望遠レンズ
望遠レンズは、遠くの被写体を大きく写せるレンズです。
よく使われるのは、野鳥や飛行機などの撮影です。
これらは広角レンズや標準レンズでも撮影できない事はないのですが、遠く離れていると小さくしか写らないためトリミングで調整(切り取り)することになります。
しかし、トリミングすればするほど写真の解像度が悪化しますので、良い撮影方法とはいえません。
遠くにある被写体は、望遠レンズでしっかり捉え、トリミングしなくていいように撮影するのが基本と考えます。
望遠レンズの種類
望遠レンズは、焦点距離別に3つの種類に分けられます。
具体的には以下のような区分けです。
中望遠 70mm~135mm
望遠 135mm~300mm
超望遠 300mm以上
全てフルサイズ判の数値です。
また、それぞれの区分けは諸説ありますので、だいたいこのようなものと思ってください。
焦点距離が大きくなるほど大きく写る
レンズは焦点距離の数字が大きくなればなるほど、被写体が大きく写ります。
ですから、焦点距離が長くなればなるほど、遠くの被写体を写せるという事です。
どの焦点距離がどういった被写体に向いているかは、被写体や撮影スタイルによると思います。
写真雑誌を見ると撮影例として、「これぐらいの焦点距離でこういった被写体を撮影する」というのが載っていますので、まずは参考にすると良いでしょう。
焦点距離が大きくなればなるほど背景がボケやすい
望遠レンズの魅力の一つに背景のボケというものがあります。
背景のボケとは、ピントを被写体に合わせた際に、その背景が綺麗にボケるというものです。
同じ構図とした際、広角レンズより望遠レンズの方が綺麗にボケます。
これはレンズの開放F値や、撮影時のF値によっても変わりますが、基本的に望遠レンズの方が背景のボケが綺麗と覚えておいても良いでしょう。
焦点距離が大きくなればなるほど圧縮効果が得られる
レンズの焦点距離が大きくなればなるほど圧縮効果が得られます。
圧縮効果とは構図に被写体を詰め込んだ感じですね。
この圧縮効果が望遠レンズで撮影する際に重要となってきます。
望遠レンズは、ただ遠くの被写体を大きく撮影するだけではありません。
圧縮効果が出るような構図を意識した方が良いと考えます。
望遠ズームはトリミングする道具ではない
最近は高性能なズームレンズが増えました。
これは、望遠領域においてもいえます。
ただ、構図を決める際に、ズーム機能を利用してトリミングをする事は良くありません。
レンズは焦点距離によって味が違います。
先ほど書いた圧縮効果や背景ボケもその一つです。
望遠ズームレンズは、あくまで沢山の焦点距離が選択できる望遠レンズの集合体として考えましょう。
ズームレンズを操作してトリミングする道具ではないのです。
シャッター速度に注意する
フルサイズのカメラの場合、シャッター速度は1/レンズの焦点距離より速くしないと、手ブレを起こしやすくなります。
ですから、焦点距離の長い望遠レンズは、必然的にシャッター速度が速くなります。
200mmレンズなら1/250秒、500mmレンズなら1/750秒といった具合ですね。
これは、必ず意識しましょう。
手ブレ補正で補正できる場合もありますが、あくまで補正という事は忘れずに!
更に、被写体が動いている場合は、より速いシャッター速度が求められます。
シャッター速度が速くなるという事は、露出量が少なくなるという事です。
時間帯や天候によっては、絞りを開放で撮影しても露出が足りない場合があるでしょう。
こういった時はISO-AUTOが便利です。
望遠レンズは用法を忘れず
望遠レンズは、ただ単に遠くの被写体を大きく写せるだけのレンズではありません。
望遠レンズの魅力は綺麗なボケ味と、圧縮効果にあります。
遠くのものを大きく撮りたいだけなのであれば、近づいたうえで広角レンズや標準レンズを使用しても変わりません。
単に面倒くさいからという理由で使うものではないのです。
圧縮効果を使ったり、ボケ味をコントロールすることを覚えれば、いつもと違った1枚が撮影できるでしょう。
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