Canon EOS R100 は「お買い得?」問題を様々な観点から検証「コンパクト、軽量なエントリーモデルの事実」

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2023年5月24日に発表されたEOS R100

EOS Rシリーズ最小最軽量をうたう初心者用モデルです。

<EOS R100外観:キャノンHPより引用>

小型、軽量のエントリーモデルながら

「本格的な静止画、動画撮影を実現」できることが魅力なのですが、見落としてはならないポイントもいくつかあります。

EOS R100「コンパクトで高性能でお買い得」なのか?

気になる点を見てみましょう。

  

  

Canon EOS R100

まずはEOS R100の主な仕様について確認してみましょう。

レンズマウントキヤノンRFマウント
画面サイズAPS-C(約22.3×14.9mm)
カメラ部有効画素数最大約2410万画素
記録媒体SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-I対応)
記録画像タイプ静止画:JPEG、RAW、C-RAW
動画:ALL-I、IPB(標準)
タイムラプス動画のみ
記録画素数(静止画)L(ラージ):約2400万(6000×4000)画素
M(ミドル):約1060万(3984×2656)画素
S1(スモール1):約590万(2976×1984)画素
S2(スモール2):約380万(2400×1600)画素
RAW:約2400万(6000×4000)画素
C-RAW:約2400万(6000×4000)画素
測光センサー撮像素子の出力信号による384分割(24×16)測光
ISO感度の手動設定[静止画撮影]常用ISO感度:ISO100~12800
拡張ISO感度(相当):H(25600)
[動画撮影:フルHD/HD]常用ISO感度:ISO100~12800
拡張ISO感度(相当):H(25600)
[動画撮影:4K]ISO100~6400
露出補正1/3段ステップ±3段
シャッター方式電子先幕
電子シャッター(サイレントシャッターモード設定時のみ)
シャッタースピード[静止画撮影]
応用撮影ゾーン:1/4000~30秒、バルブ
かんたん撮影ゾーン:1/4000~1秒
[動画撮影]
動画自動露出:1/4000~1/25秒
動画マニュアル露出:1/4000~1/8秒
手ブレ補正機構非搭載
内蔵ストロボリトラクタブル式、手動ポップアップストロボ
ガイドナンバー約6(ISO100・m)/19.7(ISO100・feet)
充電時間約5秒
外部ストロボ
(対応ストロボ)
ELシリーズスピードライト EL-1/EL-100
EXシリーズスピードライト
EXシリーズマクロライト
スピードライトトランスミッター
 ST-E3-RT(Ver.2)/ST-E3-RT/ST-E2
オフカメラシューコード OC-E3
シンクロ端子なし
連続撮影速度ワンショットAF:最高約6.5コマ/秒(電子先幕)
サーボAF:最高約3.5コマ/秒(電子先幕)
連続撮影可能枚数JPEGラージ:約100枚
RAW:約6枚
RAW+JPEGラージ:約6枚
タッチシャッター非搭載
瞳検出可能
ファインダーOLEDカラー電子ビューファインダー
0.39型/約236万ドット
液晶モニターTFT式カラー液晶モニター
ワイド3.0型(3:2)/約104万ドット
角度調整:非対応
タッチパネル:非搭載
外部インターフェイス通信用端子:USB Type-C
通信:Hi-Speed USB(USB 2.0)
用途:パソコン通信用
HDMI出力端子:TypeD
外部マイク入力端子:Φ3.5mmステレオミニジャック対応
通信機能Wifi:IEEE 802.11b/g/n 相当
Bluetooth:Bluetooth Specification Version 4.2準拠
電源バッテリーパックLP-E17、1個
撮影可能枚数の目安ファインダー撮影:常温(+23℃)約320枚
モニター撮影:常温(+23℃)約400枚
4K/IPB (標準) 29.97/25.00fps:常温(+23℃)約1時間50分
フルHD/IPB(標準)29.97/25.00fps :常温(+23℃)約2時間40分
大きさ116.3(幅)×85.5(高さ)×68.8(奥行)mm
質量本体(バッテリー、メモリーカードを含む):約356g
本体のみ:約309g
動作環境使用可能温度:0℃~+40℃
使用可能湿度:85%以下

 




Canon EOS R100はお買い得?

日本人は「あれここれも付いてお値打ちな商品」が好きです。

しかし、使わない機能まで付いていることで、結局のところ価格やサイズに影響してくるのです。

「使わないのなら要らないのでは?」

EOS R100からはそんな声が聞こえてきそうです。

では、個人的に思うところを挙げていきましょう。

 

デジタル一眼カメラ初心者に優しい価格

EOS R100は一眼カメラとしては安いです。

ペンタ付きEVFのミラーレス一眼カメラで、予約当初から実売7万円台はそう無いです。

<EOS R100のEVF:キャノンHPより引用>

今まで、低価格といえばEVF無しが当たり前でした。

「EVFは欲しいので、その他をいろいろ削る」という結果実現できた低価格かもしれません。

初心者に優しい価格設定といえます。

 

割り切った仕様

EOS R100は低価格を実現するために、割り切った仕様となっています。

具体的には、

・起動時間0.9秒
・ボディ内手振れ補正なし
・セルフクリーニングなし
・背面液晶は固定式
・タッチセンサー非対応の液晶
・USB給電できない
・GN6のストロボ

といったことがあります。

それぞれどういった事か見てみましょう。

 

