
金属の板を綺麗に折り曲げたいのだが・・・
DIYをしていて、「金属の板を折り曲げてみたい」と思った事はありませんか?
金属の板は薄ければ手でもある程度曲がりますが、まっすぐ曲がらなかったり、角が出ないなど綺麗に曲げることは出来ません。
金属の板を綺麗に曲げる工具としてメタルベンダーというものがありますが、簡単な製品でも高価です。
「1枚だけ曲げたい」とといった時には買うのを躊躇するでしょう。

そう、メタルベンダーは高価だし、他に使い道が無いから勿体ない!!
なんとか安く綺麗に曲げる方法は無いものか?
ということで市販のメタルベンダーを、自宅にある廃材などを利用して作成してみました。
金属板を折り曲げたい
金属板を折り曲げる際、ベンダーという工具を使うと綺麗に折ることが出来ます。
しかし、この工具はわりと良い値段がするうえに、折り曲げ以外の用途がほとんどありません。
常に色々な素材を折り曲げるような、工作好きならいいのですが、一回だけ使いたいという程度なら勿体ないです。
一度きりの場合、ベンダーを購入するより近所の鉄工所などで折り曲げてもらった方が安く上がります。
でも、精度は別として、ベンダーの構造はわりと簡単なんですね。
上下でプレスして折り曲げているだけです。

なんとなく作れそうな気がしたので、自宅にある廃材で作ってみました。

なんとなく作れそう?
ベンダーの材料と図面
今回、曲げる金属板は棚板の一部で、長手方向が約400mmあります。
ですから、ベンダーもそのサイズで作成します。
【ベンダーの材料】
木材75×75×800mm 木材30×45×800mm(2本) ベニヤ板100×800×t9mm(2枚) アングル30×30×500mm(t1.2) 木ビス2.8×40mm(40本) ボルト10mm×210mm(2本) ナット10mm用(2個) 角座プレート(4枚)
【図面】


とりあえず、0円で作ることを目標にしましたので、自宅にあるものを使うように図面も作成しました。
各部材のサイズは自宅にあるものですので、作られる方は似たようなものを探してみてください。
折り曲げる際、わりと大きな力がかかりますので、部材は丈夫な方が良いです。

各部材の強度が低いと、折り曲げの際にベンダーが壊れます。
出来るなら、力のかかる部分は金属で作る方が良いです。
作成方法
ベニヤ板100×800×t9mmの長手(800mm側)部分の角を45°に削ります。

2枚とも鉋等で削ってください。
綺麗に削り終わったら、サンドペーパーで整えます。
100~200番ぐらいで十分でしょう。
ここの精度が金属板の曲げ角度に影響します。
出来る限り丁寧に作ってください。
木材75×75×800mmに、
ベニヤ板100×800×t9mmを、
木ビス2.8×40mmで固定します。

ビスピッチは150~200mmぐらいで十分です。
ベニヤは先ほど削った面を突き合わせ、V字溝を作るようにしてください。
ビス固定の際は、下穴を開けておくと木材が割れにくいです。
木材30×45×800mmを抱き合わせ、
アングルを木ビス2.8×40mmで固定します。

先に木材30×45×800mmを、ビス2本で抱き合わせ固定すると、作業がしやすいです。
アングルは長さ500mmですので、
木材30×45×800mmの両端から150mmずつ空けて配置します。
また、ビスの固定ピッチは30mm程度で、千鳥配置としてください。
木材30×45×800mm、アングル共に下穴を必ず開けてください。
かなり力がかかる部分ですので、ビス打ちは少し多めの方が良いです。
上下のパーツを、ボルト10mm×210mmでつなぎます。

上下のパーツに11~12mmの穴を開けます。
穴はそれぞれ部品の端から75mmの位置です。
穴の中心については部材合わせとし、
上のパーツはアングルの端(立上り)
下のパーツはV溝の中心
としてください。
詳細は断面図でもご確認ください。

これがズレるとアングルが外れたり、かみ合わせが悪いことにより上手く金属板が曲がらない可能性があります。

このような感じで、
アングルの立ち上がりがV字の溝に合うようにしてください。
ボルトが上手く通ったら完成です。

上下の位置合わせが最難関です。
上手く合わなくても、穴を少し大きめにしておけば機能的に問題ありません。
角座プレートは面積の大きなものが良いでしょう。
自家製ベンダーの使い方

ベンダーの使い方は簡単です。
曲げたい部分を上下の部品で挟み込むだけです。
挟み込んだら、メガネレンチやスパナでゆっくり締めていきます。

左右のバランスが狂うとおかしな方向に曲がるので、左右同じように締めてください。
右のボルトを半回転させたら、次は左を半回転といった具合です。
所詮、自作の工具ですので精度はあまり期待できません。
ボルトを締め切っても90°までは曲がりませんので、それ以上は手で曲げて調整することになります。
どのくらいまで曲がるか
実際にどのくらいの金属板まで曲げられるかは、部材の材質によりけりです。
今回、曲げたのはスチールラックの棚板で、鋼板の厚みは実測で0.4mm程度でした。
これでも、かなりの力が必要になるうえに、ベンダーの木部分が悲鳴を上げます。
ですから、あまり幅が広くて厚みがある物は曲げられません。
参考までに、使用したアングルはアルミ製ですが、加圧時に曲がるようなことはありませんでした。
材料のほとんどは自宅にあった廃材ですが、210mmのボルトだけは無かったためホームセンターで買ってきました。
2本で300円程度です。
全体的にかなりお安くできましたが、穴を開けたり切ったりする工具も必要ですので、ある程度工具をお持ちの人向けの工作かもしれません。
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