トラックのナイトシーン
トラックイベント等でナイトシーンを撮影した時に、トラックによって写りが違うことに気が付きませんか?
同じように撮影していても明るさに違いが出ます。
御承知のようにトラックのナイトシーンは、夕方から夜にかけて行われます。
暗い時間帯ですので、明かりはほぼトラックの電飾のみという状態になります。
この状態が昼間の撮影に無い露出の不具合を招きます。
トラックに限らず夜景や夕景、人工照明下の撮影ではカメラのAE(自動露出)を使っても上手く露出が合わないことがあります。
これは、一つの構図に明るさが極端に違う部分がいくつもあるためで、こういった場合はマニュアルでの露出設定が有効となるのです。
露出はどこに合わせるか?
一つの構図に明るさが極端に違う部分がいくつもあると「どこに露出を合わせるか?」という問題が出てきます。
これはAEを使おうがマニュアルで露出を合わせようが関係ありません。
トラックのナイトシーンでいうなら電飾に合わせるか、キャビンに合わせるかで見栄えは大きく変わります。
写真撮影の置いて、構図内全てに露出を合わせることは出来ません。
1カットにつき露出は1つであるため、どこかに基準を持ってくる必要があるのです。
これはある意味ナイトシーン撮影の永遠のテーマとも言えます。
また、個人の好みが大きく反映される部分でもあります。
スチル写真が苦手とするナイトシーンの特徴
トラックのナイトシーンはひとつの構図で明るさが極端に違う被写体であり、露出に個人の好みが大きく反映される被写体でもあります。
更にトラックの飾り方によっては、写りが良いトラックと、写りがイマイチなトラックがあります。
同じように撮影していても、電飾の明るさ等によって、こういった差というものは発生するのです。
では、どういったトラックが写真写りが良いのでしょうか?
これはスチル写真が苦手としているトラックを挙げれば必然的に絞られていきます。
ということで、スチル写真(静止画)が苦手とするトラックを挙げていきましょう。
超高輝度LED
最近、採用され始めた超高輝度LEDはスチル写真が苦手とする被写体の一つです。
特徴としては、とにかく明るいので露出オーバーになりやすいです。
ナイトシーン撮影ではリレー対策として、スローシャッター撮影を行います。
この時、通常のマーカーランプですと適度な明るさに写るのですが、超高輝度LEDは明るすぎるため色が正しく表現されません。
では、超高輝度LEDに露出を合わせるとどうなるかというと、それ以外の部分が暗くなり過ぎるのです。
肉眼で見る分には良いのですが、超高輝度LEDを採用したトラックは、その部分だけ露出オーバーになると覚えておきましょう。
ホワイトのマーカーランプやアンドン
超高輝度LED同様、ホワイト色のマーカーランプやアンドンも露出オーバーとなりやすいです。
ホワイト色は撮影すると、見た目より明るく表現されやすいです。
そのうえ背景は夜空や闇夜となる為、白黒のコントラストが激しくなります。
白い部分が表現の限界を超える状態を白飛びというのですが、まさしく白飛びしている状況といえます。
これは露出をアンダー側に持っていっても、上手く解決できません。
ホワイト色のマーカーランプやアンドンを採用したトラックを撮影すると、電飾部分が白飛びするものと覚えておきましょう。
グリーン、ブルー等暗いマーカーランプやアンドン
グリーンやブルー、パープル等、光らせた際に暗く表現される電飾は光っているように見えにくいです。
これはワット数が低い電球でもいえます。
見た目に暗い色の電飾は写真にしても暗いです。
全体的に強弱の無いナイトシーン写真となってしまうので覚えておきましょう。
黒いキャビンや黒系のペイント
黒いキャビンや黒系のペイントはスチル写真が苦手とする被写体の一つです。
理由としてはイメージセンサーが黒のトーンを表現しきれないためです。
これは古いデジタルカメラに顕著で、イメージセンサーサイズでいうとフルサイズよりAPS-Cの方が弱いです。
また、電飾と黒い部分のコントラストが強くなり過ぎるという問題も発生します。
これを防止するために黒い部分に露出を合わせると、電飾関係が露出オーバーとなってしまします。
日が落ちたら黒いキャビンのトラックは綺麗に写らないと覚えておきましょう。
ヘッドライトやフォグランプが点いている状態
ヘッドライトやフォグランプなど、明るい灯火類が点いている状態は露出オーバーとなりやすいです。
また、撮影の向きによってはゴーストの発生や空気中の水分や埃が反射して写ります。
こういった写りこみを防止するためには撮影角度を水平方向に変えるのが有効です。
灯火類は直視せず、斜めや横から撮影すると良いでしょう。
スチル写真の苦手を理解して綺麗な写真を撮る
スチル写真が苦手とする被写体を理解するのは重要です。
・超高輝度LED
・白いマーカーやアンドン
・グリーン、ブルー等暗い電飾
・黒のキャビンや黒っぽいペイント
・ヘッドライトやフォグランプ
こういったものが苦手の対象です。
苦手を避ければ必然的に写りは綺麗になります。
どれだけ頑張っても、綺麗に写らないものは写らないのです。
とりあえず写すだけなら可能かもしれませんが、綺麗に写したいのであれば、苦手とする被写体を追いかけ続けるのは時間がもったいないです。
特にトラックイベントの場合は、撮影時間が限られています。
時間は有効に活用しましょう。
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