サボタージュ・マニュアル「組織を破壊するスパイ」企業や官僚制度が抱える問題の本質が驚くほどわかる本

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サボタージュ・マニュアルとは?

第一次世界大戦以降、他国に対する諜報活動情報戦が重要視されるようになりました。

そういった環境の中、アメリカ軍ではアメリカ軍戦略情報局(OSS)が組織され、いわゆるスパイ活動が行われてきました。

サボタージュ・マニュアルは、OSSがその活動の一環として作成した「一般市民向けレジスタンス活動マニュアル」のひとつです。

その内容は”一般人が行うちょっとした抵抗、レジスタンス活動”のやり方が書かれています。

 

レジスタンスと聞くと、武器道具を用いた敵基地、重要施設への破壊活動を想像してしまいがちですが、そういったものだけではありません。

本書では、タイヤに切り込みを入れる燃料タンクに穴をあけるボヤを起こす電気回路をショートさせる口論を始める・・・。

こういった日常的に起こりがちなちょっとした揉め事でも、数を増やすことによって相手国の国力を落とせる事を示唆しています。

更に、本マニュアルでは物理的なレジスタンス活動以外に「組織や生産に関する妨害」というものも書かれています。

 

「組織や生産に関する妨害」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、働くうえで心当たりがあるような内容ばかりです。

サボタージュ・マニュアルに書かれていることは、日本の職場、企業、官僚制度など抱える問題が如実に表れているといえるかもしれません。

  




サボタージュ・マニュアルにおける「組織や生産に関する妨害」とは

皆さんの勤務先に居ませんか?

「関わると仕事がうまくいかないんだよな~」

という人。

そういった人達は暗にレジスタンス活動スパイ活動を行っているのかもしれません。

 

アメリカ軍が相手国の力を落とすように、企業、組織に対してレジスタンス活動、スパイ活動を行って力(生産性)を削いでいるのです。

大げさではありません。

それは日々のちょっとした行動による組織破壊

「なんとなくですが・・・」というアナタの感覚は正しいかもしれません。

サボタージュ・マニュアルに書かれているサボタージュ推進項目(レジスタンス活動)を見ると、驚くほど「なんとなく」に合致することが分かります。

アメリカ軍戦略情報局(OSS)スパイマニュアル

気になったものを紹介しましょう。

 

 

 

決められた手順にこだわれ!

何事をするにも「決められた手順」を踏んでしなければならないと主張せよ。

迅速な決断をするための簡略した手続きを認めるな。

組織が大きくなると物事の進め方に一定のルールが出来ますね。

そういったものは”マニュアル””手順書”といったもので共有されることが多いです。

手順書があれば違う部署の人達と仕事をしても、進め方に迷うことが無くて便利!

とはいえ、仕事は生モノなのでマニュアル通りに行かないことがあります。

業務によっては、マニュアルから逸脱している方が多い場合もありますね。

そういった時は、マニュアルに頼らない臨機応変な対応が必要となります。

 

サボタージュ・マニュアルでは何事においても決められた手順を守ることにこだわるよう指示しています。

アナタの職場にも居ませんか?

「決められた手順じゃない!マニュアル通りじゃないので動きません!」って人。

業務を行ううえで支障となります。

なにせ、そこで動きが止まるわけですから。

お腹爆発寸前の状態でコンビニに寄って、

「トイレ貸してください」と言った時に、

店員が「ウチは規則なので貸せません」なんてマニュアル通りの対応をしたら、場合によってはその場でブチ撒けるかもしれません。

 

手順書、マニュアルは重要ですが、臨機応変な対応はもっと重要です。

マニュアルはあくまで目的達成のための手段であって、マニュアル自体が目的ではないのです。

緊急事態にも関わらず「決められた手順が・・・」なんて言う人はスパイかもしれませんね。

 

とにかく話は長くしろ!

「演説」せよ。

できるだけ繁雑に、延々と話せ。

長い逸話や個人的な経験を持ち出して、自分の「論点」を説明せよ。

業務を行ううえで、意思決定する情報は迅速に伝えた方が良いです。

まずは「結論」を伝えるというのも効果的ですね。

結論に至るまでの過程は、後付けでもそれなりに通じたりします。

  




サボタージュ・マニュアルでは話を長く煩雑にすることを推奨しています。

長い逸話個人的な経験自分の論点など用いるのも効果的であると示唆しています。

これは話を長くすることによって、個々の生産性対話者の時間などを奪い全体的に業務を遅らせる効果が見込まれます。

もし、大勢の前で演説発表する機会があるのなら、話をできるだけ長く煩雑にするのが効果的です。

その場に100人いたなら、100人分の時間を搾取できます。

たとえ10分話を延ばしただけでも、組織に対しては1,000分の時間を無駄にさせたわけですから、生産性の低下に寄与できます。

 

祭事で話の長い政治家校長先生同じことを3回は喋る上司なんかはスパイかもしれませんね。

 

調査と検討を外部に委ねよ!

