プラモデル撮影テクニック「奥までしっかり見せる方法」

プラモデル撮影法
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プラモデルを撮影したんだけど後ろの方がボケちゃって・・・・。

何とかなりませんか?

被写界深度を学ぼう

プラモデル撮影の前に被写界深度(ひしゃかいしんど)のお話しをしましょう。

 

写真の用語に被写界深度(被写体深度)というものがあります。

被写界深度とは・・・・。

レンズのピント(焦点)が合っているように見える距離(範囲)の事です。

 

この合っているように見えるというところがポイントです。

撮影時、実質的にピントが合っているのは1平面上にしかないのですが、実際に撮影してみるとその前後も合っているように見えます。

ですからピントが合っているのではなく、ピントが合っているように見えるという表現になります。

  

こんなことで困ったことはありませんか?

写真を撮っていてこんなことで困ったことありませんか?

・デコトラのプラモデルなど小さなものを斜め前から撮影した時に、キャビンにピントは合うけど荷台はピントがボケる。

・記念撮影や自撮り撮影をしていたら、一緒に写したかった背景がピンボケ。

・ボカしたかった背景がハッキリ写りすぎて、被写体の存在感がなんとなく薄い。

これらの問題をある程度解決に導いてくれるのが被写界深度の考え方です。

  

被写界深度のイメージ

被写界深度はこのようにイメージしてもらえば良いかと思います。

ピントの位置は荷台の先端部あたりで設定しています。

図の被写界深度と書かれた範囲(奥行き方向)は、ピントが合っているように見え、その前後は少しずつピントがボケて(ピンボケ)いきます。

撮影した写真を見て背景や手前のものがボケて見えるのは、この被写界深度の範囲から外れているからです。

 

 

イメージはさておき実際に撮り比べると

イメージの説明で大まかにわかっていただけたと思いますので実際に撮り比べてみましょう。

 

被写界深度を調整するにはカメラやレンズで絞りの値を変更させます。

参考までに絞りの値はf値とも表現され、一般的にはこちらの方が良く使われます。

カメラやレンズにも「f値」と表示されていることが多いでしょう。

 

今回は定規を使用し、目盛の0にピントを合わせ絞りの値(f値)を変更し撮り比べてみました。

絞りの値(f値)が大きくなるにつれて奥までピントが合っているように見えるのが分かります。

 

なんとなくでも被写界深度についてイメージできましたか?

被写界深度という言葉のとおり、効果の様子は浅い、深いと表現します。

先ほどの絞りの値【f1.4】の写真は被写界深度が浅い、【f16】の写真は被写界深度が深いと表現します

  

被写界深度の特性

さて、被写界深度ですがこのような特性があります。

とっても重要なことなので覚えてください。 

【1】カメラ(レンズ)側で絞りの値(f値)を小さくすると浅く、大きくすると深くなります。

【2】カメラ(レンズ)と被写体の距離が近くなるほど浅く、遠くなるほど深くなります。

【3】レンズが望遠になるほど浅く、広角になるほど深くなります。

【4】カメラ(レンズ)側で絞りの値(f値)を大きくすると入る光の量が少なく、小さくすると入る光の量が多くなります。

カメラの設定だけで被写界深度を変更できるのは【1】だけです。

【1】はカメラの設定が要因で、【2】は距離が要因、【3】はレンズの焦点距離【4】は絞り穴による光の通過量が要因です。

絞りの値(f値)の変更することによって、この4つの効果を調整できますので、最初に出てきた困りごとも解決に近づくのではないでしょうか。

 

実際にプラモデルを撮影してみる

では、これまで説明したことを踏まえて実際に撮影してみましょう。

 

今回の被写体はデコトラのプラモデルです。

大きさの関係でカメラとの距離が近くなるため、キャビンにピントが合うけど荷台はボケる典型的な被写体ですね。

 

【1】絞りの値(f値)は小さくします。

【2】カメラ(レンズ)とプラモデルの距離は極力離します・・・といってもサイズからいってこのぐらいが限界ですね。

【3】レンズは望遠ではなく広角側の24mmを使用します。

 

【 nikonD90 24mm f18 】

プラモデルとの距離は近いのですが絞りの値をf値=18と小さくしたため被写界深度は深めです。

被写界深度が深いため、キャブハシゴあたりにピントを合わせているのですが、荷台部分のピンボケはほとんど目立たないと思います。

このように被写界深度を理解すれば思った通り、またはそれに近い写真が撮れますのであとはf値を変更して試してみましょう。

今までピンボケに悩まされていた人は、その悩みから解放されるはずです。 

 



 

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