カメラ任せはNG! 夜景撮影ではカメラの自動露出(AE)を信用してはいけない

撮影術
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デコトラの夜景撮影をカメラ任せで撮るとマーカーランプの点しか写らないんだけどどうしたらいいの?

デコトラの夜景撮影(ナイトシーン)という特殊な場面

デコトラの夜景撮影(ナイトシーン)がどういうシチュエーションか考えてみましょう。

デコトラの夜景撮影は暗い中に強い光がいくつもあり、それが点滅するという特殊な状況にあります。 

また、1台を写す場合と2台以上を写す場合でも状況は変わってきます。

例えば、明るさの違う2台のデコトラが並んでいて、1台は緑系で電球のマーカーランプ、もう1台は黄色系で超高輝度LEDのマーカーランプだとすると、2台を同じような明るさで撮影するのは困難を極めます。

 

同様に1台のデコトラのリレー周期が2秒で、もう1台が0.5秒だった場合も同じように撮影するのは難しいです。

このように、いくつもの光源がそれぞれの明るさで点滅しているような場面というのは、一般的ではないと考えます。 

  



 

カメラが想定する夜景

最近のカメラには夜景モード花火モードなど夜の撮影を簡単にできるような機能が付いています。

確かにこれを利用してもある程度の写真は撮れるでしょう。

 

ただカメラに付いているそれらのモードというものの前提は、カメラがプログラムに従って露出を決めている(自動露出している)ということです。

参考までに自動露出の機能をAEと呼びます。

綺麗な写真を撮るためには自動露出(AE)を多用することは、あまり好ましくありません。

先ほど例に挙げた、明るさが違う2台のデコトラが並んだ場面があったとしましょう。

この時に夜景モードなどを使うと、2台のデコトラの明るさをカメラが判断し露出を決めるのです。

さて、そんな時カメラは露出をどう判断するでしょうか?

 

【1】明るい方のデコトラに露出を合わせる。

【2】暗い方のデコトラに露出を合わせる。

【3】両方の中間に露出を合わせる。

【3】かな?

正解はどれもあり得るです。

意地悪な質問でしたね。

 

夜景モードはカメラが露出を決めているので、被写体の明るさを検知して露出をどう判断するかはカメラ次第ということになります。

極端な話、同じ夜景モードでもメーカーが違えば判断は変わりますし、同じメーカー内でも製品が違えば判断は変わります。

結構アバウトなんですね。

 

ということでカメラが想定する夜景というのは、そのカメラが明るさを判断しプログラムに従って露出を決めているだけなのです。

ナイトシーンでもカメラで撮る限りは3つの要素で決まる

どんな場合でもそうですが、カメラで撮影する限りシャッター速度絞りの値ISO感度の3つの要素で露出が決まります。

 

先ほど夜景モードはカメラが露出を決めていると言いましたが、正確にはこの3つの要素をカメラのプログラムが判断して決めているということです。

大前提として、フレームインしているデコトラの発している光を明るいか、暗いか、ちょうど良いか判断しているのは、そのカメラの自動露出機能(AE)です。

その自動露出機能(AE)の判断によりシャッター速度、絞りの値、ISO感度が決められます。

あるカメラはデコトラの光を明るすぎると判断し、シャッター速度を速くしたりISO感度を低くしたりするでしょう。

また、あるカメラはデコトラの光を暗いと判断し、シャッター速度を遅くしたり絞りの値を小さくしたりするでしょう。

さらに同じ構図で撮影しても、電飾が全て点いている瞬間とあまり点いていない瞬間だと、カメラの自動露出(AE)は違う値をはじき出します。

 

このように3つの要素を撮影者がコントロールできないというのが夜景モード最大の弱点です。

これは夜景モードに限ったことではありません。

カメラメーカーが初心者向けに設定している〇〇モードは、ある程度カメラが自動で露出を判断してくれることによって、撮影者がコントロールできる幅を減らしてしまっているのです。

簡単に撮れる代わりに露出のコントロールが難しいということが最大の弱点です。

 

作者の推奨する撮影モードは

撮影モードはたくさんありますが、デコトラのナイトシーンを撮影するには2種類の方法があると考えます。

 

1つは三脚でしっかり固定し、マーカーランプを全て写して豪華さを演出する方法。

もう1つはマーカーランプは写りきらないけど、手持ち撮影し三脚撮影不可能な構図を楽しむ方法。

 

それぞれについて簡単に説明します。

 

三脚を使って撮影する方法

三脚を使って撮影する場合は、マーカーランプを全て写して豪華さを演出することが目的なので画質優先です。

 

基本的な露出モードはマニュアル(M)となります。

マニュアル(M)とはシャッター速度、絞りの値、ISO感度を全て手動で設定する露出モードです。

 

以前、説明した通りマーカーランプを全て撮影するためには1~2秒のシャッター速度が必須となります。

いわゆるスローシャッターですね。

当然、三脚での固定も必須となります。

デコトラのナイトシーンは「三脚を立てスローシャッターで撮るが正解」その有効性について解説
デコトラのナイトシーンを撮影することにおいてスローシャッターの重要性を以前説明しました。 しかし実際にスローシャッターを使用して撮影するにはいくつか注意点があります。 今回はスローシャッターの考え方や注意点を掘り下げてみました。

 

そして画質優先なのでISO感度は標準感度(一般的にはISO100)に固定しISO-AUTOは使いません。

絞りの値は周りの状況や撮影したものを液晶モニタ等で確認しながら調整してみてください。

とりあえず絞りの値(f)5.6~8ぐらいで始めると良いでしょう。

シャッター速度と絞りの値の組み合わせはあくまでも目安です。

色々な組み合わせを試して最も良いものを選んでください。

 

三脚なしで撮影する方法

三脚なしで撮影する利点って何?

三脚なしでナイトシーンを撮影する手法の醍醐味はやはり自由な構図です。

 

三脚があると地面スレスレや頭上からの撮影なんてのは無理でしょう。

そういった場合は手持ちで撮影します。

 

露出モードは三脚を使用した時と同じくマニュアル(M)を推奨します。

シャッター速度は手持ちで撮影できる中で最も遅くしましょう。

その方がマーカーランプが少しでも多く写ります。

と言ってもシャッター速度の下限は1/焦点距離(s)なので50mmレンズの場合は1/50s以上にしてください。

 

絞りの値とISO感度は自由なので、この2点はカメラ任せでかまいません。

一般的には絞りの値は下限に余裕が無いことが多いのでISO感度を自動にしておくと良いでしょう。

三脚に縛られないためいろいろな構図を楽しめるのがこの撮影方法の特徴です。

たくさん撮影して自分好みの1枚を写してください。

 

まとめ

最近のデジタルカメラやスマートフォンは自動露出(AE)のおかげで簡単にナイトシーンが撮れます。

しかし簡単に撮れるというだけで自分好みの写真が撮れるわけではありません。

そこには多くの制限がかかっているのですが、それに気が付いていないだけなのです。

 

自動露出機能(AE)は便利ですが、絶対ではないということです。

自動露出機能を過信するのではなく、参考程度に考えるほうが、綺麗な写真への近道になると考えます。

 

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