露出
写真を撮るとき、カメラの撮像素子(イメージセンサー)に取り込まれる光の量のことを「露出」といいます。
露出を調整することで、写真の明るさを変えることができます。
一般的に丁度良い明るさを「適正露出」と呼びます。
適正露出
カメラやスマホの中には露出計が内蔵されており、そこから得た情報を内蔵されたコンピューターが判断して「適正露出」とします。
1枚の写真には1つの露出しかありません。
では1枚の写真の中に、明るい被写体と暗い被写体があった場合、カメラやスマホはどれを「適正露出」とするでしょうか?
- 明るい被写体を適正露出とする
- 暗い被写体を適正露出とする
- 明るい被写体と暗い被写体の中間値を適正露出とする
- カメラやスマホによって判断が変わる
カメラやスマホによって変わる「適正露出」
先ほどの質問ですが正解は・・・
【4】カメラやスマホによって判断が変わるです。
違う機種を2台持ちするとよくわかるのですが、1台目で撮影した写真と2台目で撮影した写真を比べると、一方が明るい(または暗い)ということはよくあります。
これは構図内をいくつかに分割して測光する場合(割測光方式)に多く表れる現象で、カメラやスマホ毎にコンピューターのプログラムが違うために起こるのです。
適正露出はカメラ次第
どの明るさを適正とするかはカメラやスマホ次第となります。
ですから、自身が想像する「適正な明るさ」と、カメラやスマホが導き出す「適正な明るさ」は違うことが多いのです。
先ほどの例のように、明るい被写体と暗い被写体が1枚の構図の中にある場合、差が顕著に現れます。
ですから、露出をカメラ任せにしている限り、同じような明るさでしか撮れないのは仕方がない事なのです。
露出補正
殆どのカメラには露出補正機能が付いています。
+EV、-EVと表現することが多いですね。
操作は簡単。
例えばニコンの場合は±ボタンを押しながらダイヤルを回すだけです。
これはカメラによって違うと思います。
その他のメーカーの操作方法はカメラの説明書でご確認ください。
基本的な考え方は「適正露出」に露出をプラスするかマイナスするかということです。
+EVは「適正露出」にプラスするので全体的に明るく
-EVは「適正露出」からマイナスするので全体的に暗く
こんな感じです。
EVに付随する数字は段階ですね。
+1EVなら1段階明るくするといった感じです。
ですから、露出をカメラ任せにしていて、暗いと感じたら+EVに、明るすぎると感じたら-EVに補正すると良いです。
露出補正の例
ここで露出補正の代表的な例を紹介します。
雪など白い被写体は+EV補正
機関車など黒い被写体は-EV補正
背景に空がある場合は+EV補正
背景に空が無い場合は-EV補正
一般的な逆光は+EV補正
夕日などを赤く表現するには-EV補正
流し撮りは-EV補正
補正量は明るさやカメラによって違うと思いますので、状況に応じて変更してください。
あくまでも一般的な補正例ですので、全てがこれに当てはまるわけではありません。
状況に応じて判断できるようになるためには、経験も必要になってきます。
露出補正で自分好みの明るさに
露出補正のベースには適正露出があります。
今回はあくまでも「割測光方式」で適正露出を算出した場合の例と考えてください。
ソニーでいうとマルチ測光、キャノンでいうと評価測光、ニコンでいうとマルチパターン測光がこれに該当します。
ですから、露出モードを「中央重点測光」や「スポット測光」にした場合は、考え方が変わってきます。
まあ、極端に露出が変わっている場合しか使わないと思いますので、こんなものがあるという程度の認識で問題ありません。
多くの人は「割測光方式」で露出を決めていると思いますので、一つの基準として考える分には全く問題ないのです。
重要なのはカメラが導き出した「適正露出」が、自分好みの明るさであるかという事。
明るいと思えば-EVに、暗いと思えば+EVにするだけで、仕上がりはずいぶん変わってきます。
露出補正をガンガン使って、その効果を試してみましょう。
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