デジタルカメラで星を撮影しようとしたら真っ暗な空だけ写った。
これって失敗?・・・だよね。
星空撮影の成功は環境で9割が決まる
星空撮影の成功は環境で9割が決まります。
星を撮影するために重要なのは・・・
高性能なカメラでもなく、
高価なレンズでもなく、
iPhone15でもなく、
いつ、どこで、どのような”環境”で撮影するかという事です。
あとの1割がどのような機材で撮影するかです。
撮影のための環境は整いましたか?
では、実際に撮影してみましょう。
今回はデジタル一眼カメラにターゲットを絞り、撮影機材の選別から撮影方法までを紹介します。
撮りたいものを決める
どんな撮影においてもそうですが、撮りたい写真を決めるのが重要です。
撮りたいものも決めずに適当に撮っていては、自身が希望している写真には仕上がりません。
ですから目標を決めるのは重要なのです。
<撮影例>
例としてこのような写真を撮りたいとしましょう。
まずは、「星を撮る」という事で、星空だけの写真です。
この写真を目標にした時、どういったものが必要でどういった撮影方法が適しているか解説します。
撮影に必要な物
撮影に必要な物、あったらいい物としては以下のような物があります。
必要デジタル一眼カメラ 必要レンズ 必要三脚 必要ケーブルレリーズ あったらいい懐中電灯
それぞれ見ていきましょう。
デジタル一眼カメラ
デジタル一眼カメラといってもピンキリです。
星空の撮影に関しては、大きく引き伸ばさない限り、2,000万画素もあれば十分です。
また、ミラーレス一眼と一眼レフがありますがどちらでも問題ありません。
ただ、一眼レフカメラはシャッターを押した際、高速でミラーが跳ね上がりますのでミラーショックでブレが起こります。
ですからミラーショックの無いミラーレス一眼カメラの方が、星がブレる確率は減ります。
一眼レフカメラでもミラーアップ機能(あらかじめミラーを上げておく機能)がある場合は、そういったものを活用するとブレ防止に役立ちます。
とはいえ、星空だけの為にわざわざ機材を買い足す必要はありません。
今持っているデジタル一眼カメラで、まずは撮影をしてみましょう。
レンズ
交換レンズは出来る限り明るい物(開放f値が小さい物)を使用してください。
星空撮影として使えるのはf2.8ぐらいまでと考えます。
これは、カメラボディの高感度性能によって変わってきますが、基本的に開放f値が小さいほど沢山の星が写ります。
レンズはズームレンズでも問題ありませんが、できれば単焦点レンズの方が良いです。
ズームレンズの場合、ズーム機構の動作によるブレが発生する場合があります。
この問題に関しては、ズームリングを養生テープ等で固定することで防げますので、「何が何でも単焦点レンズでなくてはならない!」というわけではありません。
三脚
星空撮影に三脚は必須です。
また、三脚は通常より重い方が良いです。
通常なら、
カメラ等雲台に乗る機材の重量 < 三脚の重量
ですので、機材の重量が合計1kgの場合、三脚は1kgを超えていればKOといえます。
ただ、星空は長時間露出を行いますので、三脚は通常より重いものを選択してください。
個人的には、
カメラ等雲台に乗る機材の重量×2 < 三脚の重量
ぐらいで考えています。
これも目安ですので絶対ではありません。
重い三脚を持っていない人は「ストーンバック」等で、重さを稼いでも良いです。
まずは、今持っている三脚で試してみましょう。
ケーブルレリーズ
ケーブルレリーズはカメラからケーブルを伸ばし、シャッターボタンを操作する機器です。
星空撮影はわずかな揺れが写りに影響する世界です。
ですから、シャッターボタンを押すという操作をするだけで、カメラに力が伝わりブレを発生させます。
これを防止してくれるのがケーブルレリーズ。
ケーブルレリーズを使うことにより、シャッターを切る際のブレが防げます。
星空撮影には必須といえますが、セルフタイマー機能で代用することも可能です。
懐中電灯
星空を撮影する際は、真っ暗な中で行動することになります。
手探りでもカメラを操作できるなら良いのですが、これが案外難しいのです。
ですから、懐中電灯は有った方が良いです。
大きなものは不要。
ペン型のLEDライトでかまいません。
ストラップで首からぶら下げておくと便利です。
撮影の方法
機材が準備出来たら、実際に撮影です。
大前提として、「撮影の環境が整っている」ことを再確認してください。
「撮影しに行ったけど月が邪魔でした」では何の意味もありません。
環境が第一なのです。
では準備から撮影までの注意点を追って行きましょう。
三脚の設置
三脚は安定した場所に設置しましょう。
どれだけ高性能な機材でも、土台が揺れてしまえば力を発揮できません。