可能なところは「さらなる調査と検討」のために全ての事柄を委員会にゆだねろ。

委員会は出来るだけ大人数とせよ(5人以上推奨)。

業務を行う上で意思決定の早さは重要です。

決断を迫られた時に「持ち帰ります」というのは「できません」と言っているようなものです。

この仕事だけではなく、間違いなく次の仕事もないでしょう。

現在、急成長している企業の多くは意思決定が早いです。

世の中の流れに敏感に反応し、素早く意思決定することにより、世間に順応できているといえます。

いつの時代も意思決定の早さというのはとても重要であるといえます。

 

サボタージュ・マニュアルでは意思決定を遅延させることを推奨しています。

具体的には、可能な限り再調査と検討を薦め、その決定を委員会(外部)へ委ねさせるというものです。

委員会は5人以上を推奨しているのは調査、検討に関わる人が多ければ多いほど結論が遅れるためです。

「業務の先延ばし」をする事により意思決定を遅らせ、組織の力を衰退させるのです。

アナタの周りにも居ませんか?

「検討」を重ねる人。

「次回の会議で決めよう」と先延ばしする人。

そんな人はもしかしたらスパイかもしれません。

 

 

頻繁に無関係な問題を持ち出せ!

出来るだけ頻繁に無関係な話題を持ち出せ。

会話というのは流れが重要です。

組織における情報伝達も同様で、円滑に情報を伝えることは業務の推進には欠かせません。

逆に情報が伝わらない組織というのは、衰退しやすいといえるでしょう。

 

サボタージュ・マニュアルでは頻繁に無関係な話題を持ち出して会話を遅延させることを推奨しています。

業務の話をしている途中に、飲み会の話を持ち出すと重要な部分で途切れることもあるでしょう。

場合によってはもう一度ゼロから説明し直したり、業務に関する重要なことが決まらない事もあります。

ですから、無関係な話を持ち出すというのは業務推進を妨げ、組織の力を落とす事になるのです。

 

アナタの周りにも居ませんか?

唐突に話が飛ぶ人。

本来なら5分で終わる報告が、なぜか30分かかる人。

そんな人はスパイかもしれませんね。

 

議事録の細かい言い回しにこだわれ!

通信、議事録、決議の細かい言い回しをめぐって議論せよ。

「A=B」「AとBは等しい」「AとBは同じ」など、意味は同じであっても違う表現をすることは多々あります。

重要なのは大雑把であっても手指を伝えることで、細かい「てにをは」などは多少間違っていても通じたりします。

ですから、こういった言い回しについて指摘するのは時間の無駄です。

サボタージュ・マニュアルでは通信、議事録、議決などの言い回しをめぐって議論することを推奨しています。

通信、議事録、議決などはその内容が重要であり、言い回しはさほど重要ではありません。

 

さほど重要ではない部分に時間や資源をさくことによって、組織全体への負荷を増やそうというものです。

例えば、議事録を修正するとなれば、パソコンを使用しての修正印刷メール送信などいくつかの作業が発生します。

意味のない修正にこういった作業の時間を取られるわけですから、その間は他の仕事が出来なくなります。 

 

てにをはなどの言い回し和暦と西暦全角と半角句読点のミスなどはさほど重要ではありません。

こういった、さほど重要ではない部分を指摘する人はスパイかもしれませんね。

 

会議で決められたことを再び持ち出せ!

以前の会議で議決されたことを再び持ち出し、その妥当性をめぐっる議論を再開せよ。

会議ミーティングというものは、基本的に人が集まって取り決め(議決)をするものです。

会議では問題が定義され、それに対して出席者から様々な意見が出ます。

意見は集約され、会議内で意思決定されたり方向性が決められたりします。

当然、その場で決まらないこともありますが、基本的に決められたことは実行してみるというのが大きな流れとなります。

 

サボタージュ・マニュアルでは以前の会議で決まったことを持ち出して議論することを推奨しています。

会議には多くの人が出席するため、組織としては大きな人的コストが発生しています。

そういった中、一度取り決めしたことを再度持ち出して議論するというのは人的、時間的損失が大きいです。

「前の会議で決めたことはおかしい!」と言ったり、「こんな取り決め(議決)は聞いていない!」などと言って話を差し戻す人はスパイかもしれませんね。

 

文面による指示を要求せよ!

文面による指示を要求せよ。

業務を行う中で文書での指示口頭での指示両方あると思います。

文書での指示記録が残りますが、迅速性柔軟性に欠けます。

口頭での指示迅速柔軟ですが、聞き間違い感覚違いなどの危険性があります。

これらは、その場その場での使い分けが重要となってきます。

サボタージュ・マニュアルでは文書による指示の要求を推奨しています。

口頭で指示を受けた場合でも、文書による指示を求めるという事ですね。

 

文書による指示は、指示書の作成による時間的ロス、作成コストが掛かってきます。

口頭で済むものまで文書で指示していたら、組織への負担は大きくなるでしょう。

 

何に関しても書面で回答を求める人、電話した内容と同じ文言を「Eメールで送っておいて!」という人はスパイかもしれませんね。

 

 

在庫が底をつくまで発注するな!

