大手ハウスメーカー
家を建てたいと思った時に、どこで建てるかは悩みどころです。
ハウスメーカー、工務店、地元ビルダー、建築士事務所・・・いろいろあって迷いますね。
そんな中、大手ハウスメーカーと言われる会社は、値段が高いにもかかわらず一定の顧客がいることは確かです。
では、なぜ大手ハウスメーカーで建てるのでしょうか?
そのあたりを考えてみます。
大手ハウスメーカーと坪単価
大手という基準は様々です。
年間着工戸数なのか、全国規模であればいいのか、売り上げなのか、基準は結構曖昧だったりします。
ここではよく耳にする以下の会社を大手ハウスメーカーとしましょう。
積水ハウス
セキスイハイム
ダイワハウス
住友林業
パナソニックホームズ
ミサワホーム
ヘーベルハウス
三井ホーム
この8社の平均坪単価は77.7万円です。
一般的な注文住宅の平均坪単価が59.1万円ですので3割ほど高い計算になりますね。
大手ハウスメーカーのコスト明細
大手ハウスメーカーともなると、営業所や現場以外に様々な部所や施設が存在します。
研究開発の施設だったり、自社工場だったり、法務や営業を統括する部所だったり、50人規模の工務店とは比べ物にならないほど沢山の施設があります。
もちろんこれらには経費が掛かります。
大まかですが住宅の間接コストで考えると、
自社工場の運営 10%
下請け会社へ支払う費用 10%
研究開発費 5%
間接部門の人件費 5%
モデルハウス費用 3%
広告宣伝費 3%
その他運営費 5%
合計 41%
だいたいこんなものです。
本来の工事費は安いが・・・
大手ハウスメーカーの住宅は高性能であることが多いです。
高性能だから3割ほど高いというわけではありません。
問題は間接コストの高さなのです。
41%も掛かっているのであれば、高くなるのは当たり前なのです。
ですからそれを取り除けば、大手ハウスメーカーの住宅は本来高性能で安いという事になります。
工事費は安いけど、間接コストのおかげで高くなっていると理解してください。
坪単価が高いのに大手ハウスメーカーを選ぶ理由
住宅は長く住んでいるとアフターサービスの重要性に気が付きます。
僕の住んでいる家も大手ハウスメーカーで建てられたものです。
築40年以上経っていますが、当時の構造資料が残っており、リフォームの際に壁を取り除くことも容易でした。
また、窓の部品が破損しても同じ部品が残っていたり、代替品が用意されたりしていて助かります。
このように何十年経ってもアフターサービスが受けられるのは、その会社が存続しているからです。
これが、個人の設計事務所なら、代替わりして廃業なんてことにもなりますね。
建築当時の資料が残っている可能性は低いですし、アフターサービスは自分で探す必要があります。
業者の良し悪しなんて分かりませんから、結構分の悪い賭けですね。
参考までに隣に住む人は、某中堅ハウスメーカーで建て替えを行いましたが、半年ほどで倒産しました。
こうなってしまうと、どこか大手に合併されない限り、アフターサービスは受けられない可能性が高いです。
家は長く住むもの
住宅は基本的に長く住むものです。
構造がしっかりしているとか、使っている材料が良い、インテリアのセンスが良い、坪単価が安いというのは契約をする時に考慮するでしょう。
しかし最も重要なのはアフターサービスの充実なのです。
住宅も経年劣化しますので補修とは切っても切れない関係にあります。
一般的に、外装材のサイディングや屋根のスレートは10年程度でメンテナンスが必要です。
契約をする前にもう一度考えてください。
その会社が10年後にあるかどうかという事を。
新築住宅着工戸数は1980年代以降、ひたすら右肩下がりです。
収益力の低い会社は今後も潰れることが考えられます。
長く住むことを考えると、潰れるような会社に家を任せるのは危険です。
ですから、財務規模の大きい大手ハウスメーカーにする最大にして唯一の利点はここにあるのです。
建てる時にはそこまで考えていない人が多いのですが、アフターサービスは重要な検討事項といえるのです。
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