具体的には、幹線道路の近く、線路の近く、建物の屋上、バルコニー、橋の上、車の上、船の上、芝生など僅かでも揺れる場所は避けてください。
街の灯りがない場所で撮る
撮影は街の灯りが無い場所で行います。
街灯や建物の近く、車や電車の光など、とにかく人工の灯りが無い場所です。
カメラのレンズが光の方向に向いていないからといって油断してはいけません。
カメラの背面に街灯があるだけで、星空撮影の障害になります。
カメラのボディと三脚の固定はしっかりと
カメラのボディと三脚の固定はしっかりと行ってください。
これがゆるいと、ブレの原因となります。
また、クイックシューやカメラスライダーなど、グラつきの原因となるものも使用しない方が良いです。
三脚の重量にもよりますが、縦構図もあまりお勧めできません。
軽い三脚で縦構図撮影するとバランスが悪くなり、風の影響を受けやすかったり、こける可能性もあります。
ピントはマニュアルで合わせる
ピントは基本的にマニュアルで合わせます。
ほとんどの一眼カメラはオートフォーカスで星にピントを合わせることが出来ません。
ですから、マニュアルフォーカスの練習もしておいた方が良いです。
実際に暗闇の中で星にピントを合わせる方法としてはライブビュー機能を使います。
実際の操作手順は以下のとおりです。
カメラやレンズを操作してピント操作をマニュアルフォーカス(M)にします。
明るめの星(目印)を探し、大まかでいいのでレンズをその方向に向けます。
ライブビュー画面を立ち上げ、先ほど目印にした星を探します。
目印の星を見つけたら、その星を最大限に拡大表示してください。
レンズのピントリングをまわして、ピントを合わせます(星が点のように映ったらピントが合っている状態)。
ライブビュー画面を閉じます。
これでピントを合わせる作業は終了です。
慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、こればかりは練習あるのみです。
シャッター操作はケーブルレリーズを使う
シャッター操作はケーブルレリーズを使います。
くれぐれもボディのシャッターボタンを押さないようにしてください。
ケーブルレリーズが無い場合、セルフタイマーを使うのも一つの方法です。
とにかくシャッターが開いてから閉じるまでカメラや三脚には一切触れないようにしてください。
露出の基本
露出の基本は以下のとおりです。
シャッター速度8秒
絞り(f値)2.8
ISO感度1600
まずはこれを目安に撮影してみてください。
明るすぎるなら、シャッター速度を速くしたり、絞りの値を大きくしたり、ISO感度を小さくしたりして調整してください。
暗すぎると思うなら、逆の操作です。
レンズの焦点距離にもよりますが、24mmレンズの場合、シャッター速度が15秒より遅くなると、星が動きます。
これは地球の自転が影響しているものですので、三脚を立てて通常撮影する限りどうしようもありません。
ですから、撮影したものを等倍で確認し、星が横長になっていたらシャッター速度が遅すぎるという事です。
星空撮影は終わりのない探求
星空の撮影は凝り出すとキリがありません。
天の川を綺麗に写したい。
星を線状に写したい。
何か他の被写体と一緒に写したい。
望遠鏡で特定の天体を写したい。
タイムプラスで動く様子を動画にしてみたい。
目的によって必要な環境も、撮影機材も変わってきます。
まずは、普通に写してみましょう。
そして何か新しいことを思いついたら積極的に挑戦です。
これほど環境に左右され、奥が深い被写体は他にありませんから。
コメント
カメラ初心者が NikonZ8 を購入しました
星景の説明でMモードにしてバルブ表示にする
メインのコマンドダイヤルを回してもなりません youtubuの動画の人に質問したのですがほか
の設定がじゃまをしているのではという回答でした
他の設定が邪魔をしているでは ・・・他の設定???? 解決に至っていません
いろいろいじってみたのですが シャッタースピードのところがブルブと表示になりませ
ん・・・タイムにもなりません 教えてください よろしくお願いしたします
こんにちは、
Z8にZマウントレンズが付いていることを基本に分かる範囲でお答えします。
MモードBulbにするには・・・
・動画/静止画セレクターを静止画にする
・MODEボタンを押したまま、メインコマンドダイヤルを回転させて撮影モードをMにする
・MODEボタンから指を離し、メインコマンドダイヤルを回転させてシャッター速度を遅い方へ回転させる
といった手順になるかと思います。
なお、カスタムメニューf4やg3で[シャッタースピードのロック]をONにした状態ですとシャッタースピードは変更できません。