作業に利用しているものの在庫が底をつくまで補充をするな。

そうすれば、補充されるまでの少しの間が生じるので、作業が中断されることになるだろう。

仕事をしていると在庫の管理、予測というものが重要となってきます。

「84円切手が無くなりそうだからそろそろ注文しておこうか」とか、

「目的地まで300kmあるから、ここで燃料入れておこうか」といったものですね。

在庫が無くなるまで発注しないと、業務に支障が出ます。

切手が無くなれば郵便物が出せませんし、燃料が無くなれば車は走れません。

 

サボタージュ・マニュアルでは在庫が底をつくまで補充しないことを推奨しています。

切手なら使い切るまで発注せず、燃料ならガス欠になるまで入れないという事です。

これは作業が止まるだけでなく、余分な作業が発生する危険性もはらんでいます。

日常的に使う事務用品や業務に使う部材の在庫管理ができない人、車のガス欠をさせるような人はスパイかもしれませんね。

 

重要でない仕事からかかれ!

作業手順を決める時は、常に重要ではない仕事から取りかかるように指示せよ。

重要な仕事は、品質の悪い機械を使っている非効率な作業者に割り当てるようにとりはからえ。

仕事というのは様々な作業から成り立ちます。

多くの場合、作業には優先順位があり、特に時間が足りない場合は優先順位が重要となります。

 

例えば、小さな喫茶店を思い浮かべてください。

お昼時でお客さんが沢山来店したとします。

店内は大忙しで、注文は受けたけど提供が間に合いません。

そんな時、どこに注力すべきでしょうか?

ホール? 厨房? 皿洗い?

この場合は「厨房で料理を作る」が正解になると思います。

 

サボタージュ・マニュアルでは重要でない仕事から取りかかることを推奨しています。

例の場合ですと、ホールで注文を待ったり、皿洗いをやるという事ですね。

こんなことをしていると、料理の提供が遅れてお客さんは怒って帰ってしまうでしょう。

サボタージュ・マニュアル目論見通りになるという事です。

 

来客しているのにパソコンに夢中なオジサンや、年末年始の社内大掃除になると突然張り切り出すような人はスパイかもしれませんね。

  




あまり重要でないものに完璧さを求めよ!

あまり重要でない生産品に完璧さを求めよ。

ごく些細な不備についても修正するために送り返せ。

普通見ただけでは見つけられないような不備を持つ不良品は合格とせよ。

仕事の成果物には様々なものがあります。

家電製品ならその性能、

運送なら時間どおり安全に届ける、

書面なら内容の正確性や見やすさなどですね。 

 

こういった成果物には重要な部分と、あまり重要でない部分があります。

 

サボタージュ・マニュアルではあまり重要でない生産品に完璧さを求めることを推奨しています。

 

例えば、書面の作成なら情報と関係がない装飾部分はさほど重要ではないです。

運送に関しても、どの道順で行こうがどこで昼食を取ろうが、時間通り目的地に着けば問題ないはずです。

重要な仕事を完璧にして組織の価値を上げるのではなく、あまり重要ではない仕事に完璧さを求めて組織の体力を下げるという事ですね。 

「Excelで作成した表の罫線のバランスが悪い」など、他人の仕事に対して重箱の隅をつつくような指摘をする人はスパイかもしれませんね。

他にもあるサボタージュ活動

ここまでお話ししたものはほんの一部です。

他にも組織を内部から破壊するのに効果的とされるサボタージュ活動はいくつもあります。

重要な仕事をする時は会議を開け

指示、小切手などの発行に必要な手続きの認可を増やせ。 一人でも十分なことに、三人を認可をしなければならないように取りはからえ。

・もっともらしくペーパーワークを増大させよ。

・誤解を招きやすい指示を出せ。意思統一のために長時間議論せよ。さらに出来る限り不備を指摘せよ。

・高性能の道具を要求せよ。道具が悪ければ良い結果が得られないと警告せよ。

・通達書類の発行や支払いなどに関係する決済手続きを多重化せよ。すべての決裁者が承認するまで、仕事を進めるな。

  ・

  ・

  ・

<サボタージュ・マニュアルより引用>

これらはどこの組織でもありそうな問題です。

第二次世界大戦中にアメリカ軍が作成したマニュアルが、現代の組織の崩壊にも有効であるという事です。

  

身近なところにもスパイはいる!

今回紹介したのはサボタージュ・マニュアルに記載されている組織破壊活動の一部です。

紹介した分だけであっても、覚えがあるのではないでしょうか?

アナタの身近にスパイはいるかも知れませんね。

 

 

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