給与明細を見て気が付いたこと
会社員をしているときはとにかく仕事に打ち込んでいれば給料は上がると思っていました。
実際、基本給は毎年上がっていましたし、年収も上がっていました。
しかし、ある時給与明細を見て気が付いたのです。
10年前と手取りが変わっていないことを。
45歳の時の手取りと35歳の時の手取りにほとんど違いが無かったことです。
職責も上がり、年収も上がっているのに使えるお金は変わらない。
バカみたいな話ですが本当の事です。
所得税は累進課税
働いて収入を得ると所得税を払わなければいけません。
ご存じのとおり日本の場合、所得税は累進課税となっており収入が多ければ多いほど沢山払わなければならないのです。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和2年)ですと、会社員の平均年収は459万8000円だそうです。
例えば年収400万円の人が年収500万円になったと仮定しましょう。
どちらも所得税率は20%で控除額は427,500円です。
大雑把に計算すると
年収400万円
(4,000,000-427,500)×20%=714,500
年収500万円
(5,000,000-427,500)×20%=914,500
年収500万円の人は年収400万円の人より20万円も多くの所得税を納めることになります。
他にもある給与所得者を狙う数々の罠
所得税の20万円だけでも大きいのに、日本には他にも給与所得者から徴収するシステムがあります。
例えば住民税。
住民税は概ね10%です。
ですから年収400万円の人と500万円の人で10万円ほど違います。
次に健康保険料。
これは自治体によって違いますが年収に比例して高くなるという点は共通しています。
自身が住む自治体ですと年収400万円と500万円で、且つ会社と折半の場合年間で49,000万円ぐらいの差がありました。
40歳以上になると介護保険料を払わなければなりません。
こちらも自治体によりますが概ね2%程度ですので、年収400万円と500万円の人で2万円ぐらいの差が出ます。
厚生年金保険料
こちらは将来的に戻ってくる可能性が高いのですが、現在の出費が非常に大きいのです。
折半額の場合9.15%となりますので、年収400万円と500万円の人で91,500円ぐらい違います。
雇用保険料
失職したときの強い味方ですが、一生同じ会社に勤める人には縁がありません。
保険料率は0.3%と知れていますが「ちりも積もれば」というやつです。
年収400万円と500万円で3,000円ぐらいの差が出ます。
サラリーマンは取られ放題
算出した額をすべて足してみましょう。
項目 | 差額 |
---|---|
所得税 | 200,000 |
住民税 | 100,000 |
健康保険料 | 49,000 |
介護保険料 | 20,000 |
厚生年金 | 91,500 |
雇用保険 | 3,000 |
合計 | 463,500 |
年収が100万円増えると463,500円も多く徴収されるのです。
逆に言うと年収が100万円増えても、536,500円しか増えません。
賞与基準を5.0か月とすると、月額の手取りは31,558円の増加。
少し無駄遣いをするとすぐに吹き飛ぶ金額です。
ここでポイントは、今のままでこの差額ということです。
新しい徴収制度が出来れば真っ先に狙われるのは、最も政府にとってメリットが大きいサラリーマンです。
実際、自身の10年で増えた年収と、社会保険料関係の合計はほぼイコールになりました。
制度が変わったのです。
ちょっと極端な計算をしましたので実際はこうなりませんが、年収が増えても手取りが増えない仕組み分かっていただけましたでしょうか?
これを見てどう動くかはあなた次第です。
何もしなければ今後保険料率が上がる可能性もありますので、働いても働いても手取りが増えないという悪循環からは抜け出せないのです。
コメント