スローシャッター
スローシャッターとは低速シャッターとも呼ばれ、手持ち撮影では使用しないような低速でシャッターを切ることを指します。
主に滝や川などの水の流れや、光の軌跡を表現するときに使われます。
撮影時には手ブレを起こすので、三脚やケーブルレリーズが必要となり、若干の知識と想像力が必要です。
そんなスローシャッターですが一眼カメラの専売特許ではありません。
スマホでの写真撮影でも可能です。
ということで実際にやってみました。
まずは普通に撮影
スローシャッターは様々な用途に使えます。
やり方次第では、見たこともないような世界を表現することも出来るでしょう。
そのあたりは想像力勝負です。
そんな中、今回はデコトラのナイトシーンをスローシャッターで撮影してみます。
ナイトシーンでスローシャッターを使う利点は、リレーしているマーカーランプを写し込むこと。
ピンとこないかもしれませんが、分かるように比較して撮影します。
比較対象として、まずは普通に撮影します。
スマホに付属しているカメラアプリで撮影しました。
ISO583、シャッター速度1/90秒です。
見て欲しいポイントは箱マーカー。
リレーしているため4つのうち1つしか点灯していません。
ナイトシーン写真がイマイチに見えてしまうのはこれが原因です。
これはシャッター速度が1/90秒であるため、どうしてもこうなります。
マーカーランプは点滅を繰り返しているのですが、シャッターボタンを押したこの一瞬(1/90秒)は1つしか点いていないということです。
ではどうするか?
シャッター速度を遅くします。
これがスローシャッターの考え方。
実際にやってみましょう。
スローシャッターで撮影してみる
では、スローシャッターで撮影してみましょう。
まずはシャッター速度0.2秒。
マーカーランプ4つのうち3つまで点いています。
タイミングさえよければ4つとも点くかもしれません。
では、更にシャッター速度を落としてみます。
シャッター速度0.5秒で撮影。
かなり露出オーバーになりましたが、マーカーランプは4つとも点いています。
これがスローシャッターを使った撮影方法です。
華やか・・・というか眩しい。
撮影方法
実際にスローシャッターで撮影する方法を紹介します。
必要なのは以下の2つ。
・三脚
・マニュアル撮影できるカメラアプリ
それぞれ見ていきましょう。
【1】三脚
スローシャッターに三脚は必須です。
シャッター速度にもよりますが、三脚を使わないと確実に手ブレを起こすと思ってください。
三脚用のスマホホルダーも合わせて揃えましょう。
【2】マニュアル撮影ができるカメラアプリ
スマホに標準採用されているカメラアプリでも良いのですが、マニュアル操作に特化したカメラアプリの方が使いやすいです。
今回使用したのは、以前も紹介した「夜景カメラ」。
無料版でも十分使えます。
操作としては、まず露出をマニュアルに変更。
ISOを100に、シャッタースピードを0.5秒ぐらいにしてください。
※画像は1000となっていますがここを0.5に合わせます。
この状態で撮影してみて、マーカーが一部消灯しているようならシャッタースピードを遅くしてください。
マーカーが全て点灯しているように写るなら、もう少し速くても構いません。
写真が全体的に明るすぎるようならISOの値を小さく、全体的に暗いようならISOの値を大きくしてください。
スマホ最大の欠点
実際に撮影してみると分かるのですが、スローシャッターを使うと明るくなり過ぎると思います。
これは、点滅していない電飾や反射の光が加算されるためです。
デジタル一眼カメラの場合、絞りという機構があり、光の量を調整できます。
しかし、多くのスマホには絞り機構がありません。
ですから、明るすぎる場合にはシャッター速度を上げるという動作を取ります。
スローシャッターで撮影したいのに、露出を減らすのはシャッター速度を上げるしかないという状況。
ここで、矛盾が生じます。
これがスマホ最大の欠点といえます。
ですから、スマホでスローシャッター撮影を行う際は露出オーバーが紐づいてくると思って下さい。
軽減する方法はあるのですが・・・。
それはまたいずれ。
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