NikonZ8
NikonZ8は2023年5月26日発売のミラーレス一眼カメラです。
Z 9から体積比で約30%小型化したコンパクトなボディーに、Z 9の優れた性能と機能を凝縮し、高い機動力を実現。
カメラバッグに納めてもかさばりにくく、また、様々な撮影スタイルに柔軟に対応するため、どこにでも気軽に持ち出して、存分にクリエイティビティーを発揮できます。
静止画、動画を問わず、様々なシーンで安定した撮影を可能にします。
<Z8について:ニコンHPより引用>
Z8をすでに手にした人も多く、様々なレビューがネット上に投稿されています。
Z8を触ってみたい!
でも、ニコンプラザ大阪まで触りに行くのはちょっと遠い・・・。
そんな時、天の声が・・・
「3日でよければ、1台お貸ししますよ」
神様~!!
Nikon Z8 の注目点を実際に検証
取り乱しましたが、今回運よくNikonZ8をお借りすることが出来ました。
「Z8はZ9をコンパクトにしたような製品」と言われていますが、Z9を使っていないとピンとこないと思います。
Z9は使っていないけれど、個人的にも気になる点は沢山!
中でも、発表当初に気になったのは以下の内容です。
・コンパクトな躯体
・被写体検出機能
・Real-Live Viewfinder
・センサーシールド
・SDカードが使える
・縦横4軸チルト式画像モニター
・赤色画面表示
・起動時間、レスポンス
・プリキャプチャー機能
手にした限りは確認しないと。
内容は普段の撮影に使えるものから「もしかしたらこれを使えば面白いものが撮れるのでは?」というものまで様々。
実機が手に入ったので早速確認してみましょう。
【1】コンパクトな躯体
Z8が発表された時、そのコンパクトさがひとつの売りでした。
ただ、それはあくまでもZ9やD850と比較してのことです。
【大きさの比較】
機種 | 寸法(幅×高さ×奥行き) | 重量 |
---|---|---|
Z9 | 約149×149.5×90.5mm | 約1340g |
Z8 | 約144×118.5×83mm | 約910g |
Z7Ⅱ | 約134×100.5×69.5mm | 約705g |
D850 | 約146x124x78.5 mm | 約915g |
実際に比較してみるとZ6、Z7シリーズと比べると明らかに大きくて重い。
上から見てみるとこんな感じ。
厚みも幅も大きいですね。
しかし、Z8単体で使っているとそれほど感じませんでした。
「こんなものかな~」と。
さすがにしばらくZ8を触ったあと、Z6を持つと「小さい!軽い!」となるのは事実。
実際の寸法や重量以上にその差を感じるでしょう。
ただ、個人的にはこの大きさがちょうど良いです。
D800シリーズを触っている人には違和感が無い大きさといえます。
逆にZ6はボディの高さにより、グリップ部分で”小指あまり”が発生します。
コンパクトなのは良いのですが、流石にこれは持ちにくい。
ある程度手が大きな人ならZ8のホールド感が良いかもしれません。
【2】被写体検出機能
被写体検出機能とはAF(オートフォーカス)時に画像に写る被写体を自動的に検出する機能です。
よく聞かれるのが「顔認識」や「瞳認識」というもので、スマホで写真を撮った際に人物の顔にピントが合うのも被写体検出のおかげです。
Z8はこの被写体検出機能が進化しました。
被写体検出できる被写体は以下のとおりです。
大まかに人物、動物、乗り物、飛行機に分かれていますが、どこまで検出できるかは未知数。
ということで「動物」を試してみました。
まずは、自宅で飼う猫を撮影してみます。
お猫様は”写真嫌い”なので、絶対にこっちを見てくれません。
オマケに動き回る・・・。
とはいえ、Z8の被写体検出機能が後頭部越しに瞳を追いかける様は圧巻。
しっかりピントが合っています。
Z6では迷いまくりのAF。
雲泥の差です。
次は樋にとまる鳥。
こんな小さな被写体でも、Z8の被写体検出機能はしっかり瞳にピントが合っています。
原寸大でお見せしたいぐらい素晴らしい。
仕様上は画面長辺方向に対して3%の小さな被写体まで検出するそうです。
これは凄い。
手にしたら是非鳥を撮ってみることをお薦めします。
【3】Real-Live Viewfinder
Z8はReal-Live Viewfinderを搭載しています。
これは撮影時のEVF(液晶ファインダー)のブラックアウトを防止する機能です。
Z6を使っていてなかなかストレスが溜まるのが、撮影時のファインダーブラックアウト。
特に動体を追っている時は、見失ってしまうためシャッターチャンスを逃すことになります。
Z8ではこのブラックアウトが大幅に改善されました。
肌感としてはデジタル一眼レフカメラとほぼ変わりません。
分かりやすいように、Z6と比べてみましょう。
はい、こんな感じ。
分かりますか?
