撮影者にトラックが近づいてくる場合
道路を走ってくるトラックを撮影したいと思うことありますね。
多くの場合、トラックはこちらに向かって近づいてくると思います。
このように動いている被写体の場合、何も考えずにカメラ任せにすると失敗することが多いです。
何も考えずに撮影するぐらいですから、撮影の合間にカメラの設定を確認することはないでしょう。
結果、ピンボケや手ブレ写真が大量に出来上がります。
これで、連写でもしようものなら目も当てられません。
さて、こういった失敗はどうすれば防げるのでしょうか?
基本的なカメラの設定
動いている被写体を撮影する場合、カメラの設定は動体に適した状態にする必要があります。
例のようにこちらに向かって走ってくるトラックの場合、以下のとおりになります。
・ボディもレンズもオートフォーカス(AF)に設定する
・オートフォーカスはAF-Cモードにする
・シャッター速度は1/レンズの焦点距離(秒)より2段階ぐらい速くする
・撮りたいものにAFポイントを持ってくる
それぞれ説明しましょう。
ボディもレンズもオートフォーカスに設定する
動いている被写体にマニュアルフォーカス(MF)でピントを合わせるのは困難を極めます。
「置きピン」というテクニックを使っても良いのですが、AFもまともに使えないのなら、まずやらない方が無難でしょう。
基本的にAFの出番と言っていいです。
レンズによってはAF/MF切替式の物もあるので、レンズもAFになっているか確認しましょう。
これ、結構忘れがちです。
いくらボディ側でAFにしていても、レンズがMFならピントは合いません。
オートフォーカスはAF-Cモードにする
メーカーによって若干呼び名は違いますが、AFにはシングルサーボ(AF-S)とコンティニュアス(AF-C)があります。
トラックなどの被写体が動いている場合はAF-Cとしてください。
例のように、トラックがこちらに向かってくる場合にAF-Sを使うと、確実にピンボケ写真となります。
なお、AF-SとAF-Cを自動的に切り替えるAF-AUTOというものもありますが、あくまでもカメラ任せのAFですので、あまりあてにすると失敗します。
シャッター速度は1/レンズの焦点距離(秒)より2段階ぐらい速くする
シャッター速度と手ブレの関係は以前お話ししました。
1/レンズの焦点距離(秒)以上にするという事ですね。
50mmレンズを使うなら1/50秒より速い、1/60秒や1/125秒を選択するとブレにくくなります。
これはトラックの速度にもよりますが、直進してくるような場合でもトラックは左右に振れているからです。
ですから、こういった場合は1段階から2段階速いシャッター速度を選ぶ方が良いです。
50mmレンズなら1/125秒や1/250秒、200mmレンズなら1/500秒や1/1000秒という感じです。
必ずそうとは言い切れませんので、一つの目安としてください。
実際に撮ってみてブレが目立つようなら、もう1段階早くするなど工夫してください。
撮りたいものにAFポイントを持ってくる
AFポイントは撮りたいトラックのヘッドライトあたりを目安に設定してください。
ファインダーの中心にしたままですと、思わぬところにピントが合ってしまいます。
エリア設定できる場合は利用しても良いでしょう。
そのあたりはカメラによって違いますので、より合いやすい設定を探してみると良いでしょう。
複数のトラックが連なっているような場合は、一番手前のトラックにピントを合わせると自然な感じに仕上がります。
このあたりは綺麗に見せるためのちょっとしたコツですね。
ピントが合っているか確認する方法
カメラやレンズの設定は一度設定したら終わりというのではなく、たまに撮れたものを確認した方が良いです。
自分の中では完璧な状態と思っていても、思わぬところが抜けておりピンボケ写真を連発することはあり得ます。
お勧めは10~20枚毎にピントが合っているか確認することです。
合っていないなら先ほど説明した4つのどれかがおかしいことになります。
確認する場所として、具体的にはトラックや車のナンバープレートを見ます。
デジタルカメラの背面液晶に撮影したものを写し出し、等倍ぐらいまで拡大してください。
ナンバープレートがハッキリ写っていれば、その写真はピントが合っているといえます。
少しでもボケたりブレたりしているなら何か設定がおかしいという事ですね。
ということでこちらに向かって走ってくる車やトラックを撮影する場合は、4つの事に注意しナンバープレートにピントが合っているか常に確認するのがポイントです。
もちろん、これは全体を写す場合のテクニックです。
違った構図で撮影する場合はこの限りではありませんのでご注意ください。
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