NikonZ8のデジタルノイズ
デジタルカメラのイメージセンサーは画素数が大きくなると、ノイズが出やすくなります。
これは、同じ面積に多くのセンサーを詰め込ことにより、1つの受光素子が光を受ける面積が小さくなるためです。
NikonZ8においても、高画素機としての特徴があります。
高速で歪の少ない積層型裏面照射センサーを採用しているのですが、その分低感度からノイズが多いです。
低感度での画質を重視するナイトシーン撮影において、この点は注意が必要といえます。
本当に低感度ノイズが多い?NikonZ8
以前から、低感度でナイトシーン(夜景)を撮影した際のザラツキ感は、まあまあ気になっていました。
とはいえ、致命的に画質が悪いというわけではありません。
ここで、NikonZ8の低感度ノイズがどの程度のものか、他の機種と比較してみましょう。
上がNikonZ8(4.5MP)、下がNikonZ6Ⅱ(2.4MP)です。
画素数が倍近く違うので比較は難しいのですが、NikonZ8の方がザラツキ感が多いのが分かります。
この差が撮影した際の画質に現れているものと考えます。
長秒ノイズと高感度ノイズ
デジタルカメラのイメージセンサーは、露出時間を長くすることによってノイズを発生させてしまいます。
いわゆる長秒ノイズと呼ばれるもので、何秒からどの程度のノイズが発生するかは製品によって異なります。
また、露出が足りない場合にISO感度を上げて撮影することによってもノイズを発生させてしまいます。
こちらは高感度ノイズと呼ばれ、長秒ノイズと同様に発生量は製品によって異なります。
どちらのノイズも撮影にとっては歓迎すべきものではないのですが、状況によってはどちらか使わざるを得ないのも現実です。
では、どちらが良いのか?
マシなのか?
NikonZ8におけるナイトシーン(夜景)撮影で比較してみましょう。
ナイトシーン撮影では露出が不足する
ナイトシーン(夜景)は光量が少なくなる時間帯の撮影となるため、露出不足に陥ります。
日中の撮影とは異るため、
・ISO感度をあげる
・露出時間を長くする
といった方法で露出を稼ぐ必要があります。
ISO感度を上げると高感度ノイズが発生しますし、露出時間を長くすると長秒ノイズが発生します。
どちらの方法を取った場合でも、ノイズの発生とは縁を切れません。
ただ、撮影状況によってはどちらか選ぶことが出来る場合があります。
そういった状況の時に、どちらの方がノイズが少ないかを把握しておくと、より画質劣化の少ない写真を撮ることができます。
ということで、実際に撮影して比較してみましょう。
ナイトシーン撮影におけるノイズ比較
実際にナイトシーン(夜景)を撮影したものがこちらです。
上から順に
ISO 100
ISO 400
ISO 800
で撮影しています。
絞り値は固定し、シャッター速度で露出を調整。
カメラ側でのノイズ除去機能は全てOFFで比較しています。
ISO100、f8とした場合、30秒の露出時間が必要でした。
シャッター速度30秒ともなると長秒ノイズで随分ぼやけています。
では、ISO400にするとどうなるでしょうか。
シャッター速度8秒となり、輪郭は若干シャープになりますが平滑面もザラツキ感が出てしまいました。
更に増感してISO800にすると高感度ノイズが目立ちはじめ、輪郭のシャープさも失われていきます。
あくまでも原寸での違いを書いています。
微妙な違いですので、印刷してもそれほど大きな差は出ないと思います。
ナイトシーン撮影では長秒ノイズと高感度ノイズどちらを取るか
純粋に比較した場合、高感度ノイズより長秒ノイズの方が影響が少ない結果となりました。
ですから、NikonZ8を使用して少しでも綺麗に撮影しようとすると低感度で長秒撮影する方が良いです。
ただ、実際の撮影を考えた際、シャッター速度30秒というのはあまり現実的ではありません。
シャッター速度8秒でも長いと感じます。
今回は極端な例ですが、撮影のテンポに合わせてある程度ISO感度は上げても良いと思います。
このあたりは、状況に応じて使い分けると良いです。
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