Nikon Z8とZ6Ⅱ
NikonZ8は2023年5月にニコンから発売されたミラーレス一眼カメラです。
有効画素数4,571万画素のイメージセンサーを搭載し、高度な被写体検出やReal-Live Viewfinder、センサーシールドなど先進機能を搭載しています。
いわゆるNikonの8番台ということで、同社のデジタル一眼レフカメラD800シリーズのミラーレス判といった位置付けになるでしょう。
Z9のようなフラグシップ機ではないけど、ほぼ同等性能をコンパクトなボディに詰め込んでいるのが特徴です。
8番台が高級機なら、普及帯にあるのが6番や7番台。
性能は劣るけど、その分安い価格設定となっているのが特徴です。
ニコンですとZ7シリーズやZ6シリーズがそれに当たります。
今回は普及機の中でも、Z6Ⅱにスポットを当ててみます。
Z6Ⅱはその仕様からみても”普及機”といえるのですが、Z8を使い込むほどZ6Ⅱの良い部分をあらためて認識する事になります。
「Z8の方が性能が良いのになぜ?」と疑問に思うかもしれません。
それにはデジタル一眼カメラならではの理由があるといえます。
Z8とZ6Ⅱのスペックを比較してみる
Z6Ⅱの魅力について語る前に、Z8とZ6Ⅱのスペック(仕様)を比較してみましょう。
【Z8、Z6Ⅱ主なスペック比較】
項目 | Z8 | Z6Ⅱ |
---|---|---|
フォーマット | フルサイズ | フルサイズ |
有効画素数 | 積層型CMOSセンサー 4,571 万画素 | 裏面照射型CMOSセンサー 2,450 万画素 |
撮影感度 | 標準:ISO64~25600 拡張:ISO32相当、102400相当 | 標準:ISO100~51200 拡張:ISO50相当、204800相当 |
連写撮影 | 高速連続撮影:約10~20コマ/秒 | 高速連続撮影:約5.5コマ/秒 |
液晶モニター | 3.2型(インチ) 210万ドット タッチパネル | 3.2型(インチ) 210万ドット タッチパネル |
撮影枚数 | ファインダー使用時:330枚 液晶モニタ使用時:340枚 | ファインダー使用時:340枚 液晶モニタ使用時:410枚 |
スロット | ダブルスロット XQD・CFexpressTypeB /SDカード | ダブルスロット XQD・CFexpressTypeB /SDカード |
起動時間 | 0.4秒 | |
防塵・防滴 | 〇 | 〇 |
5軸手ブレ補正 | 〇 「シンクロVR」対応 | 〇 |
センサーシールド | あり | なし |
可動液晶モニタ | 4軸チルト式液晶 | チルト式液晶 |
RealLiveViewfinder | 〇 | × |
AFセンサー測距点 | 493点 | 273点 |
被写体検出 | 人物 動物 乗り物 飛行機 | 人物 動物 |
幅x高さx奥行き | 144×118.5×83 mm | 134×100.5×69.5 mm |
重量 | 約820g(本体のみ) | 約615g(本体のみ) |
似たような仕様もありますが、設計が根本的に違うので、Z8のほうが高性能といえます。
Z8は凄いけど・・・
仕様を見比べていただくと分かるように、Z8はとにかく高性能です。
また、仕様に現れない部分での多機能さも感じます。
4,571万画素のイメージセンサーに、高性能な被写体検出、4軸チルトモニター、暗所サポート機能、Real-Live Viewfinderなど・・・数え出したらキリがありません。
ではなぜ、Z8を使い出すとZ6Ⅱの魅力が分かるのか?
