新しいカメラを買ったら、テスト撮影にお勧めなのが動物園。
動物園には様々な動物が飼育されており、被写体には不自由しません。
また動物たちは、
・激しく動き回る
・距離がある
・檻越し
などカメラが苦手とする状況も揃っています。
何も考えずに撮影すると失敗するもしれません。
ですから、自身の腕やカメラの性能を試すのにはもってこいの場所と言えるのです。
そんな動物園にNikonZ8を持ち込んでみました。
高性能な被写体検出を搭載したNikonZ8。
果たしてその能力は・・・。
NikonZ8
NikonZ8は2023年5月26日発売のミラーレス一眼カメラです。
Z 9から体積比で約30%小型化したコンパクトなボディーに、Z 9の優れた性能と機能を凝縮し、高い機動力を実現。
カメラバッグに納めてもかさばりにくく、また、様々な撮影スタイルに柔軟に対応するため、どこにでも気軽に持ち出して、存分にクリエイティビティーを発揮できます。
静止画、動画を問わず、様々なシーンで安定した撮影を可能にします。
<Z8について:ニコンHPより引用>
Z9同様の高機能を高級機サイズにまで圧縮しているのが特徴です。
ですから、被写体検出に関してもZ9と同等の性能を有します。
メーカー資料によると、被写体検出(動物)に関しては犬、猫、鳥が対象です。
では、
ペンギンは?・・・・
アザラシは?・・・・
この辺り気になるところですね。
こういった部分も含め試してみました。
旭山動物園で動物たちを撮影
撮影テストの為に訪れたのは旭山動物園。
行動展示の先駆けとして有名な園で、今では北海道を代表する観光スポットとなりました。
そんな動物園にいる動物たちをNikonZ8で追いかけます。
旭山動物園の園内MAP。
正門から入り、
まずは「フラミンゴ館」「ととりの村」へ行ってみましょう。
鳥の検出能力は高い
「フラミンゴ館」「ととりの村」には多数の鳥類が飼育されています。
鳥との境目に金網が無いので撮影はしやすいです。
難易度も低いのでオススメの施設といえます。
ということでさっそく撮影したのがフラミンゴ。
立って休んでいるところなので撮りやすいです。
撮影データは以下のとおり。
フォーカスモード:AF-C 被写体検出:動物 シャッター速度:1/500s 絞り:f8 レンズ:NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 焦点距離:400mm
動物は動くのでシャッター速度固定。
絞りは絞り気味としました。
カメラを向けると被写体検出が動き出し、フラミンゴの瞳にピントを合わせます。
あとは構図を決めてシャッターを押すだけ。
とっても簡単です。
動きが比較的遅い被写体なので被写体検出は「楽々追いかけている」といった感じでした。
空飛ぶペンギンも追尾する
今回最も期待したのが空飛ぶペンギンの撮影。
ペンギン館では水中に敷設された透明なアクリルチューブ内を人が移動でき、ペンギンが泳ぐ様を下から観察することが出来ます。
ペンギンが青空を背景に水中を泳ぐ様はまさしく”空飛ぶペンギン”。
しかし、この”空飛ぶペンギン”は少々撮影が難しいのです。
理由としては、
・ペンギン館は人が多い ・低い位置からの撮影となるためしゃがむ必要がありファインダー撮影に向かない ・ペンギンは案外速く泳ぐ
といったことがあります。
特にファインダーを覗いて撮影するデジタル一眼レフカメラにとっては苦しいでしょう。
低い姿勢から無理矢理除き込んだら首を痛めるかもしれません。
そんな時は背面液晶を確認しながらのファインダーレス撮影が有利です。
NikonZ8では縦横4軸チルト式画像モニターを採用している為、ウエストレベルで構えながら真上に撮影することが出来ます。
この、機能がペンギン館では大活躍!
背面液晶画面を見ながらペンギンを構図に入れると、被写体検出がピントを合わせてくれるのです。
そして撮影したのがコチラ。
比較的低い位置をペンギンが泳いでいるので、カメラをウエストレベルに構え、背面液晶を上に向けて撮影しています。
ポイントは手前のポップに惑わされずに、被写体検出がペンギンの瞳にピントを合わせているところ。
こういった障害物があっても迷わず追いかけてくれます。
カメラの連続撮影可能枚数も多いので連写しまくっても息切れしないのが良いですね。
数分で300枚程度撮影(SDカード書き込み)しても問題ありませんでした。
そして肝心の”空飛ぶペンギン”。
こちらはカメラをアイレベルに構え、背面モニターをチルトさせて上向きに撮影してます。
被写体検出がしっかりペンギンを追いかけてくれるし、連写による息切れも無いので撮影が快適です。
次の被写体を追う際にブラックアトフリーなのも撮影の快適さに寄与しています。
撮影データ
フォーカスモード:AF-C 被写体検出:動物 シャッター速度:1/640s 絞り:f5.6 レンズ:NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 焦点距離:50mm
暗いアザラシ館でもしっかり追尾する
カメラのAFが苦手な状況のひとつが暗い場所。
暗い室内や目印となる物が無い場所、暗いレンズを使った場合にAFが合いにくかったりします。
NikonZ8では低輝度でもAF検出能力が高いです。
ということで館内が暗いアザラシ館で撮影してみました。
アザラシ館も人気施設のひとつです。
最大の見どころは館内に設置された縦のアクリルチューブ。
この中をアザラシたちが涼しげに泳いでいきます。
ただ、人気のある施設ですので人の出入りは多く、水槽から少し離れて撮影すると人が写り込みます。
こんな時はファインダーレスでの撮影が便利。
動きながらの撮影でも人とぶつかる危険性は減りますし、人をよけながらアングルも素早く変更できます。
そのうえ被写体検出がアザラシの瞳にピッタリとピントを合わせてくれるのが良いですね。
撮影データ
フォーカスモード:AF-C 被写体検出:動物 シャッター速度:1/400s 絞り:f5.6 レンズ:NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 焦点距離:24mm
檻があってもなんとかなる
カメラのAFは動物園の檻も苦手です。
多くの場合、カメラのAFは動物の手前に設置されている檻にピントを合わせてしまい、肝心の動物にピントが合いません。
そんな時でも被写体検出が働けば動物にピントを合わせることが出来ます。
檻があるにも関わらずピントがワオキツネザルに合っていますね。
檻の外に生えていた草を掴むことが出来て”ご満悦”の様子。
やっぱり苦手なものもある
NikonZ8の被写体検出ですが想像以上に優秀です。
カメラを向けたほぼすべての動物を”動物”として認識し、暗い場所や、檻があるような施設でも有効に使えました。
しかし苦手な被写体もあります。
例えば、一つの構図に複数の動物がいる場合。
こういった時は自身が思っていない部分にピントが合うことがあります。
こんなパターンですね。
ピントは手前ではなく奥の個体に合っています。
また、動物特有の体の模様や動物以外に反応することもあります。
こういった場合も被写体検出を切るか、マニュアルでピントを操作する必要があります。
「被写体検出は便利だけど絶対じゃない」
というのが1日使った印象です。
とはいえ、今まで撮影できなかった被写体が撮影できるようになったのも事実です。
特徴を理解して有効に使えば、確実に写真は良くなると考えます。
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