白レンズって?
Canonの代名詞でもある白レンズ。
諸説はありますが、
望遠系のレンズの熱膨張を防ぐために白く塗装したのが始まり
とされています。
ただ、なんだか分からないけど「白レンズを使えば綺麗な写真が撮れる」みたいな今の風潮は良くないと思います。
レンズは性能と用途で選ぶべし。
最近の白レンズは、ちょっと的外れな製品も存在します。
望遠レンズ=白レンズではない
白レンズ=高価
白レンズ=高性能とは限らない
それぞれどういうことか説明しますね。
望遠レンズ=白レンズではない
白レンズは望遠系が主です。
しかしCanonの望遠系レンズ全てが、白レンズであるというわけではありません。
2022年現在、カタログに載っているEF、RFマウントで200mm以上が使える望遠レンズは33本、このうち24本が白レンズです。
残りの9本については、望遠または望遠が使えるズームレンズであるにもかかわらず黒いレンズなのです。
ですから望遠かどうかは、色だけで判断できないのです。
白レンズ=高価
白レンズは基本的に高価です。
理由はf2.8通しやf4通し、バズーカ砲のような超望遠レンズなど、レンズ面積が広いものが多いからです。
必然的に、レンズ筐体も大きく、太く、長くなります。
更にそれを動かすモーターや手振れ補正装置なども大きく、高価になります。
全体として高価なのはそういった理由があります。
白レンズ=高性能とは限らない
白レンズは高価ですが高性能とは限りません。
例えば、EF70-300mm F4-5.6L IS USMは、いわゆる望遠ズームレンズです。
70mmでf4はまだ使えますが、300mmでf5.6は状況によって厳しいです。
この製品の6年後に発売される、黒レンズのEF70-300mm F4-5.6 IS II USMと比べると価格は倍以上、重量は300gも重いです。
基本性能は同じなのに、これは無いですね。
高級なレンズを使ったうえに、丈夫さもあるようですが、重ければ取り回しも悪いです。
例のように、白レンズであるにもかかわらず、性能面で?マークがつくレンズはいくつもあります。
いくつか例をあげてみましょう。
EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM
高倍率ズームに高級なLレンズを内蔵した製品ですが、重量1600g超えは用途を疑います。
あと、300mmでf5.6というスペックは、晴天でないと厳しいでしょうね。
カメラは撮影してナンボなので、取り回しが悪いのは大きな欠点です。
ニコンAF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRは、基本性能が同じで価格も重量も半分です。
「高倍率ズームレンズ」というジャンルを考えずに、白レンズ化してしまった1本と想像します。
EF35-350mm F3.5-5.6L USM
こちらのレンズも、高倍率というジャンルに無理やり押し込んだ1本です。
さらに悪いことに、ワイド側の焦点距離が35mmしかありません。
ワイド側は24mmや28mmが当たり前の時代に、この焦点距離は厳しいです。
基本設計が古いので仕方ないことなのですが「中古が安いから」といって買うと痛い目を見ます。
重くて使いにくいことは保証しましょう。
EF70-200mm F4L USMシリーズ
このシリーズの欠点はf4通しであるという事。
f2.8とf4のボケ具合は明らかに違います。
軽くてコンパクトで良いという声がありますが、それは普及帯レンズが受け持つポジションです。
Canonが白レンズをブランド化したいなら、f4通しは白レンズにするべきではないと考えます。
ただ白くて中途半端に高価なレンズです。
EF70-200mm F2.8L IS USM
Canonの中望遠ニッパチ(ナナニッパ)レンズです。
2001年にⅠ型が発売され、現在はⅢ型まで改良が加えられています。
フラッグシップレンズのためCanonの技術の粋を集めて作られているのですが、レンズ自体の性能としては残念ながらⅠ型とⅢ型に大きな違いはありません。
カタログスペックでは性能が上がっているのですが、実際に使用している人の感想ではⅢ型にそれほど満足していないようです。
逆に考えるとⅠ型の基本性能が良いという事になるでしょう。
Ⅰ型は中古市場にしかありませんが、実売で8万円程度。
これに比べⅢ型は新品で25万円。
17万円も高いⅢ型は本当に必要なのでしょうか?
基本的に設計が新しいレンズほど高性能なのですが、コスパも含めたこの違いをどう評価するかは難しいところです。
他にもあるCanonの白い罠
Canonユーザーにとって、白レンズは憧れなのかもしれません。
ただ、白いからという理由で安易に買うことはお勧めしません。
「本当に最新式が必要なのか?」とか、「ただ白いだけの使いにくいレンズなのでは?」とか、いろいろ検討してみることは必要です。
使えないレンズほど、無駄な買い物はありません。
長く使えるものを買うためにも、他の人のレビューや比較などは参考になりますので、使っている人の声を聞きましょう。
それがCanonの白い罠に落ちないためにすべきことです。
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