開放での撮影
デジタル一眼カメラ等で、撮影時に背景をボカすテクニックとして、レンズの絞りを開放(最も小さい値)にするというものがあります。
これは絞り機構を持つ、カメラ用交換レンズに共通していえることです。
開放で撮影すると、背景が綺麗にボケるうえに、露出も稼げるのでいいことづくめのように思えます。
ただ、多くのレンズでは開放での撮影を避ける方が良いと考えます。
それはいったいどういうことか?
説明しましょう。
ピントが甘くなる
一般的に絞りを開放にして撮影すると、ピントが甘くなるといわれています。
「甘くなる」とは、どういった状態か?
具体的に見てみましょう。
左が開放(f1.4)右が1段階絞った状態(f2.0)です。
赤いカラーコーンに書いてあった「駐車」の文字ですが、左の写真(f1.4)は文字が滲んでいるように見えるのが分かりますか?
これが、ピントが甘いという状態です。
ほぼ原寸大にしないと分かりませんが、遠くにある小さなものや、細かい文字などを撮影する場合に影響してきます。
周辺光量落ち
絞りを開放にして撮影すると、写真の四隅が中央に比べて暗くなることがあります。
いわゆる周辺光量落ちといわれる症状です。
絞り開放で撮影していて、こうなった場合は、絞りを1~2段階絞ると改善されることがあります。
ただ、この症状についてはレンズの設計もありますので、絞りの調整で必ず改善されるとは限りません。
あくまでも要因の一つとお考え下さい。
開放撮影はほどほどに
写真を撮影する際、絞りを開放にして撮影すると、背景がボケて被写体が引き立ちます。
ただ、ボケ量を大きくしたいからといって、全て開放で撮影するのはお勧めできません。
1段階ぐらい絞って撮影する方が良いです。
そのあたりは実際に撮影したものを確認しながら、様子を見ると良いでしょう。
多くのレンズでは開放で撮影するとピントが甘くなります。
ただ、これは製品にもよりますので、実写する前に自宅で新聞紙などを撮影してテストすると良いと思います。
コメント