トラック・チャリティイベントの入場料2,000円は高い!? 問題 「実例、イベント開催費用」のリアル

イベントの作法
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先日よりトラック関連のSNSを賑わせているトラックイベントの入場料に関するTikTok投稿

入場料として支払う2,000円についての内容です。

 

書かれている文面をそのまま書き写すと・・・

<とあるTikTok投稿より引用>

   

 

 

トラックイベントの入場料1台2,000円は高い?

そもそも「トラックイベント1台2,000円は高い?」というお話しですが、これには様々な意見があります。

 

「安い!」という人の意見は、

といったものがあります。 

 

 

「高い!」という人の意見は、

といったものがあります。

 

 

こういった意見に対して、どうこう言うつもりもありません。

ただ「実際のところどうなの?」というのも気になるところ。

 

ということで、トラックイベントでどのくらいの費用が掛かるのか算出してみましょう。

  




 

 

 

トラックイベント開催費用を概算算出してみる

 

トラックイベントといっても様々です。

費用を算出しようと思ってもイベントごとに条件はまちまちですので、ある程度条件を決めて出すしかありません。

 

 

あくまでも今回算出するのは仮条件での金額です。

全てのトラックイベントに当てはまるわけではありませんのでご注意ください。

 

それでは順に見てみましょう。

 

  

 

 

会場使用料(賃貸料)

トラックイベントを開催するためには広い土地が必要です。

そういった広い土地を借りるには、敷地の使用料が必要です。

 

 

敷地の使用料は場所や所有者によってまちまち。

10万円程度で借りられる場所から、150万円を超える場所まで金額の振れ幅も大きいです。

 

実際にいくつかの会場を確認すると、その平均は50万円前後

これには、所有者に直接支払う賃貸料のほかに、それに付随する手数料も含まれています。

ということで、まずは会場使用料を計上。

 

 

 

 

 

 

仮設トイレ

トラックイベントに使用するような広い土地には、トイレが無い事が多いです。

 

「トイレがないから草むらで・・・」なんてことは出来ません。

トイレがない場合は仮設トイレの設置が必要です。

 

仮設トイレのレンタル費用は運搬、くみ取りも含めて5台で65,000円ぐらい。

5台では足りないかもしれませんが、とりあえず費用として5台分みておくことにしましょう。

 

   

 

 

 

バリケード等レンタル

トラックのイベント会場として使用されている敷地は、整地されていない事も多いです。

そういった場合、バリケードフェンス鉄板養生をすることもあります。

 

雨天の場合は重機での整地も必要となってくるでしょう。 

<進入路に敷設された鉄板養生の例>

 

例えば・・・

 

会場規模が大きくなれば、大きな費用が発生するため予算を圧迫する原因となります。

ただ、こちらは敷地により変わりますので、今回は予算として50,000円みておきます。

 

 




 

 

 

 

草刈り費用

トラックイベントが開催されるのは春~秋が多いです。

 

敷地が舗装されていたり、常に使われているような場所なら良いのですが、放置されていると大量の草が生えます。

そのままではイベントが出来ませんので、事前に草刈り作業が必要となります。

 

 

草刈りの外注相場は500円/㎡程度

1,000㎡程度の草刈りなら50万円かかる計算ですが、実際は主催者が無償でやって費用を抑えていることが多いです。

ということで0円で計上します。

 

 

 

 

 

イベントテントレンタル

トラックに限らずイベントをする際、本部テントや売店などのテントが必要となります。

 

イベントテントのレンタル費用3,600mm×5,400mmのもので10,000円/日程度

3台借りると30,000円ですが主催者が準備したり、応援クラブ間で貸し借りをしたりして費用を抑えています。

 

ということで、今回は0円で計算します。

 

 

 

 

 

 

折りたたみ机、椅子レンタル

「こんなものも?」と言われるかもしれませんが、本部席などに置いてある机や椅子もどこかから持ってくる必要があります。

主催者側が所有していることが多いのですが、レンタルするとそれなりに費用が掛かります。

 

 

費用としては机が2,000円/日、椅子が500円/日程度が相場のようです。

机を10台と椅子を30脚借りると35,000円必要となります。

 

クラブ間での貸し借りもできますので、今回は0円で計上します。

 

 

 

 

 

文房具その他

イベントでの受付や各種催しでは書いたり貼ったり忙しいです。

ですから文房具は必須です。

 

ノートやペン、テープなど。

自宅にあるもので代用できそうですが、新規に購入する分として3,000円みておきましょう。

 

 

 

 

 

案内看板作成

トラックは大きいため、進入路を間違えるUターンできない可能性もあります。

ですから、イベントを開催する際は案内看板を作ることが多いです。

 

<案内看板の例>

 

こういった看板もタダではできません。

板を買ってきて文字を書いて、設置できるように加工する必要があります。

 

簡易なものでも、予算としては5,000円ぐらいはみておいた方が良いかもしれません。

 

 

 

 

 

清掃、ゴミ回収

イベントにおいて「ゴミは持ち帰る」が基本なのですが、出店やステージ周りではゴミが出ます。

 

イベントによっては大きなゴミ箱を設置することもあるでしょう。

イベントのゴミについてはどこかの段階で処分費用が発生します。

 

 

混合廃棄物で1台10万円程度

 

そこまで出ないかもしれませんが、概算で10万円みておきます。

 

 

 

 

 

警備員、交通誘導

トラックイベントにおいて交通誘導は重要です。

特に場外においては専門の警備員を手配するのが基本です。

 

