イベント時の夜景撮影は三脚の操作性がカギ
夜景を撮影する際、三脚は必須の機材といえます。
最新のデジタル一眼カメラやスマホは高感度性能が上がり、手持ちで高感度撮影をしてもそれなりに写ります。
しかし、同じカメラを使っても低感度でスローシャッター撮影した方が綺麗に写ることが多いです。
また光の軌跡や明合成など、三脚を使うことで表現の幅が広がることは間違いないといえます。
トラックのイベントでナイトシーンを撮影する際にも三脚はあった方が良いです。
通常の夜景と同様に手持ち+高感度撮影でもそれなりに写るのですが、電飾が写りきらなかったり、ノイズが多い写真となってしまいます。
ただ、三脚を使って撮影する際は時間に注意したいです。
トラックイベントでのナイトシーンは車両が帰宅し始める為、ゆっくり落ち着いて撮影することは出来ません。
「限られた時間の中でどれだけ撮影できるか」が勝負となります。
限られた時間の中で撮影する場合、三脚の操作性は重要といえます。
三脚を操作して構図を決める際にやたら時間がかかると、時間単位で撮影できる枚数が少なくなります。
トラックイベント時のナイトシーン撮影は三脚の操作性がカギとなるといえるのです。
PHD-63Qという選択
PHD-63QはVelbonが発売する雲台です。
雲台とは三脚の首から上の部分で、上下(チルト)、左右(パン)、回転(ロール)を操作します。
ナイトシーン撮影では移動しながらの撮影となります。
撮影の度に雲台を操作して構図を決めることになりますので、雲台の操作性は撮影枚数の違いとなって現れます。
雲台の操作性を考えた場合、PHD-63Qはかなり良い製品であると考えます。
その理由について挙げてみましょう。
QRA-35Lシリーズプレートが使える
PHD-63Qはクイックシュー一体型の雲台です。
クイックシューはカメラと三脚の脱着を素早く行う道具です。
トラックのイベントでは、三脚を移動させながら撮影することとなります。
この時、小さなカメラやスマホなら三脚に固定したまま移動してもそれほど危険はありません。
ただ、ある程度重量があるデジタル一眼カメラの場合、移動時にはカメラを三脚から外した方が良いといえます。
これは、人や物に当てたり、落下の危険性があるためです。
カメラを三脚から外すということは、移動する度にカメラと三脚の脱着を繰り返すわけですから、三脚ネジを毎回締めていてはその時間が勿体ないといえます。
こういった場合、クイックシューがあることにより脱着時間が大幅に短縮できます。
シューベースが雲台と一体になっている為、ベースのゆるみを心配しなくて良いという点も評価できます。
2WAYなので上下、左右の操作がしやすい
市販されている多くの雲台は3WAY雲台です。
3WAY雲台は上下、左右、回転の操作をそれぞれ独立したハンドルやツマミ、ノブで行います。
ですから上下左右を一度に動かそうとすると、上下のハンドルと左右のツマミ(ノブ)を操作する必要があります。
これに対しPHD-63Qで採用している2WAY雲台は、上下左右の操作を一つのハンドルで行うことが出来ます。
撮影時間が短く、構図を素早く決めたい場合は操作が簡単な方が良いです。
特にナイトシーン時は手探りでの撮影となる事があるため、操作部位は大きく、且つ数が少ない方が迷いがありません。
一つのハンドルで上下左右の操作が出来るというのは最大の利点でもあるのです。
縦構図で撮影できる貴重な2WAY雲台
2WAY雲台という括りで製品を探すと多く出回っているのが上下と左右を別々のハンドルやツマミ、ノブで行う製品です。
回転方向の操作は行えません。
では、縦構図の場合どうするかというと、L型アングル等を用いて撮影するというものです。
これでは3WAY雲台から縦構図を省いただけになります。
PHD-63Qは上下左右を1WAYとし、回転方向(ロール)を1WAYとしています。
ですから縦構図と横構図の選択が独立して行えるのです。
こういった雲台は非常に少ないため貴重な製品といえます。
数多くある雲台の中でもかなり尖った仕様であることは間違いありません。
使えば分かるその操作性
トラックのナイトシーン撮影は少々特殊な状況といえます。
・三脚を立ててスローシャッター撮影を行う
・移動して撮影するためカメラと三脚は分離させたい
・闇夜で雲台の3WAY操作はもたつく
こういった悩みを解決してくれるのがPHD-63Qという製品です。
操作性は快適そのもので、一度使ってしまうと3WAY雲台には戻れません。
ナイトシーン撮影の最適機材のひとつと考えます。
ただ、残念ながらメーカーは製造を止めてしまっているようで後継製品もありません。
探すとしたら中古市場でしょう。
クイックシューのシステムも含めてこの機会に導入するのも良いかもしれません。
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