注意が必要です。
参考までに、1GBは約1,000MBです。
また、最近聞かれるようになったTB(テラバイト)という単位はGBの約1,000倍です。
2,000万画素クラスのデジタルカメラなら8~64GB、3,000万画素クラスのデジタルカメラなら64~256GBぐらいを目安に購入すると良いです。
【3】最大読み取り速度
最大読み取り速度はSDカードからパソコンなどの機器にデータを転送する速度です。
速ければ速いほど(数値が大きいほど)SDカードから短時間でデータが取り出せます。
注意したいのはカード表面に〇〇MB/sと書いてあるのは、たいてい最大読み取り速度です。
ですから、この数値がどれだけ大きくても、カメラへの書き込み速度や連写速度に反映されません。
勘違いしやすい項目なので注意しましょう。
【4】最大書き込み速度
最大書き込み速度はカメラなどからSDカードにデータを転送する速度です。
速ければ速いほど(数値が大きいほど)SDカードに短時間でデータを書き込めます。
この数値はカード表面に書いていないことが多いです。
また、最大読み取り速度に比べて著しく遅いことがあります。

参考までにSANDISKのSDSDXXY-256G-JNJIPのカード表面には170MB/sと記載されていますが、これは最大読み取り速度です。
最大書き込み速度は90MB/sで、これが連写速度や、連写枚数、動画の撮影時間に影響してきます。
カード表面の数値だけ見て、速度を判断しないように注意しましょう。
【5】バスインターフェイスの規格
バスインターフェイスとは機器を接続する経路の接点のことです。
現在の主流はUHS-ⅠとUHS-Ⅱで最大転送速度に影響します。
表面にⅠ、Ⅱと書かれているのがそれに該当します。
これだけを見て転送速度を判断することは出来ませんが、UHS-ⅠよりUHS-Ⅱの方が高速でのデータ転送が出来ます。
但し、それぞれの規格に対応した機器が必要となるので、使用するデジタルカメラやカードリーダーが対応しているか確認が必要です。
下位互換ですので、SDカードを挿したけどは速度が出ないという場合は規格が合っていないことが多いです。

【6】UHSスピードクラス
UHSスピードクラスは、UHSバスインターフェイス製品向けにデータの最低転送速度を定めた規格です。
現在、SDカードとして設定されていいるのはU1とU3です。
U1の最低転送速度は10MB/秒、U3の最低転送速度は30MB/秒となっています。
高画素のデジタルカメラを連写したり、フルHD動画以上を長時間撮影しない限りU1で十分だと考えます。
【7】SDスピードクラス
SDスピードクラスは、SDアソシエーションで定められた速度規格で、データの書き込み最低速度を定義しています。
Cの中に数字化が書かれており、Class2(2MB/秒)、Class4(4MB/秒)、Class6(6MB/秒)、Class10(10MB/秒)の4種類があります。
数字が大きくなるほど高速のSDカードということです。
【8】ビデオスピードクラス
ビデオスピードクラスや他のスピードクラスと同様にデータの最低書き込み速度を定めた規格です。
現在はV6(6MB/秒)、V10(10MB/秒)、V30(30MB/秒)、V60(60MB/秒)、V90(90MB/秒)の5種類があります。

少し余裕のあるものを選ぶ
容量や速度など、数値だけでは判断できないものも多いです。
ですから、少し余裕のあるものを購入しておくことをお薦めします。
また、安いからといって「海外パッケージ」や「並行輸入品」は止めた方が良いです。
容量や速度に不足があったり、保証が受けられなかったりします。
データは代替が効かないものですから、安全を最優先に製品を選んで下さい。
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