スマホで月を撮る
2022年11月8日の夜は皆既月食でした。
当日は天気も良く、時間的にも観測しやすかったので、多くの人が見ることが出来たと思います。
それと同時に多くの人がスマホで月を撮影しました。
ただ、普通にスマホで撮影しても綺麗に写りません。
月は簡単なようで、ちょっと撮影にコツがいる被写体です。
そんな月をスマホで撮影するコツについて解説します。
スマホのアプリ任せでは撮れない
月は暗い中に強烈な光を放つ被写体です。
ですから多くのスマホアプリでは露出が合いません。
よくあるのが露出オーバー。
これは月が光の玉になって写るパターンです。
こうなってくると、月を撮ったのか街灯を撮ったのかよく分かりません。
撮影時にある程度の露出調整は出来ますが、カメラアプリ任せで月に露出を合わせるのは困難であることが多いのです。
夜景カメラアプリ
多くのカメラアプリは月に露出が合いません。
点光源で光が強すぎる為です。
こういった極端に偏った被写体は、マニュアルで露出を合わせる必要があります。
「夜景カメラ」はマニュアル露出が出来るカメラアプリです。
無料版でも十分使えるのでお勧めです。
この機会に使ってみてはいかがでしょうか?
夜は広告が目立ってちょっと煩わしいのですが、結構使えます。
夜景カメラアプリの操作
月の撮影は露出がキモです。
これを無視しては綺麗に撮影できません。
露出のポイントは3つです。
絞り(f値)
シャッター速度
ISO感度
まず絞り(f値)は固定のスマホがほとんどだと思います。
多いのはf1.5~f2.5ぐらいだと思いますが、詳しくはスマホの仕様書でご確認ください。
シャッター速度は1/250~1/1000秒程度です。
これは月の満ち欠けによっても変わってきます。
半月で1/30秒前後、三日月で1/8秒前後です。
ISO感度は100にしてください。
但し、半月や三日月など暗い月の場合は数値を上げます。
実際に撮影してみる
月は天候が良ければ、比較的ゆっくり撮影できる被写体です。
ですから、焦らず撮影してください。
撮影したものを液晶画面で確認しながら、その都度露出を調整すると良いです。
まずは、先ほどの「夜景カメラアプリ」で露出を以下のように設定してください。
シャッター速度 1/1000秒
ISO感度 100
この状態で撮影してみて月が暗ければ、シャッター速度を1/500秒や1/250秒など遅くしてください。
月が明るすぎるようなら、シャッター速度を1/2000秒や1/4000秒など速くしてください。
月の模様が綺麗に出たら適正露出です。
ピントは月に合わせる
ピントは月に合わせます。
多くのスマホでは被写体をタップすると、その部分にピントが合います。
「夜景カメラアプリ」を使用した場合でも同様ですのでお試しください。
撮影状況によってはピントが合わない場合があります。
その場合はピントを「MF」に変更して手動で合わせてください。
下部のfocusスライドバーを調整するとピントが変わります。
月の場合はほぼ∞なので、ほぼ右側にスライドバーを寄せる形になります。
液晶画面で月を確認しながら調整して下さい。
三脚を使おう
月は非常に遠い被写体です。
また、上方にスマホを向ける為、撮影ポジションが安定しません。
出来れば三脚にスマホホルダーを設置して固定する方が良いです。
シャッター速度は速いのですが、案外ブレやすいので十分固定して撮影しましょう。
光学ズームの限界
スマホは薄い筐体の中に多くの機能を搭載しています。
ですから、カメラ機能も大きな制限を受けています。
その一つが望遠機能。
望遠には光学ズームとデジタルズームがあります。
光学ズームがレンズで被写体を拡大するのに対し、デジタルズームは画像をデジタル的に拡大します。
写真が綺麗なのが光学ズームなのですが、スマホの薄い筐体に高倍率の光学ズーム機構が入りません。
ですから、多くのスマホはデジタルズームで被写体を拡大しています。
月は小さな被写体です。
拡大して撮影しがちですが光学ズームでの拡大には限度があることを頭に置いておいてください。
デジタルズームで拡大するとかなり画像劣化します。
スマホ単体では限界がある
スマホ単体で月を撮影するのは限界があります。
どれだけ頑張っても、基本的な仕様が決まっているので仕方がありません。
露出の面はアプリで何とかなりますが、焦点距離の面は望遠レンズが無いのが痛いです。
ですから、露出が合っていても点でしか写りません。
この点は理解しましょう。
月を大きく写したいのなら家庭用望遠鏡がお勧めです。
デジタルカメラと比べると安価ですので、買ってから飽きてしまっても痛くありません。
今後、別の天体ショーがあった時でも使えるでしょう。
スマホホルダーが付属している製品が良いです。
この機会に一台いかがでしょうか?
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