15mm F4 Wide Angle Macro with Shift
15mm F4 Wide Angle Macro with ShiftはLAOWAブランドで発売されている超広角マクロレンズです。
LAOWAというとちょっと聞きなれない名前だと思いますが、製造元は中国のVenus Optics(安徽長庚光学)で、日本では株式会社サイトロンジャパンが代理店となっています。
中華レンズというと「安かろう」「悪かろう」とイメージが付きまといますが、思っているほど悪いものではありません。
とはいえ、作り込むところはしっかり作り、手を抜くところは抜いているというON/OFFのはっきりした製品だと感じます。
実際に使ってみて気になる点をアレコレ挙げてみましょう。
超広角マクロという尖った仕様
15mm F4 Wide Angle Macro with Shiftの焦点距離は15mmですので、一般的に超広角と呼ばれる分類になります。
15mmというと超広角の中ではそれほど際立った焦点距離ではありませんが、最大の特徴は最短撮影距離にあります。
多くの超広角レンズでは最短撮影距離が30cm前後であるのに対し、このレンズは12cmまで寄ることが出来ます。
この限りなく短い最短撮影距離が1:1のマクロ撮影を可能としているのです。
マクロ撮影の出来るレンズの多くは標準~中望遠程度の焦点距離が多いです。
超広角でマクロ撮影が出来るレンズはほとんどありません。
使用用途は限られますが、かゆい所に手が届く尖った仕様のレンズであると感じます。
フランジバックの深いマウントは要注意
15mm F4 Wide Angle Macro with Shiftは以下のマウントに対応しています。
ソニーEマウント
ソニーAマウント
ニコンFマウント
キャノンEFマウント
ペンタックスKマウント
このうちデジタル一眼カメラはフランジバックが深いため最短撮影距離まで寄ることが出来ない可能性があります。
※フランジバック:マウント面から撮像面までの距離
最も深いニコンFマウントのフランジバックは46.5mm。
このレンズのマウント面からフィルター枠面までが約68mmですので、最短撮影距離まで5.5mmぐらいしかありません。
レンズ保護のためにフィルターを取付けると、最短撮影距離まで寄り切れない可能性は出てくると思います。
とはいえ、限界ギリギリまで寄ることは出来ますのでマクロレンズとしての性能は充分でしょう。
被写体に寄り過ぎてレンズを当てないように注意したいです。
マウントが硬い
多くの中華レンズに共通するのですが、15mm F4 Wide Angle Macro with Shiftもマウントが硬いです。
あまりの硬さに「溝を間違ったか?」と不安になるほどです。
レンズの装着はマウントの溝にはめ込んで、レンズを回転させるのですが、ロックが掛かる手前が最も硬いです。
外す時も同様。
これはいけません。
メーカーや個体差はあるかもしれませんが、純正レンズのような脱着を期待していると、実物を触った時の落胆が大きいです。
また、マウントに記載してあるレンズ脱着指標が異常に小さいため、起点が分かりづらいのもマイナス点です。
おもちゃのようなレンズフード
15mm F4 Wide Angle Macro with Shiftに付属するレンズフードは、手抜き感でいっぱいです。
まず、曲がっていて溝に合わない。
個体差かもしれませんが、レンズがしっかりしている分レンズフードの貧弱さが目立ちます。
そのわりにフード取付用の溝が狭いためうまく合致しません。
溝に入ったあとも、硬いため無理に回転させようとするとレンズフードを割ってしまいそうです。
また、レンズキャップより径が小さいためかレンズキャップをした状態ですと脱着ができません。
これは予想外。
レンズキャップが大きいのか、レンズフードの穴が小さいのかは分かりません。
フードだけ外したいと思ってもレンズキャップごと外れます。
マクロレンズとして使う場合レンズフードは邪魔になる事が多いので、使いにくいレンズフードは外したままにすることが多くなりそうです。
レンズキャップはよく滑る
付属するレンズキャップもコストカットの様がみられます。
レンズフードとのおさまりでも取り上げましたが、レンズのフィルター枠より一回り大きいため「取って付けた感」が盛大に感じられます。
レンズキャップのツマミ部分は滑り止め処理がされていないうえ、内側にも切り込んでいません。
このためレンズキャップを外そうとツマミに力を入れるとよく滑ります。
厚手の手袋などをしているとレンズキャップは外せないかもしれません。
ツマミのスプリングも剥き出しですし、バリも残っていて中華感を感じる一品です。
割り切って使うレンズ
中華レンズに国産メーカーレンズのような満足感を求めてはいけません。
15mm超広角でマクロ撮影が出来るのは他にない仕様です。
レンズフードが使い物にならないとか、レンズキャップが滑るとか、説明書が読めないとか、箱が凹んでいるとか・・・日本製品ではあまり無いことですが、それは置いておきましょう。
焦点距離と最短撮影距離の組み合わせはこのレンズしか無いのです。
そのあたりは割り切って使いましょう。
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