起動時間0.9秒

現在のデジタル一眼カメラで、起動時間0.9秒は遅いです。

例えば、

EOS R6 Mark20.4秒
EOS R70.4秒
EOS R80.4秒
EOS R100.4秒
EOS R500.4秒

といった具合に、キヤノンのミラーレス一眼カメラは概ね0.4秒で起動できます。

僅か0.5秒の差ですが、感覚ではかなり遅く感じるかもしれません。

もちろん、こういった起動時間の遅さは、全ての動作に影響します

撮影時にイライラすることがあるかも。

 

ボディ内手振れ補正なし

EOS R100にはボディ内手ブレ補正機構がありません。

「今時、スマホにも付いているのになぜ?」

と考えるかもしれませんが、

スマホ小さなイメージセンサーと、

EOS R100APS-Cサイズイメージセンサーでは手

ブレ補正機構の大きさ、価格も変わってきます。

ですから、コストカットの対象になるのは仕方がないところ。

<ボディ内手ブレ補正の例:キヤノンHPより引用>

ここは、

「焦点距離と手ブレについて学べる!」

とポジティブに捉えましょう。

 

セルフクリーニングなし

デジタル一眼カメラのイメージセンサーには埃が付着しやすいため、定期的に清掃が必要です。

これはボディとレンズが脱着できる一眼カメラの宿命ともいえます。

対策としてメーカーが搭載したのはイメージセンサーのセルフクリーニング装置

これはイメージセンサー前面のローパスフィルターを超音波振動させ、埃やゴミを取り除くというものです。

EOS R100にはセルフクリーニング機能が付いていません。

ですからイメージセンサーに埃が付着したら、

・クリーニングキットで自ら清掃する
・メーカーに清掃を依頼する

といったことが必要になります。

初心者が自ら清掃するのはリスクがありますし、メーカーに依頼すると3,000円程度(送料別)が必要となります。

定期的な清掃を考えると結構な出費。

多少高くなってもセルフクリーニング機能は搭載して欲しいところです。

 

背面液晶は固定式

EOS R100背面液晶は固定式です。

ですから、ローアングルハイアングルでの使い勝手は制限されがちです。

自撮りする場合も、自ら像を確認できません。

ですから、SNSVlog自撮りをメインにする人向けの製品ではないと考えます。

可動式の液晶を撤廃することにより低価格を実現し、「ファインダーを覗いて構える」とういうスチルカメラ本来のスタイルになったと感じます。

 




タッチセンサー非対応の液晶

今時当たり前のタッチセンサー

EOS R100タッチセンサー非対応です。

ですから背面液晶を指で触っても皮脂で汚れるだけですのでご注意を!

<タッチセンサーの例:キャノンHPより引用>

とはいえ、この「タッチセンサーっている?」という問題もあります。

指の太い人や、乾燥肌の人は苦手かも。

個人的には使うことがないので、無くても良いです。

 

USB充電できない

EOS R100USB充電が出来ません。

ですから、バッテリーを充電する際は専用の充電器を使用する必要があります。

出先で緊急に充電したい場合、USB充電は便利です。

バッテリー充電器を持っていなくても、スマホ充電器やパソコンのUSBポートが使えますからね。

特に予備バッテリーを持たない人には有難い機能。

正直、搭載して欲しかったところです。

 

GN6のストロボ

EOS R100にはストロボが内蔵されています。

正直、これ要るのかな・・・?

GN(ガイドナンバー)たったの6でしょ。

<EOS R100のストロボ:キャノンHPより引用>

初心者向けのカメラということは、想定されるレンズは標準ズームレンズ

たいてい暗いものが多いですね。

ISO100でf5.6のレンズだったら1.07mしか届かない。

まあ、使えないことは無いのですが「無くても良いのでは?」とも思うのです。

 

 

コンパクトで軽い

EOS R100はそのコンパクトさも売りです。

キヤノンの一眼カメラと比較してみましょう。

 

<EOS R100のサイズ比較:キャノンHPより引用>
<EOS R100の重さ比較:キャノンHPより引用>

かなり小さく、軽く作られていることが分かります。

 

これにより、今まで入れにくかったカバンにも入るでしょうし、長時間持ち歩いても疲れにくくなります。

小さく軽いということは、歩き回って撮影する人には最適。

旅行、登山、街撮りなどで活躍しそうです。

 

すぐに物足りなくなる危険性

EOS R100”余分”と思った機能を取除いています。

ですから、何かをしようとした時に物足りなさを感じる可能性は高いです。

例えば、

 暗い場所での手ブレに悩まされるかもしれません。
 ローングルハイアングル撮影ではチルト液晶バリアングル液晶が欲しくなるでしょう。
 屋外でストロボを焚くと、その暗さに愕然とするかもしれません。

他にも、シャッター速度AF性能ISO感度拡張性などコストカットが見える部分で物足りなさを感じる可能性はあります。 

この点は十分理解してください。

 




スマホユーザーをデジタル一眼に導入できる?

EOS R100「いかに初心者を取り込めるか?」が勝負のカメラだと考えます。

そういった面で”価格””サイズ”については、かなり思い切った製品だと思います。

 

では、取り込むべき初心者がどういったカメラを使っているかというと、多くがスマホだと思います。

「スマホじゃ物足りないからデジタル一眼カメラを始めたい」

「できれば最初はお安く始めたい」

という人は買いでしょう。

・レンズ交換できる
・イメージセンサーが大きい
・写真の基礎が学べる

こういった点では、デジタル一眼カメラの方が優れています。

 

あとは、初心者にどれだけ刺さるか?

また、何でも付いているカメラが好きな日本で受け入れられるか?

といった事もカギになって来るかと考えます。

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