Z6 シャッターが切れた後、ブラックアウトして撮影した画像が表示される
Z8 シャッターが切れた後、直ぐに撮影した画像が表示される
この違いです。
ブラックアウトはファインダーでも同じように起こります。
その瞬間、
Z6 像を確認が出来ない
Z8 引き続き像を追いかけることが出来る
この差は大きいです。
【4】センサーシールド
ミラーレス一眼カメラになって顕著になったのがイメージセンサーのゴミ問題。
今までミラーやシャッター幕で隠れていたイメージセンサーが露出している為、埃や小さなゴミが付きやすくなっています。
困ったことに、これらはカメラのゴミ取り機能でも除去しきれません。
知らない間にゴミ写り込むこともしばしば。
そういった意味ではイメージセンサーを物理的に守るセンサーシールドは期待大です。
今のところイメージセンサーへゴミの付着はありません。
初期設定ではセンサーシールドがOFFになっています。
Z8を手に入れたら真っ先にセンサーシールドONにしましょう。
要注意です!
【5】SDカードが使える
Z8はフラッシュメモリーが2枚挿入できます。
スロット1 CFexpressカード(Type B)/XQDカード スロット2 SD/SDHC/SDXCメモリーカード
このうちスロット2でSDカードが使用できるのはメリットがあります。
CFexpressカードやXQDカードは、読み込み/書き込み速度が速いのですがまだまだ高価です。
これに対しSDカード(SDHC/SDXC)は、読み込み/書き込み速度こそ遅いものの安価です。
さらに 家電量販店やコンビニでも入手できるのでいざという時に現地調達できます。
連写や高画質での動画でも撮らない限りSDカードで十分です。
個人的にはSDカードが使えるメリットは大きいと考えます。
【6】縦横4軸チルト式画像モニター
ローアングル撮影やハイアングル撮影時に便利なチルト式画像モニター。
しかし、縦構図の場合は使い物になりません。
ということで便利なのが縦横4軸チルト式画像モニターやバリアングル式画像モニター。
Z8では縦横4軸チルト式画像モニターを採用しており、縦構図でのローアングル、ハイアングル撮影時に便利です。
正直、これメチャクチャ良いです。
Z6やZ7の次の機種で採用してくれないかなぁ。
【7】赤色画面表示
Z8は液晶の赤色画面表示が出来ます。
これは、暗所で暗さに慣れた場合に見やすいよう設定されています。
天体撮影では液晶画面の眩しさを軽減できると期待できます。
それよりも良かったのがイルミネーター。
これはスイッチ一つで一部のボタンが光る仕組みです。
中級機以上のデジタル一眼レフカメラでは採用されていましたが、それでも上面液晶が光るだけでした。
Z8については、
・レリーズモード
・BKT
・WB
・MODE
・Fn3
・削除
・iメニュー
・拡大
・縮小
・MENU
・再生
といった11個のボタンが追加で光ります。
今まで手探りで押していたボタンもこれで分かりやすい!
天体や夜景の撮影にはとても便利な機能です。
【8】起動時間、レスポンス
起動時間やレスポンスの遅さはZ6の悩みでした。
Z8については、これらが大幅に改善されているとのことです。
Z6の起動時間は約1秒、Z8は仕様どおりなら0.4秒です。
約半分。
で、実際に触ってみると・・・それほど違いを感じず。
「若干速いかな・・・」という程度です。
過度な期待は禁物。
センサーシールドを操作するからなのかな?
大まかなレスポンスについてはこんな感じ。
起動時 | Z8の方が微妙に早いかも? |
スリープからの立ち上げ | Z8の方が早い |
MENU切り替え | Z8の方が早い |
フォーカスエリアの移動 | Z8の方が早い |
サムネイルの選択 | Z8の方が圧倒的に早い |
全体的に早いことは間違いないのですが、起動時だけはそれほど早さを感じませんでした。
【9】プリキャプチャー機能
注目した割には今のところ使い道が無いプリキャプチャー機能。
決定的瞬間を捉えるような写真を撮っていないので使えず。
また、次回にでも確認することにしましょう。
次回って、何時?
撮影可能コマ数ってどうなの?
Z8のバッテリーはEN-EL15cです。
Z6、Z7のEL-EN15bよりは容量が多くなっていますが、もともと消費電力が多いZ8には少々心もとない。
参考までに撮影可能枚数は、
モニターモード[ファインダーのみ]時:
[パワーセーブ(静止画モード)]が[ON]の場合:約340コマ
[パワーセーブ(静止画モード)]が[OFF]の場合:約330コマ
となっています。
で、実際どのくらいもつかというと、
街歩き撮影
静止画のみ
モニターモード[ファインダーのみ]
パワーセーブ(静止画モード)は[ON]
使用レンズは NIKKOR Z 24-120mm f/4 S
AF-S
ワンショット撮影
画像の再生はしない
という条件で397コマでした。
仕様書よりは多い数字ですが、それでも1日撮影しようとすると少ない。
ですから、予備のバッテリーは必須になるでしょう。
やっぱり飛び抜けているよな~と
今回、注目しなかった部分でも「飛び抜けている」感を得る場所はいくつもあります。
また「いいカメラ持っていたら良い写真が撮れる」と思ってしまうかもしれません。
ただ、道具は正しく使ってナンボです。
カメラ任せにせず正しい使い方をするのが良いです。
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