今までスマホで撮影していたけど、奮発してデジタル一眼カメラを購入!
これで綺麗な写真が撮れる!
早速、今週末にイベントがあるから撮影に持ち出そう。
楽しみ。
撮影当日。
デジタル一眼カメラでの撮影は快調そのもの。
ファインダーから見える世界は格別です。
初のデジタル一眼カメラ撮影に大満足。
帰宅し、意気揚々とパソコンにデータを転送、撮影したものを確認するのですが・・・。
「張り切って撮ったけどなんだか仕上がりがイマイチ!?」
「スマホとたいして変わらないんじゃない?」
「なんだったらスマホの方が綺麗かも・・・」
はい、こんな経験ある方~。
何人かいらっしゃると思います。
そこにはデジタル一眼カメラならではの事情が。
これを見落とすと、満足のいく写真は撮れません。
何を見落としていたのか!?
探ってみましょう。
デジタル一眼カメラを使う理由とは?
デジタル一眼カメラは主に静止画を撮影する為の道具です。
そのため、電話も出来ませんし、ゲームアプリで遊ぶことも出来ません。
このあたりは、様々な用途に使えるスマホとは大きく違うといえます。
基本的に写真や動画撮影にしか使えないうえに、重くて、大きくて、高くて、繁雑なのがデジタル一眼カメラの特徴といえます。
では、なぜそういった弱点があるにも関わらず、わざわざデジタル一眼カメラで撮影するのでしょうか?
デジタル一眼カメラはスマホよりきれい?
重くて、大きくて、高くて、繁雑なデジタル一眼カメラを使う理由は撮影画像の綺麗さにあります。
この点については、6インチ程度の小さな画面で確認することを前提に開発されたスマホの追従を許しません。
また、交換レンズや撮影にまつわる機器類の豊富さも特筆すべき点といえます。
但し、撮影された写真が綺麗かどうかは撮影者の技術に掛かってきます。
間違った使い方をすれば、それなりの写真しか撮れません。
むしろスマホの方が綺麗に写ることも少なくありません。
カメラはあくまで道具です。
適切に使うことで最高の性能を発揮するのがデジタル一眼カメラといえるのです。
スマホ愛用者が見落としているデジタル一眼カメラの事実
今までスマホで写真を撮影していた人の多くが、スマホのカメラアプリ任せで撮影していたと思います。
スマホのカメラアプリは高性能ですので、どんな厳しい場面であってもそれなりに写ります。
しかし、デジタル一眼カメラは違います。
露出、ピント、ブレ等を条件ごとに適切にコントロールすることによって、綺麗な写真を撮ることが出来るのです。
この点を見落としている人は正直多いです。
では、改善するためにどういった事に注意すれば良いのでしょうか?
ポイントを挙げます。
Pモード(プログラムオート)で撮るとスマホとたいして変わらない
まずは露出について考えてみましょう。
デジタル一眼カメラの多くには露出Pモード(プログラムオート)というものが存在します。
これはカメラがプログラムに基づいて露出(絞りとシャッター速度)を判断するというものです。
ほぼカメラ任せでそれなりの写真が撮れますから、これではスマホと変わりません。
露出のコントロールについては、軽くて小さいスマホの方に分がある場合もあります。
デジタル一眼カメラを買ったらPモード(プログラムオート)では撮らない!
そして露出のコントロールを覚えましょう。
例えばこんな感じ。
・空を飛ぶ飛行機を撮るから、シャッター速度優先でシャッター速度を速くしよう
・背景を綺麗にボカしたいから、絞り優先で絞り値を小さくしよう
・星を撮影したいから、マニュアル露出で絞りとシャッター速度を設定しよう
露出のコントロールを覚えると、表現の幅は大きく広がります。
「ただフレームに収める写真」からの脱却を目指しましょう。
撮影したものは現像することが前提
スマホで撮影した写真を現像する人は少ないと思います。
現像とは、撮影したものを写真店に持って行って専用紙に焼く(プリントする)ことではありません。
デジタルカメラにおける現像とは、撮影したRAWデータを専用の画像アプリケーションで処理することです。
デジタルカメラで撮影された写真データは基本的に「生のデータ」の状態です。
この生データを処理することによって綺麗な写真データとなるのです。
もちろんRAWデータではなくjpg(jpeg)データでも処理は可能です。
しかし画像処理で変更できる範囲は圧倒的にRAWデータの方が広いです。
【RAWデータによる現像の例】
・左:jpgデータによる明るさ補正(明るさ変更)
・右:RAWデータによる明るさ補正(露出補正)
ですから、デジタルカメラを買ったらRAWで撮影しましょう。
「ファイル容量が小さくたくさん撮れる」と言ってjpg(jpeg)で撮影するのは勿体ないです。
そして撮影したものは現像することが前提であることを忘れずに。
片手持ちは不可!構え方が全く違うデジタル一眼カメラ
デジタル一眼カメラはファインダーを覗き、しっかり構えて撮るのが基本です。
今までスマホを使っていた人にとって「ファインダーを覗く」という動作は違和感を感じるかもしれません。
しかし、デジタル一眼カメラは、
・左手でレンズを下から支え脇を閉め ・右手でグリップをしっかり握り ・眉あたりでペンタ部分を固定
という構え方が基本です。
デジタル一眼カメラはスマホより重量がある分、しっかり構えないと安定しません。
ですから、正しい構え方を覚えておきましょう。
被写界深度は基本的に浅く背景がボケやすい
スマホからデジタル一眼カメラに変更した際、大きく感じる変化のひとつとして背景ボケがあります。
写真は基本的に1カットにつきピントが合う部分は1平面のみです。
その前後についてはピントがボケるのですが、ある程度の距離まではしっかり写ります。
このピントが合っている範囲を被写界深度と呼びます。
被写界深度には以下のような特徴があります。
・イメージセンサーが大きいほど浅い
・焦点距離が長いほど浅い
・絞りの値が小さいほど(口径が大きいほど)浅い
ここでスマホとデジタル一眼カメラを比べてみましょう。
焦点距離や絞りの値は製品や使用する交換レンズによって変わりますが、イメージセンサーについてはデジタル一眼カメラの方が大きいです。
主なスマホのイメージセンサーは1/2.3型~1型程度ですが、デジタル一眼カメラはAPS-C、フルサイズといった大きなものが採用されています。
この差は写真写りに大きく影響します。
スマホは被写界深度が深く、デジタル一眼カメラは被写界深度が浅い。
これが大きな特徴となります。
「プラモデルを撮るならスマホの方が綺麗に写る!」
という話を聞きますが、それは被写界深度によるボケの差です。
イメージセンサーの小さなスマホで撮影すると、小さなプラモデルでもある程度はっきり写りますが、イメージセンサーの大きなデジタル一眼カメラで撮るとボケが大きすぎて何と撮ったのか分かりにくくなります。
絞りを絞り込めば、ある程度被写界深度が深くなって見やすくなるかもしれませんが、それでもイメージセンサーサイズを補完するに至りません。
それ程イメージセンサーサイズの影響は大きいといえます。
それぞれの特徴を知ったうえで撮影しよう
このようにデジタル一眼カメラは正しく使わないと、綺麗な写真は撮れません。
このあたりはスマホと比べると大きく難易度は上がるので、移行する際は注意が必要です。
ただ、スマホに撮影できないような写真であっても、デジタル一眼カメラを使うと左程の手間も無く撮影できることが多いです。
伸びしろはハッキリ言って大きい!
カメラは撮影のための道具。
適材適所を心がけ正しく使いましょう。
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