アルカスイス規格 クイックシュー 「プロ機材のイロハ」

撮影機材レビュー
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アルカスイスとは?

カメラと三脚の脱着を素早く行える便利な道具であるクイックシュー。

このクイックシューを語るうえで外せないのが”アルカスイス”という言葉です。

耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか?

「アルカスイスって何?」って話なのですが、簡単にいうとクイックシューの規格のようなものです。

かなり説明があいまいですが「アルカスイス規格」というものが存在するわけではありません。

 

多くの会社がこの形状に合致するような製品を作っているというだけです。

アルカスイスや、アルカスイス規格アルカスイス互換など呼び名は様々ですが、だいたい同じようなものと思ってください。

 



 

簡単で堅牢な構造

アルカスイスの利点は簡単で堅牢な構造にあります。

基本的な部品形態は他のクイックシューと同じで、プレートと呼ばれる部品をカメラ側に、クランプと呼ばれる部品を三脚側に固定します。

それぞれに溝が整形されており、プレートのアリガタをクランプのアリ溝にはめ込む(滑り込ませる)ことによって合致させます。

溝にしっかり入ったらクランプのレバーやネジを絞めることによってしっかり固定されます。

<アルカスイスの基本構造>

溝に合わせて挟み込むという簡単な構造であるため、他のクイックシューに比べて不具合や故障も少ないといえます。

また、将来に渡ってガタが出にくいというのも利点の一つといえます。

 

多くのメーカーが参入している

アルカスイスの製品には多くのメーカーが参入しています。

Amazonや楽天で「アルカスイス」と検索すると、様々なメーカーから多くの製品が発売されているのが分かると思います。

<クランプはWimbeley社、プレートはSanwayPhoto社>

製品の選択肢は多く、ハイアマチュアからプロユースまで様々な要望に応えているといえます。

メーカー間の互換性も柔軟でありプレートやクランプの買い足しも容易なのが利点でもあります。

多くのメーカーが様々な製品を出し、熟成させたクイックシューといえるでしょう。

 

ですから、選択肢は非常に多いです。

同等規格ですのでメーカーが違っても概ね使えると思ってください。

 

撮影機材に合わせていろいろ選べる

アルカスイスは他のクイックシューに比べて種類や構成が豊富です。

クランプ単体でも多くの製品が出ておりますし、雲台と一体になった製品もあります。

小型の製品なら数千円でクランプとプレートのセットが手に入るので、導入の障壁も低いと考えます。

 

またプレートに関してはほぼ板状の汎用品から、カメラに合わせて専用設計されたもの、レンズの三脚座と交換するものなどが製品化されています。

撮影機材専用設計の製品を使うことにより、ブレの低減操作性の向上が期待できますので、製品を選ぶ際はこういった点を考慮するよ良いです。 

   

製品の整合性には注意

アルカスイスは簡単な構造であるために多くのメーカーが参入しています。

ただ、中には粗悪な製品も存在します。

 

溝が合わない合いにくいというものは論外ですが、しっかりネジを閉めたつもりでもプレートがスライドしてしまうという製品はたまにあります。

特に縦構図で撮影する場合はアリ溝と同じ方向に力がかかるので注意してください。

これは同一メーカーの製品同士でも発生することがあります。

購入したら実際に機材を固定して確認しておくと良いでしょう。

あとメーカー独自でクランプに落下防止用のピンが備わっているものもあります。

こういった製品はピンが邪魔になる事があるため、他社製品が使えないことがあります。

組合せを自由にするためには選択しない方が無難といえます。

 

また、アルカスイスを謳っている製品のなかで素材がプラスチックのものがありますがお勧めできません。

摩耗経年劣化の心配がありますので、アルミ削り出しなど金属製の製品を選んでください。

 

設置面に緩衝材の無いプレートを選ぼう

プレートの中にはカメラの設置面ゴムコルクが貼ってある製品がありますが、あまりお勧めできません。

こういったものが貼ってあるとブレの原因になるからです。

いくらプレートとクランプがしっかりかみ合っていても、カメラの取り付け部分にゴムやコルクがあれば微細な振動を拾います。

ですから、極力ゴムやコルクが貼ってある製品は避けましょう。

個人的にお勧めするのはカメラ専用設計のL型プレートです。

<L型プレートの例>

専用設計であるためボディ底面にフィットします。

汎用の製品に比べて少々お高いのですが、ここは出し惜しみしてはいけない部分です。

 

六角レンチ忘れちゃだめよ

カメラとプレートは1/4インチカメラネジで固定します。

このカメラネジの多くは、回転させるために六角レンチを使用します。

ですから、撮影時は六角レンチを携帯するようにして下さい。

自宅でプレートを固定し、撮影先でネジのゆるみが発覚した際、六角レンチが無いと固定できない場合があります。

<カメラネジは六角レンチで固定するものが多い>

一応マイナスドライバーの溝も掘ってあり、100円玉等を使えば回せるかもしれません。

しかし、製品によってはプレート形状の影響でコインが入らない事もあります。

六角レンチは100円ショップなどにも売っていますので、常にカメラバッグに入れておくと良いです。

 

思ったほどクイックじゃない事も

アルカスイスのクイックシューは便利なのですが、脱着の素早さでいうと他のクイックシューに劣りやすいです。

特に闇夜で「プレートのアリガタをクランプのアリ溝にはめ込む」というのは、少々コツがいります。

溝に入ったようでも実際は外れていたというのはよくあること。

「何度も脱着を繰り返すなら三脚ネジで止めた方が早いのでは?」と思うこともしばしば。

ですから、慣れるまでは素早さに期待してはいけません。

 

しっかり固定できることは確かなのですが、快適に使うためには事前に練習をしておきましょう。

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