写真を撮影する際にどんなレンズを使う?
デジタル一眼カメラはレンズの交換ができるというのが最大の魅力といえます。
広角レンズに交換すれば遠近感が強調できますし、望遠レンズに交換すれば圧縮効果を狙うことが出来ます。
また、ズームレンズを使うと1本でいくつかの焦点距離が利用できて便利です。
逆に単レンズは焦点距離の変更が出来ませんが、明るくコンパクトという傾向にあります。
値段もピンきりで、同じ焦点距離なのに開放F値が違うだけで何倍もの差になることは珍しくありません。
正直、一律に比較するのは難しいです。
いったい何を基準に選べばいいのか?
特に初心者の方は迷うかもしれません。
そんな人にお勧めしているのが大三元レンズ。
「大三元レンズって何?」という人もいるでしょう。
大三元レンズとはどういったものか?
その魅力と、お薦めする理由を紹介します。
大三元レンズとは?
そもそも「大三元レンズとは?」という話なのですが、
大三元レンズは、
・ズームレンズ ・開放F値は全領域で2.8 ・広角ズーム、標準ズーム、望遠ズームで構成される
といった特徴があります。
例えば、
NikonのNIKKOR Zシリーズでいうと、
NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
が該当します。
メーカーや製品によって焦点距離は若干違いますが、概ねこの3本の組み合わせとなります。
また、3本揃う必要はなく1本ずつでもそれぞれ大三元レンズと呼ばれます。
写真撮影で大三元レンズを薦める理由
そんな大三元レンズは初心者の方にもお薦めしています。
「大三元レンズって高いよー!」
はい、とても高いです。
高いのですが、その分得られるものも多いです。
それは、どういったものなのか?
大三元をお薦めする理由について紹介します。
ズームレンズの便利さ
大三元レンズはズームレンズです。
ですから1本で単レンズ数本分の焦点距離を補うことが出来ます。
これは移動時に機材をコンパクトにまとめることができます。
ズームレンズはとても便利です。
単レンズを何本も持ち歩く必要はありませんし、初めて行く場所でも構図決めに苦労しません。
被写体との距離を一定程度カバーしてくれますし、その場でいくつかの画角を楽しむことが出来ます。
有能!
ズームレンズの登場によって撮影は飛躍的に便利になったといえます。
開放F値2.8の明るさ
大三元レンズ最大の特徴はズーム全領域で開放F値2.8を実現しているところにあります。
開放F値2.8というと、カメラ用交換レンズとしては明るい部類になります。
廉価/普及帯ズームレンズによくある、ワイド側F3.5~4.5程度、テレ側F5~6.3程度と比較するとかなり明るいです。
この明るさは室内や夕方など、露出が不足しがちな環境で活躍します。
あとシャッター速度1段分、ISO感度1段分・・・といった時の1段分を補填してくれます。
F値の大きさによる暗さは廉価レンズが越えられない最大の壁といっていいでしょう。
ボケの美しさ
大三元レンズは開放F値が2.8であるためボケが美しいです。
レンズのボケに関しては「大は小を兼ねる」といった言葉が当てはまるでしょう。
例えばF4のレンズで得られるボケを、F2.8のレンズなら再現可能ですが、逆は出来ません。
ですから、F2.8のボケが得られるということは、F4のレンズより表現の幅が広いということなのです。
ズームレンズだけどボケも美しいという「良いところの二重取り」が出来るのが大三元レンズの特徴であるといえます。
メーカーの本気度が伺えるレンズである
大三元レンズの多くはプロの写真家が使うことを想定しています。
ですから、随所に各メーカーの本気度が伺えます。
例えば、
・防塵、防滴仕様 ・新素材 ・レンズ内手振れ補正 ・収差の少ないレンズ ・特殊なレンズコート ・高性能なレンズ内モーター ・レンズコントロール機構
といったものが挙げられます。
これらは廉価/普及帯レンズには備わっていない事が多いです。
プロが使うことを見越して設計されたレンズが大三元レンズであるといえます。
現状のレンズで満足できず買い直す可能性が高い
市販されているズームレンズキットや、小売店が抱き合せ販売しているレンズは廉価レンズや普及帯レンズが多いです。
こういったレンズは安くてある程度の性能を持っているのですが、写真を撮っているうちに満足できなくなります。
・描写が甘い ・ゴーストやフレアが出やすい ・ボケ味がイマイチ ・点光源が点に写らない ・AFが遅い
「こういった不満を100%解決してくれるのが大三元レンズ」とは言いませんが、いくつかは解決してくれます。
より上のレンズがあると知っていると、写りの不満も貯まりやすいでしょう。
「あのレンズならもう少し綺麗に写ったかも・・・」と考えるなら最初から大三元レンズを使った方が精神衛生上も良いです。
初心者にこそ薦めたい大三元レンズ
大三元レンズはたいへん高価です。
ですから、これから写真を始める人は購入を躊躇するでしょう。
しかし、安物を買って撮影技術の伸びしろを奪うことは良くありません。
また、あとちょっとが足りず、残念な写真を撮ってしまうという不幸を減らすためにも、最初から大三元レンズを使うというのは悪い選択ではありません。
こう考えましょう。
カメラ用交換レンズは、きちんとメンテナンスすれば15年は使えます。
大三元レンズ1本30万円 普及帯レンズとの差額で25万円 年換算で1.7万円 1日あたり46円ぐらい
これでいい写真が撮れるのなら、実質0円です。
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