ブロック塀とは
一般にいわれているブロック塀の正式な名称は「補強コンクリート造のブロック塀」といいます。
まあ、長ったらしいのでブロック塀でも十分通用しますね。
一般的には布基礎の上にブロックと鉄筋を配置しながら積み上げていきます。
細かい施工基準がありますので、簡単にできそうだからと言って素人が積むのは危険です。
施行は専門の業者に任せましょう。
ブロック塀に対する法律の推移
ブロック塀は地震や風に弱い構造物です。
大きな地震が起こるごとに多くが倒壊し、人的被害を出してきました。
そのため、建築基準法施行令は何度も改正されています。
例えば、高さだけをとっても昭和25年の基準では3m以下となっていますが、現在は2.2m以下となっています。
また鉄筋の直径や間隔も明確に指示されたり、控え壁の設置も義務付けられました。
法律上はどんどん厳しくなっていくのですが、これはあくまでも新築の場合で、30~40年前に施工された既存のブロック塀には適合しないものが多く残るのも現実です。
既存不適合のブロック塀
現在でも30~40年前のブロック塀はいたるところにあります。
多分これらのほとんどが、現在の法令では違法になり、既存不適合の対象となります。
もし、大きな地震が起こってブロック塀が倒壊し、人が亡くなったりしたらその責任は全て所有者が負います。
もちろん、そのブロック塀が既存不適合であった場合はより罪が重くなります。
中古住宅を買ったり、親から相続したから知らなかったでは済まされないことなのです。
所有するだけでアウト!
最悪、刑事事件にまで発展するというまさに地雷のような存在です。
ブロック塀の適合基準
ここで「補強コンクリート造のブロック塀」について法令の適合基準を確認しておきます。
・高さ 2.2m以下
・厚さ 10cm以上(塀の高さが2.0~2.2mの場合は15cm以上)
・控え壁 塀の長さが3.4m以下ごとに、塀の高さの1/5以上突出した控え壁があるか。
・基礎 コンクリートの基礎。
・根入れ 基礎の丈は35cm以上、根入れ深さは30cm以上か。
・たて筋 空洞ブロックの場合は中に9mm以上の鉄筋が、80cm間隔以下(高さ1.6mを超える場合は40cm間隔以下)で配置されているか。
・よこ筋 9mm以上の鉄筋が80cm間隔以下で配置されているか。
参考資料:国土交通省資料
このように細かい施工基準があります。
平成13年に施行令が更新されていますので、それ以前のブロック塀はこの基準を満たしていないと思っていいでしょう。
ブロック塀が違法だった場合の対応
ブロック塀が基準不適合だった場合の対応は2種類に分かれます。
【1】すべて撤去して新たに作り直す。
【2】適合しない部分だけ手直しする。
【1】は単純明快ですね。
全てやり直すので法令的には問題ありませんが、費用や施工上の問題があります。
ブロック塀が建っているところが広いとは限りませんので、破砕するのにも新たに施工するのにも人の手が入らない場合もあります。
【2】は専門家でも判断が難しいです。
目に見えている部分はいいのですが、地面の下がどうなっているか、内部の鉄筋の状態がどうなっているかなんて簡単には分かりません。
一部を壊して様子を見ても、すべてが同じ状況とは限りませんからね。
自宅のブロック塀
築40年の自宅は、新築当時から北面の隣地境界にブロック塀が建っていました。
ブロック7段半なので、高さ約1.5mですが、控え壁が一切ありません。
また地面の下もどうなっているか、コンクリートで埋まっていて確認ができない状況です。
という事で泣く泣く全撤去、そしてアルミフェンスとしました。
非常に痛い出費ですが、もし地震で倒れて人が亡くなったら、多額の損害賠償と刑事事件コースです。
それだけは避けなければいけません。
「東海地震が起こる、起こる」と言われ始めてはや30年。
いつ起きてもおかしくないと思っています。
危険なブロック塀は日本中いたる所にあります。
古くて6段以上積んであったらまず疑っていいでしょう。
あなたの家のブロック塀や通勤、通学路にあるブロック塀は大丈夫ですか?
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