警備員の人工は8時間25,000円/人程度

 

どこのイベント会場に行っても、5人は居ますので12.5万円みておきます。

 

   




 

 

 

 

ゲスト

イベントにはゲストとして歌手や舞踊、演技者を呼ぶことが多いです。

こういったゲストに支払う金額はかなり大きいです。

 

 

どういった人を呼ぶかにより様々ですが、交通費、宿泊費も含めて50万円ぐらいかと。

「トラック見たいだけだから、ゲストなんか要らねぇ!」なんて人もいますが、楽しみにしている人もいますし、トラックと関係がない一般の方の導入を図るためにも重要なことです。

 

 

 

 

 

音響設備レンタル

トラックイベントではステージで様々な催しが行われます。

ゲストの歌や挨拶、オークションなどに使うマイクやスピーカーなど音響設備は必須です。

 

<音響設備の例>

知る限り、主催側でこういった物を所有しているところは少ないので、レンタル会社から借りることになります。

 

マイク、アンプ、スピーカーで概ね30,000円程度かかるようです。

 

 

 

 

 

景品等

イベントでは菓子蒔きコーラの早飲みオークションなどの品物、景品が必要となります。

こういった物は協賛で提供されることも多いのですが、多くの場合は足りません。

 

<景品の例>

 

ですから景品はある程度主催者が準備する必要があります。

イベントの規模やプログラムの内容によりますが、予算として20万円ぐらいは必要かと思います。

 

 

 

 

 

 

露店、キッチンカー

露店やキッチンカーに関しては、地域や出店契約によって費用が変わってきます。

「出展料1日いくら」で収入となることもありますし、「売上げ補償」をすると主催者の持ち出しになることもあります。 

 

この辺りは振れ幅が大きいので今回は0円で計上します。

 

 

 

 

 

イベントプログラム

入場時に配られる紙のイベントプログラムについても印刷代が掛かってきます。

 

 

モノクロ(上質紙)で800枚5,000円ぐらいが相場となってきます。

もちろんカラー刷りにしたり、枚数を増やすと価格は上がります。

 

 

 

 

 

イベントチラシ

イベント時に配布するイベントプロゴラムと別にイベントチラシを作製することが多いです。

 

これは事前にイベントを知らせるもので、自治体や関連する団体、近所の商店などに配布されます。

認知されやすいようにカラー刷りで行うため200枚で10,000円程度の費用が掛かります。

 

 

 

 

 

案内状、お礼状

イベントへの協賛、応援団体、クラブなどに案内状お礼状を出します。

 

絶対ではありませんが、何らかの書面を作っていることが多いです。

それぞれ一定の金額が必要となってきますが、内容や発送方法はイベントによって異なるので、仮で30,000円で計上します。

 

 

 

 

 

近隣挨拶

トラックイベントは騒音交通渋滞がつきものです。

どれだけ対策をしても近隣への負担、迷惑はあります。

 

ですから、イベント開催前には近隣への挨拶が必須となります。

 

山奥や海沿いの工業地帯など、住宅や商店が全くない所なら不要ですが、それ以外の場所では主催者が近隣挨拶をします。

その際、粗品など持参するとその分の費用が掛かってきます。

 

もちろん説明する際の資料やチラシは必須ですので、その分の費用は発生します。

 

とはいえ、これは会場によって違いますので今回は0円で計上します。

 

 

 

 

 

 

チャリティ募金

トラックイベントは何のためにするかというと”チャリティ”のためです。

善意は交通遺児赤十字盲導犬協会などへ寄付されます。

 

 

2023年前半~中盤まででみると、チャリティイベントでの募金額平均11.7万円ぐらい

定額で寄付する団体もあり、当日の収支としては参考にならない部分もあるかもしれませんが、概ねこのぐらいの金額になると考えます。

 

 




 

 

 

入場料2,000円でおつりがくる?

さて、トラックイベントに掛かる費用を挙げてみました。

細かいものや、分類に困るものはまとめて計上しています。

 

【トラックイベント開催費用一覧】

 

これはあくまで概算ですのでご了承ください。

参考までにトラック、乗用車共に400台ずつ(計800台)入ったとして入場料2,000円で160万円

 

入場料2,000円では140,000円の赤字となる計算です。

これは主催者が自ら動いて費用を抑えている分を加味していますので、すべて外注するとこの金額では済みません。 

 

トラック、乗用車で800台集められるイベントは少ないです。

 

ですから、多くのイベントが赤字か赤字に近い状態であることが分かります。

では、どうするかというと関連商品露店などの売り上げ入場料以外の寄付が重要となっていると想像できます。

 

 

 

 

入場料を払わないことによって起こる問題とは・・・

このように、入場料2,000円では不足することが分かります。

ですから、参加者は金銭感覚を更新していく必要があります。

 

 

タチが悪いのが入場料拒否問題です。

「入場料を払いたくない」って人。

 

入場時に払わないのであればそのまま追い返せばいいのですが、イベント会場の近隣商業施設道路私有地に車を止めるというパターンです。

これは警察への通報主催者への苦情に繋がり、近年のイベント会場拒否問題の一因といえます。

 

「金銭感覚の更新が出来ていない」「自分だけ良ければいい」という一部の人の為に、多くの人の労力が無駄になる現実があることを認識しましょう。

「チャリティイベントは参加者みんなで作る」という原点に立ち返る時期に来ていると考えます。

 

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