具体例を挙げましょう。
Z6Ⅱは軽くてコンパクト
Z8を触った後に、Z6Ⅱを操作するとそのコンパクトさが際立ちます。
幅が 10mm 小さい
高さが 18mm 小さい
奥行が 13.5mm 小さい
それぞれ10~20mmほど小さくなっただけなのですが、実際に構えるとZ6Ⅱはとても小さく感じます。
更に重量が205g軽いので、悪い言い方をすればオモチャのような印象を受けるかもしれません。
もちろん、人によっては「安っぽい」とか「小指あまりが許せない」なんて意見もありますが、個人的には軽くてコンパクトなのは良いことだと思っています。
「その分性能が悪いか?」というと、そういったことはありません。
使いたい機能はある程度付いています。
ササッと持ち出したい時・・・。
Z8は重くて大きいのでちょっと・・・。
そんな時は必然とZ6Ⅱに手が伸びるかもしれません。
Z6Ⅱの画素数2450万画素は丁度いいかも
Z8とZ6Ⅱはイメージセンサーの画素数が違います。
【画素数の比較】
製品名 | 有効画素数 |
---|---|
Z8 | 4,571 万画素 |
Z6Ⅱ | 2,450 万画素 |
この違いによって、Z8では高画素による精細な写真が期待できますが以下のような欠点もあります。
・大きな容量のフラッシュメモリーが必要となる
・現像時のパソコン(アプリケーション)に対する負担が大きい
・保存する際の記憶装置に対する負担が大きい
こういった理由により、カメラ以外にも投資が必要になる可能性は高いです。
では、Z6Ⅱの2,450万画素では不十分かというと、使用用途によっては十分だったりします。
部分的に切り取ったり、大きなサイズでプリントする際は荒くなりますが、SNSやホームページで利用する程度なら能力不足を感じることは少ないでしょう。
個人的な肌感ではA3サイズぐらいまでなら十分印刷に耐えると感じます。
・パソコンへの負担も少なく記録容量も少なくて済む。
・画質もそれほど悪くない。
そう考えるとZ6Ⅱの2,450万画素はちょうどいいといえるかもしれません。
Z6Ⅱはノイズが少なくクリアな画質
一般的にイメージセンサーの画素数が上がると、デジタルノイズが増加します。
これはZ8とZ6Ⅱにもいえることで、原寸大表示すると画素数の多きいZ8の方がノイズが目立ちます。
さらにZ8では読出し速度を上げるため、積層型CMOSセンサーを採用しています。
この積層型CMOSセンサーはZ6Ⅱに搭載されている裏面照射型CMOSセンサーよりノイズが多い傾向にあります。
Z8を使い出すとノイズの多さが気になるかもしれません。
高画素、高速化の裏でこういったデメリットも理解が必要です。
以上の理由により、
・画素数が小さいZ6Ⅱの方がノイズが少ない。
・裏面照射型CMOSセンサーを採用しているZ6Ⅱの方がノイズが少ない。
といった傾向があります。
画素数さえ気にならなければZ6Ⅱの方がノイズの少ない写真が撮れるという事です。
Z6ⅡはZ8と比べお値段半分以下
さて、最後はお値段です!
テレビショッピングではありませんが、カメラの値段も重要です。
高性能で高画質であっても、手の届かないような製品を比較することは現実的ではないからです。
Z8は確かに高性能ですが高価であることは確かです。
現状でも50万円ぐらいしますので、その半額程度で買えるZ6Ⅱが安く感じてしまいます。
差額で交換レンズが1、2本買えてしまう事もあるでしょう。
Z6Ⅱはお財布にも優しい価格設定となっています。
なんだかんだでZ6Ⅱはバランス良いと考える
Z6Ⅱは、
・軽くてコンパクト ・2,450万画素が丁度いい ・ノイズが少なくクリアな画質 ・Z8と比べてお値段半分
といった特徴があります。
しっかりと目標を持って撮るならZ8の出番かもしれませんが、気軽に持ち出すならZ6Ⅱが良い場合も多いです。
チョイ使いに!
フルサイズイメージセンサーであったり、ダブルスロットであったり手ブレ補正が付いていたりと、欲しい機能は付いてます。
なんだかんだでZ6Ⅱはバランスの良いカメラだと考えます。
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