玉ボケ多重露光写真
玉ボケ多重写真とは、通常撮影した写真に玉ボケ写真を多重露光するものです。
撮って出しとは違い、幻想的な雰囲気の写真を撮影することが出来ます。
例えばこんな感じの写真ですね。
この玉ボケ多重露光写真は、
以下のように通常撮影した写真
に以下の玉ボケ写真を多重露光しています。
写真の「明るいものが勝つ」という原理を応用した撮影法です。
原理は至極単純なのです。
玉ボケ多重露光写真の撮影方法
玉ボケ多重露光写真は2枚の写真を合成します。
ですから、基本的にシャッター操作は2度必要です。
また、多重露光写真の撮影方法は大きく分けて2通りあります。
ひとつは、カメラの多重露光機能を使うもの。
そしてもうひとつは、別々に撮影したものをアプリケーション上で合成するという方法です。
それぞれ説明しましょう。
カメラの多重露光機能を使う
ほとんどのデジタルカメラには多重露光機能が付いています。
フィルムカメラからのユーザーなら、多重露光機能は馴染みがあるかもしれません。
カメラで撮影した複数の写真をカメラ内で合成するというものです。
「専用のソフトが不要でカメラ内で完結できる」というメリットはありますが、「写真の組み合わせが変更できない」「その場で仕上がりを決める必要がある」「カメラ操作に慣れる必要がある」などのデメリットもあります。
ある程度、撮影に慣れた人向けといえるでしょう。
アプリケーション上で合成
デジタルの時代になって主流になっているのがアプリケーション上での合成です。
これは、別々に撮った写真を専用のアプリケーションで明合成するものです。
画像アプリケーションとしてPhotoshopは有名ですが、簡単に明合成出来るフリーソフトとしてSiriusCompもお勧めです。
SiriusCompの使い方などは過去記事をご覧ください。
メリットとしては「写真の組み合わせが変更できる」「仕上がりを後で決められる」ということがあります。
デジタルの時代はコチラが有利といえます。
玉ボケ多重露光写真を撮影してみる
では、実際に玉ボケ多重露光写真を撮影してみます。
後から編集が楽なので、アプリケーション上で合成する方で撮影します。
先ほどの写真で説明しましょう。
まずは、通常撮影した写真。
今回は、電飾と玉ボケを同じ位置にしました。
ですから、三脚で固定して動かないようにする必要があります。
通常撮影はピントを被写体に合わせ、露出を電飾に合わせます。
後から明るさを調整できるようにRAWでの撮影が良いでしょう。
多重露光撮影は明るさにシビアです。
この点は覚えておきましょう。
電飾がリレーしている場合はスローシャッター推奨です。
その方が電飾が映えますからね。
そして次に玉ボケ写真を撮影します。
同じように露出を電飾に合わせます。
そして、ピントはボカして撮影します。
ここでポイントが3つ。
ピント操作はマニュアルフォーカス(MF)とする。
焦点距離は若干大きくする。
絞りは開放にする。
それぞれ説明しましょう。
ピント操作はマニュアルフォーカスとしてください。
AFのままですと、被写体にピントが合ってしまい玉ボケが出来ません。
この点は基本なので忘れないようにして下さい。
暗い中でもAF/MFの切り替えが出来るようにしておきましょう。
通常撮影した時より、焦点距離は若干大きくしてください。
これはちょっとしたコツなのですが、カメラ用レンズは構造上ピントの位置によって画角が若干変わります。
ですから、同じ焦点距離でも10mの距離にある場合と30cmの距離にある場合では若干被写体の大きさが変わります。
これを考慮せず撮影すると、被写体と玉ボケがズレた写真となります。
この微妙な変化を解消するために、焦点距離を若干望遠側に変更して下さい。
ファインダーや液晶を見ながら目分量で良いです。
最初は合わないと思いますが、このあたりの感覚は鍛えるしかないといえます。
最後に、丸くて綺麗な玉ボケにするために、レンズの絞りは開放にしてください。
絞って撮影したも良いのですが、玉ボケに絞りの影が出てしまいカクカクとした丸になるからです。
綺麗な丸いボケを作るには、絞り込みが支障となります。
覚えておきましょう。
明合成で玉ボケ写真を生成する
通常撮影した写真と、玉ボケの写真が準備出来たらアプリケーションで明合成を行います。
明合成はSiriusCompを使えば簡単です。
作業前に各写真の明るさを調整しておきましょう。
アプリケーションのダウンロードや、作業手順は過去記事をご確認ください。
色々応用できる
今回は電飾と玉ボケを同じ位置に明合成しました。
ただ、これは玉ボケ多重露光写真の一例にすぎません。
アイディア次第で色々な表現が出来るでしょう。
まずはやってみてください。
ハマると思いますよ。
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