LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer 「コンパクトだが用途を選ぶ超広角レンズ」

撮影機材レビュー
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LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer 

LAOWAから2020年8月に発売されたLAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer

焦点距離はフルサイズ9mm世界最広角(2024年11月時点)。

 

 

今回はLAOWA 9mm F5.6 W-Dreamerの実機を手に入れたので、実際に撮影して画質や使い勝手などを見てみることにします。

 




 

 

焦点距離9mm、世界最広角の画角

LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer最大の特徴はフルサイズで焦点距離が9mmというところにあります。

これは画角にして135°あり、先日レビューしたLAOWA 10mm F2.8 ZERO-D FF130.4°より広いです。

 

焦点距離にして僅か1mmの違いなのですが、実際に撮影するとその画角の広さを感じる事になります。

手元にLAOWA 10mm F2.8 ZERO-D FFもあったので比較してみましょう。

 

<LAOWA 10mm F2.8 ZERO-D FF f/8>

 

<LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer f/8>

 

それぞれ単体で撮影すると気にならないのですが、比較すると画角に違いがあることがわかります。 

また、どちらのレンズも構造上、周辺光量は不足するのですが、f/8程度に絞ると似たような表現となります。

 

 

 

絞りによって画質は大きく変わらないかも・・・

次に、LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer画質を見てみましょう。

 

まずは、絞りを変えながら撮影し、中央部分を切り取っています。

 

<LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer f/5.6>

 

<LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer f/8>

 

<LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer f/11>

 

<LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer f/16>

 

<LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer f/22>

 

中央部分に関してはそれほど大きな違いは出ませんでした。

開放のf/5.6絞り込んだf22が若干ねむたい感じ。

 

 

次に端の描写(画面左下)を見てみましょう。

同じく絞り値を変更しながら撮影しています。

 

<LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer f/5.6>

 

<LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer f/8>

 

<LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer f/11>

 

<LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer f/16>

 

<LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer f/22>

 

端の描写に関してはf/5.6で若干の画質低下、そしてf16あたりから回折の影響が出ています。

 

開放絞り値が暗い製品であるため、全体的にそれほど大きな差となって出ていないように感じます。

ただ、元々の描写がそれなりなので、綺麗に写る超広角レンズを期待すると、ガッカリすることも。

  




 

 

コンパクトな筐体に詰め込んだ広角性能

撮影に出かける際、カメラやレンズがコンパクトなのは非常に助かります。

 

LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamerにおいては直径約68mm(レンズキャップ部分)全長90mmとコンパクトです。

LAOWA 10mm F2.8 ZERO-D FF直径約82mm(フード部分)全長100mmありますので、実際に手で持って比較してみると随分違うことがわかります。

 

重量については双方で大きな違いは感じませんが、直径についてはその違いを実感するでしょう。

 

カメラバッグのポケットにも入りやすいですし、防湿庫への収納もちょっとした隙間が使えます。

この点については、明るさとAFを犠牲にしただけあると感じます。

   

 

 

最短撮影距離は12cm

LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer最短撮影距離は12cmです。

 

これは、一般的な単レンズとしては近接できる部類に入りますが、実際に撮影してみると画角の影響で被写体が遠く感じてしまいます。

 

実際にテーブルの上のマーカーペンを撮影してみた画像がこちら。

<最短撮影距離まで近寄って撮影>

最短撮影距離まで近づいて撮影していますが、マーカーペンが遠く感じます。

 

プラモデルなど小さな被写体の撮影には向かないでしょう。

また、接写リングの使用もピントが合わないため基本的に不可です。

 

本来、そういった使い方をするレンズではないので、これだけ近寄ることが出来れば十分かもしれません。

 

 

  

ピント合わせはマニュアルフォーカス

LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamerマニュアルフォーカスです。

ですから、カメラのファインダー液晶画面を見ながらピントを合わせることになります。 

 

<ピント合わせは手動です>

 

ただ、この手のレンズは被写界深度が深いため、ファインダーを覗いても正確にピントが合っているか確認するのが困難です。

大まかにピントを追う分には問題ないかもしれませんが、できる限り正確に合わせる場合は背面液晶画面で拡大しながらピントを合わせる必要があります。

 

構図を決めてからピントを合わせるなら三脚等に固定した方が良い。

 

なお、フォーカスピーキング正直微妙

全体的に被写界深度が深すぎるのか、見当違いの場所を表示することもあります。

まあ、あくまでも補助機能ということで。

 

 

逆光耐性はそれなり

LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamerは、その画角により完全な順光で撮影できることはほぼありません。

太陽や照明など、画面のどこかに強烈な光源が入ることは良くあります。

 

そんな時に気になるのがゴーストやフレア

LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamerのおいてもゴーストやフレアが写り込むことはよくあります。

<ゴーストはわりとハッキリ写る>

どちらかというと写り込む方が多い。

 

もともとこういったレンズであることを分かったうえで、その画角を楽しんでください。

  




 

 

電子接点はありません

LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamerには電子接点がありません。

 

<電子接点はありません>

 

ですから、ボディ側にレンズの情報を伝えることが出来ません。

これによりEXIFデータレンズの部分が欠落することになります。

また、クリップオンストロボの光量なんかも手動で設定することになりますし、カメラによってはレンズを認識しないことでシャッターが切れないこともあるかもしれません。

  

こういった点は要注意です。

「買ったけど、撮影できない!」

ということにならないために。

今、持っているボディで接点無しレンズが使用できるか確認をしておきましょう。

 

 

 

フィルターの取付は基本的に不可

LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamerは前面が出目金と呼ばれるレンズ形状をしているため、フロントフィルターの取付が出来ません。

 

また、レンズ後部についてもフィルターホルダーはありませんので基本的にフィルターの取付は出来ません。

 

どうしてもフィルター効果が欲しい場合はKANIから角型フィルター用のアダプターリングが出ていますが、お値段もそれなりにしますし、なにぶんフィルターの選択肢は少ないです。

 

フィルターは簡単に取付できないと考えておきましょう。

 

 

 

 

不便な点も多いけど超広角の画角は魅力的

MFであったり、電子接点が無かったりと不便な点も多いのですが、やはり135°という画角は魅力的です。

 

焦点距離にしてわずか1mm。 

その違いが表現の差となって現れる超広角レンズの世界。

 

LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamerはその選択として考えても良い1本です。

 

 

 

【付録】LAOWA 9mm F5.6 W-Dreameの仕様

 

 

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